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2008年7月アーカイブ

July 31, 2008

WindowsXPでもメイリオ・フォント

●Windows Vistaには「メイリオ」フォントという、なかなか美しい日本語フォントが標準装備されている。ゴシック系というか新ゴシック系で、読みやすい。WindowsXPユーザーとしては、唯一Vistaに羨望を感じるのがこの「メイリオ」が入っているという点だったのだが、実はしばらく前からMicrosoftがこのフォントをXPユーザーにもダウンロードさせてくれるようになった。躊躇レスにインストール。

Windows XP 向け ClearType 対応日本語フォント

●なお、「メイリオ」をインストールした後、以下を忘れずに。[画面のプロパティ]→[デザイン]→[効果]の「次の方法でスクリーンフォントの縁を滑らかにする」から「ClearType」を選択してチェック。これをやっておかないと、ぜんぜん美しくない。
●このブログでは「メイリオ」を優先的に使うように指定してある。従来のMSゴシックPと比べて、どれくらい違うかというと、こんなに違う。

MSゴシックP
font_sample_msg.gif

メイリオ
font_sample_meiryo.gif


●猛烈に違う、読みやすさが。なにしろMSゴシックPは昔ながらのビットマップだったわけで。

July 30, 2008

夜更かし「ワルキューレ」

●ああ、いかん。昨夜も深夜のバイロイト音楽祭生中継につきあってしまった。ティーレマンの「ワルキューレ」。第1幕だけのつもりで聴きはじめたが、あまりにすばらしくて延長。第3幕の頭まで粘ったところでバタンキュー(死語)。幕間に長い休憩が入るから、この時間帯だとどうしても最後まで聴いてられない。一昨夜の「ラインの黄金」はヴァルハラ城入城に至らなかったが、昨夜の「ワルキューレ」ではブリュンヒルデがヴォータンに勘当されずに済んだ。このまま全四夜、前半だけ聴いていると、いつの間にかハッピーエンドな「指環」が完結するかも! なわけないか。
●よく「写実的な演出」って言い方をするけど、「ニーベルングの指環」の場合はもともとが神話世界だから、そういう場合は何て言えばいいんだろ。「ト書きに忠実」っていうレベルじゃなくて、真に神話的な、どう見ても本物の神や巨人や侏儒や大蛇が登場する演出というのはたぶん存在しないと思うのだが、音楽だけを聴いているときはワタシはそういうCGをバリバリと使ったような映像を空想している。特に「ワルキューレ」はそう。
●ワタシの脳内舞台では、ワルキューレとは重力を感じさせない存在だ。ワルキューレたちはペガサスに乗って空を飛ぶ。飛ばないワルキューレはワルキューレじゃない。ブリュンヒルデが登場するときは、基本的に空から飛んでくるので、(想像上の)観客の視点は空中のブリュンヒルデにある。戦場で戦死した英雄を回収すべく地表へと降下するとき、視線は下から見上げるのではなく、上からだんだんと大きくなる地表を見下ろすことになる。横にはほかのワルキューレたちも飛んでいる。彼女たちは重力から自由だ。
●さらにワルキューレたちは痩せていて、下肢が長いことになっている。ワルキューレたちはみな八頭身、いや九頭身くらいの長身痩躯で、長槍を装備している。下肢がやたらと長くウェストは細い。すなわち、「新世紀エヴァンゲリオン」における汎用人型決戦兵器、あるいは「DEATH NOTE」における死神(リュークとレム)のような体型をしている。ワルキューレが迎えるのは死者であり、彼女たちが持つ死のイメージは、エヴァや死神たちと重なる。

July 29, 2008

引き続き「バイロイト音楽祭2008」

●勢いで二日目、三日目も少し付き合う→バイロイト音楽祭ラジオ中継。
●二日目はカタリーナ・ワーグナー演出、セバスティアン・ヴァイクレ指揮の「ニュルンベルクのマイスタージンガー」。これ、新聞報道でもあったけど、バイロイト音楽祭のサイトで「チケット」を買うと生中継をビデオで見れるんすよね。しかし、どなたかご覧になった方はいるんでしょうか。49ユーロも払って、映像(DRM付き)をストリームで見てそれでおしまいっていうんだから、どんな太っ腹な方が購入するのか、かなり謎。音声だけなら無料で聴けるのに。新演出でもないし。
●テスト映像のページを見てみたら画面の解像度は512x288。音声は64kbps。音だけなら無料のBayern4のほうがいい。それでも映像があるとそれなりにPCなり回線なりのリソースを必要とするだろうから、よくわからないまま料金を払ってしまって、後から映像がカクカクするとか小さいとか怒ってる人がいるんじゃないかと心配。どれくらいの苦情があったのか(orなかったのか)、知りたい気もする。
●「マイスタージンガー」は前奏曲が終わって合唱につながるとことか、鳥肌ポイントに事欠かないけど、特に好きなのは第2幕の後半。ベックメッサーの歌をザックスが靴を作りながら、木槌かなにかを叩いて採点するじゃないっすか。で、この演出だと、どうやらこの部分でタイプライターをパチパチと打っているっぽい(音で聴く限りは。あっ、それを確かめたい人が49ユーロを払えばいいのかっ!)。でも機械式のタイプライターって、最後に実物を見かけたのはいつだろ。そろそろ何の音かわからない世代が確実にいると思う。
●2幕の楽しいドタバタがひとしきり済んだ後、夜警が出てきて歌う。これも大変すばらしいシーンだ。でも夜警の人は「もう夜11時ですよー、戸締り用心火の用心、おやすみなさい」(ウソ大意)みたいに歌う。ええっ、こっちは11時どころかもう日本時間午前2時とかそれくらいまで眠い目をこすって付き合ってるのに、そっちは11時で夜中なのかよっ!と意味不明に突っ込む。
●第3幕まで付き合うと朝になって日常生活が完全に破壊されてしまうので諦める。翌日のティーレマン指揮「ラインの黄金」も前半くらいまで聞いて、後はあっさり諦めた。毎年この調子で行くと、ワーグナーはどれも前半しか聴けないことになる。ヴァルターはいつになってもエーファと結ばれず、神々はいつまでもヴァルハラ城にたどり着けず、パルジファルは決して聖杯を掲げないというビューティフルドリーマー状態。いいんだろか。

July 28, 2008

ラン・ラン・アディダス

●「憧れのスター選手と同じシューズを履きたい」っていうのは、みんなが抱く男の子的な欲望なんだけど、スター・ピアニストと同じシューズを履きたくなるものなんだろうか。

Lang Lang's adidas
http://www.langlang.com/adidas

●もちろんadidasの三本線が入っている。そして、このシューズを履いてピアノを弾くラン・ランの姿が(笑)。しっかりとペダルをグリップしてくれるそのシューズはアディダス。
●これからはステージ上のピアニストの足元を注視したい。あ、この人、PUMAと契約してるんだ、とかわかるから。

July 27, 2008

バイロイト音楽祭2008開催中

バイロイト●今年もバイロイト音楽祭が開幕。欧州各局の生中継をネットラジオで聴くことができる。日本時間だと金曜の23時にダニエレ・ガッティ指揮の「パルジファル」で開幕。これを律儀に生中継で最後まで付き合うと翌朝の5時くらいになってしまう。それはムリすぎなので、第1幕だけ一通り聴いて、あとは第2幕のおしまいをつまみ聞いて寝る。ワグネリアンじゃないけど、せっかくのお祭なので、遠巻きに眺めて参加するくらいの感じで付き合おうかと。各局中継予定は以下のサイトなどで。

operacast.com BAYREUTH 2008
http://www.operacast.com/bayreuth08.htm

●PC経由で聴いている以上、生中継だろうが録画中継だろうが現象的にはなにも違いがないはずなんだけど、こちらの高揚感はぜんぜん違う。「今まさにリアルタイムで演奏されている音楽がネットワークを経由してウチのスピーカーで鳴っている」というそれだけで、とてつもなく感慨深い。初めてインターネットというものに触れて、このサイトを作った1995年時点でこんな未来は想像もできなかった。ネットが世間に浸透し買い物やらコミュニケーションが便利になるっていうのは予測可能な範囲だけど、こんなにも音楽ファンに都合のいい現実がやってくるなんて。NHK-FMとか身近な放送局は専用の機械(ラジオ)がないと聴けないのに、ドイツのBayern4とかハンガリーのBartokRadioとかはPCとネットがあれば容易にアクセスできるという不思議。
●で、続いて土曜の深夜はペーター・シュナイダー指揮の「トリスタンとイゾルデ」。今まさに放送中(ついさっきトリスタンとイゾルデがヤバいクスリを!)。これもおしまいまでは起きてられないので、途中まで。Bayern 4は128Kbps MP3とビットレートは十分高くて、ヘッドフォンで聴いても楽しめる。
●余談。ウチはPCとオーディオをつなげるのにRolandのUA-1EXっていう安価なUSBオーディオ・インターフェイスを使用してるんすよ。で、ネットラジオを録音しようと思ったら、なぜかUA-1EXが使えなくて、PC内蔵のオーディオデバイスじゃないとうまくいかないのがどうしてかなあと思ってた。そうしたらちゃんとメーカーサイトのサポートに説明があるではないか(→ここ)。裏面の録音ソース切り替えスイッチを DIGITAL に入れると、PC内の再生音がループバックする、と(サンプリング周波数は44.1kHzでOK)。これ、デフォルトでANALOGのほうに入っていたのかあ。見れば気がつきそうなものだけど、こんなディップスイッチみたいなのがあることをすっかり忘れていた。誰かの役に立つかもしれないので、書いておこう。

July 25, 2008

やってみた、ブログ通信簿

●はやってるっぽいからウチもやってみる>ブログ通信簿
tushinbo_img.png

●年齢に関してはなかなか鋭いところを突いてきてるのだが、果たして今から調教師になれるのかどうかが問題。っていうか、「ネコの調教師」ってそんな仕事があるのかよっ! 麻薬探知猫とか警察猫とか盲導猫とか、そういうのを育てるんだろうか。ムリだからそれ。
●なんか「得意科目なし」感、全開の通信簿だな。「目立たなくて大人しい生徒だったんですけどねえ」って言われるタイプ。

July 24, 2008

不朽の名作、絶賛発売中!

●そういえば、大ベストセラーのあのファンタジーが発売されたようである。毎度毎度でなんですが、今回最終巻っていうことなので、また置いておこうか。

ハンス・ホッターと冬の旅

超大ヒット・ロングセラー「ハンス・ホッターと冬の旅」。水車小屋に働く平凡な若者が冒険の旅へと出発、雪と氷と戦いながら、菩提樹で憩ったり、鬼火と戯れたり、ガール・フレンドを懐かしんで涙を流したり、郵便馬車と出会ったりと大活躍。ラストシーンでは謎の辻音楽師と対決、果たして主人公は敵の魔法のライアーが生み出す幻想と幻覚、そして果てしない孤独に打ち勝てるのか! 新境地へ到達した不朽の名作、半世紀くらい前から絶賛発売中!!
●ふー。やれやれ。って、やれやれじゃないか。
ホノルル、ブラジル●暑い日が続く。暑いときにはその暑さにふさわしいものを読もうと思い、「ホノルル、ブラジル―熱帯作文集」(管啓次郎著/インスクリプト)を手に取る。気に入った一節を見つけるとメモせずにはいられない、こんな風に。

「美」との関係はあくまでも個人個人が、一世代ごとに、自分の名と責任において作り上げるしかないということです。「伝統の美」という言い方はぜんぜん信用できない。その伝統をうけとめる自分は、いずれにせよこの一回しか生きていないんだから! 全体は誰にも見通せない。逆にいうと、あらかじめ与えられた「美」を「これが美なんだ」と信じこむ人は、結局、美しさに出会えずに終わる。美はあくまでも自分の経験として発見されるもの、発見しなくてはならないものでしょう。

 そうだよなーと肯きつつもギクリ。これ、日本の伝統美についての一節なんだけど、クラシック音楽を聴くときも、うっかりするとあらかじめ与えられた「美」を、せっせとがんばって自分の中の「美」というカテゴリーになんとか押し込めようと努めたりしかねない、ほとんど本能的な勢いで。「美」は発見するものとするなら、その座標軸は自分の中にしか描けない。だから他人の座標軸のどこにプロットされるかということとは無関係に、それは発見されたりされなかったりする。

July 23, 2008

試合結果は明日お伝えします

●今頃言うのもなんだけど、EURO2008みたいなヨーロッパのスポーツ大会だと、試合時間が日本の早朝とか深夜になるじゃないですか。で、決勝戦のときに特に思ったんだけど、朝、ウェブでもニュースでもみんな「スペイン優勝!」って平気で結果バレしてる。でもフツーの人は、まず生中継では見れないわけで、結果を知らないまま録画で試合を楽しみたかったはず。なのにどうしてあんなに試合結果をばらしちゃうんだろう。
●そもそもなぜEURO2008の決勝はネタバレしてよくて、「ハリーポッター」新刊の結末はネタバレしちゃダメなのか。
●前者は対象が事実、この世でおきた出来事だから「報道」なのであり、後者は作り物だから「ファンタジー」だ、って言うかもしれない、常識的には。でも本当にそうなのかなあ。EURO2008決勝の結末は、「事実」ではなくて、人工的に作られた「ファンタジー」なんじゃないか。いや、逆だな。人工的に作られた「ファンタジー」は「ハリー・ポッター」のほうだ。人の手で一から創り出すには限界があるから、運命という神の手に委ねて作る「ファンタジー」としてEURO2008決勝がある。どちらも本質的には同じく「ファンタジー」だ。人は物語がなければ生きていけないから、試合を見る。試合結果の即時的な報道というのは誰が求めているんだろう。

July 22, 2008

続々・ネコ名曲

ひそかに読んでる「チーズスイートホーム」●「猫の子守唄」と「続・ネコ名曲」に続いて、またネコ名曲。そう、まだあったのだ、ネコの曲は。これもメールでご教示いただいたのだが、チャイコフスキーの「眠りの森の美女」に登場する。「あれれ、あの話にネコなんて登場したっけ?」と首をかしげるのは、ワタシみたいにバレエを見てない人間だ。眠ったままのオーロラ姫を起こしてくれるのは、もちろん、王子様の接吻だ。どうしてオーロラ姫はずっと寝てたのか。そう、実は惰眠を貪る姫の正体はネコだったのだニャ~。
●ウソ。んなわけない。姫と王子様は結婚式を迎える。そこで来賓として招かれていたのが、「長靴をはいた猫」や「白猫」であったり、赤ずきんちゃんとおおかみとか、シンデレラ姫とチャーミング王子みたいなおとぎ話オールスターズであり、第24曲として「長靴をはいた猫と白い猫」が演奏されるのだった。
●もう一つ、プロコフィエフの「ピーターと狼」にもネコが出てくる、と。これも完全に盲点で、プロコフィエフにこういう作品があったことすら長く忘れていた。そして、今頃気がつくのだ、猫の役柄を担うのはクラリネットだ。ストラヴィンスキーでもそうだったけど、小鳥がフルートなのと同じくらいに猫はクラリネットなのかもしれん。

July 21, 2008

週末フットボールパラダイス~煉獄編

●Fマリノス、史上最悪の6連敗。引き分けもあるサッカーでこの記録は悲惨である。桑原監督を解任し、木村新監督2戦目、なぜかブラジル人選手をベンチに置いてホームで迎えた鹿島戦は、0-2と完敗。降格圏内の16位から抜け出せないどころか、17位の札幌に勝点差2まで詰められてしまった。なんというか、中or小規模のクラブなら崖っぷちの戦いにも燃えるものがあると思うんだが、これだけ予算規模の大きいクラブでそれはないだろうって気もする。かなり切ない。でもそれがサッカーなのか。
●と軽く嘆きつつも、足を運んだのはまたしてもJFL横河武蔵野FCvsソニー仙台戦へ。近所だから楽。最近、JFLになじんできたので、たまにテレビでJ1の試合見ると、選手が化け物だらけに見えます。
●試合開始前に、EURO2008で流れていた音楽がかかっていたのが嬉しかった。これくらいサッカーファンの心理わかってる演出はない。観客700人台でも心はEURO。猛暑の中を懸命に走って0-0のスコアレス・ドロー。ともにアマチュアクラブでありつつもリーグ上位に留まっていて、似た者同士の対戦だったかも。日差しが強烈で日陰に入らなければ試合を見ていられないほどだったが、夏の野外は嫌いじゃないのだ。1リットル分のペットボトルの水を飲んで観戦。これで武蔵野のゴールがあれば完璧だったのだが。4位キープ。
●野球の話だが、「Kスタ・楽天戦 飲食物持ち込み規制強化に不満の声」というニュースを読んで愕然。入場チェックで弁当やらスナック菓子を取り上げられるなんて悲しすぎる。

July 18, 2008

続・ネコ名曲

●一昨日の「猫の子守唄」で「猫の名曲は少ないなあ」と嘆いたら、トラックバックやメールで大勢の方からご教示いただいた。感謝。まずはロッシーニの「猫の二重唱」。むしろこちらがまっさきに挙げられるべきなのかも。少なくともストラヴィンスキーの「猫の子守唄」よりは歌われていそう。
●それからルロイ・アンダーソンの「ワルツィング・キャット」。これはワタシには思いつけない曲だなあ。でも世間的には有名か。それとサティの「潜水人形」から「猫のシャンソン」。げげ、そんなのがあったとは。
●ラヴェルの「子供と魔法」にも猫が登場するのだった。こちらは黒猫(オス)と白猫(メス)の二重唱。この曲は他にもこうもりとかふくろうとかトンボなどなどの動物系が出てくる上に、椅子だの茶碗だのティーポットだのといった無機物系も登場するから油断ならない。あ、椅子は無機物とは限らんか。
フランセ●これに一昨日挙げたストラヴィンスキーの2曲とショパンとスカルラッティがあるわけだ。で、自分でも調べてみたら実は結構ある。さすが、猫。ただ、あんまり有名じゃない曲が多いんすよ。たとえばモンサルバーチェのオペラ「長靴をはいた猫」とか。ジャン・フランセにも一曲見つけた。曲名は「夜の娘たち」Les demoiselles de la nuit。この曲の主役は猫だという。CDもあるようで、写真は名古屋方面で話題のティエリー・ フィッシャーがアルスター管を指揮した一枚。
●そんなわけで曲の数から言えば、もう「ニャンコ・クラシック」コンピを編めそうな量にはなったわけだが(笑)、しかし一社でこれだけ再使用可能な音源をそろえられるレーベルは果たしてあるのかとなるとかなり厳しそう。フランセやらモンサルバーチェはもちろんのこと、ラヴェルとストラヴィンスキーもそうそう録音する機会のある曲じゃないし。
●おっと、最後にもっと有名な曲を一曲。フォーレの連弾曲、組曲「ドリー」だ。バルダック家の幼い娘エレーヌの誕生を祝って書かれた曲。第2曲が「ミ・ア・ウ」で、第4曲が「キティ・ワルツ」。ネコ度は高そうだ。だが「ミ・ア・ウ」というのは実はネコではないという。幼いエレーヌが兄ラウルを呼ぶときに舌が回らず「メッシュ・アウル」となるのを題にしたものが、どこかでネコの鳴き声「ミ・ア・ウ」になってしまったと。では第4曲「キティ・ワルツ」はどうかというと、これも本来はKitty valseではなく、Ketty valseであって、ケティとはラウルの飼い犬の名だというではないか。つまり、実は「ドリー」は猫名曲ではなく犬名曲だったのだ!

July 17, 2008

「股旅フットボール」(宇都宮徹壱著)

●昨日のネコ名曲の話題は一日置いて明日続けるとして。
股旅フットボール―地域リーグから見たJリーグ「百年構想」の光と影●遅まきながら、これは必読、『股旅フットボール―地域リーグから見たJリーグ「百年構想」の光と影』(宇都宮徹壱著/東邦出版)。えっと、構えた書名なんだけど、日本のサッカーの4部リーグ(地域リーグ)を取材した本なんである。J1、J2があって、最近ワタシが通っている横河武蔵野FCが所属するJFLがあって、さらにその下、4部リーグのクラブ事情を伝えてくれるのだ。画期的。このテーマでおもしろくならないわけがない。
●どんなクラブが出てくるかというと、ファジアーノ岡山とかツエーゲン金沢とかカマタマーレ讃岐とかグルージャ盛岡とか、そういうクラブだ。この中には厳しい地域リーグの争いを勝ち抜いて、現在すでにJFLで活動しているクラブもある。いや、それどころかFC岐阜みたいにもうJFLも通り越してJ2まで勝ち上がってきたクラブまである。ほとんどリアル「サカつく」の世界。
●FC町田ゼルビアっていうクラブがあるんすよ、東京都町田市に。で、当時、東京都1部リーグにいたこのクラブに、地元在住の会社員小森さんという方が惚れてサポーターになる。でも都1部リーグなんて関係者とか家族とかしか観戦に来ない。そんな中で小森さんは「一人サポ」になって熱くクラブを応援する。選手は困惑するんだけど、とにかくサポーターになっちゃう。日立ビルシステムっていうチームにもやっぱり同じような「一人サポ」がいて、「一人サポ」対決が実現したっていう話もおかしいが、とにかくその小森さんは応援するだけじゃなくて、じゃあ選手に水を配ろうとか思いついて、スーパーで配ってる無料の水をもらって会場で選手に手渡したりしはじめて、ついにクラブの代表から熱烈なオファーを受けて事務局長に就任してしまう。そこから会社員をやりつつも、持てる時間とお金をすべてFC町田に注ぎ込むようになる。やっぱり会社を辞めて専業にならなきゃダメなのかなあ、でも辞めちゃうとクラブで雇ってる人たちの給料とか自分の給料とかどうやって払うんだ、とか悩んだり。ああ、スゴいリアリティ。この手触り、現場の「サッカー」って感じがズシリと伝わる。伝説だ。
●J1やスペインリーグじゃなくて、今そこにある伝説。あなたもきっと地元クラブの試合を見たくなる。

July 16, 2008

猫の子守唄

●暑くなってきたら、眠れなくなったりしませんか。思ったより、朝早くに目が覚めてしまったり。ああ、暑い。眠れないときは何を聞いたらいいのだろうか、そうだ、それは子守唄だ。
WORKS OF IGOR STRAVINSKY●思いついた、ストラヴィンスキーにあれがあったな! 例の自作自演BOXに入ってるはずだと取り出して聴く、「猫の子守唄」。アルトとクラリネット3本のための曲なんて、どうして書こうと思ったんだろうか。というか、この曲名からしてよくわかんない。だって、猫ほど子守唄を必要としない生命体が地球上にいるだろうか。連中はいつだって寝てるじゃないか、気持ち良さそうに。
●その謎を探るべく、眠いような眠くないような緩慢な状態にあるワタシは歌詞テキストをお手軽に見つけようとググってみたが、ロシア語とフランス語の詞しかヒットせず、どちらも読めない。猫はクラリネットっぽいかもなあ、しなやかな感じが。しかし眠れないのは困る。箱モノつながりでDHM50周年記念ボックスからスキップ・センペのクープランを見つけ出し、「子守唄、あるいはゆりかごのいとし児」を聴いて、心を落ち着かせる。
●それでも、暑くて眠れないなら、再び猫について考える。猫の曲には「猫の子守唄」以外にどんな曲があるだろう。まず、同じストラヴィンスキーに「ふくろうと猫」という歌曲があったっけ(これはソプラノとピアノでフツーの編成だ)。それから少しアレな俗称だが、ショパンの「猫のワルツ」があるな。あとは……あ、あれがあるね、ドメニコ・スカルラッティの「猫のフーガ」。しかしどの曲もやたら短いぞ。まあ、あの飽きっぽい種族に長大な作品は似合わんか。
●でもこれだけ? 他にないのか、クラシックでネコ名曲は。なにしろ、頼みの「動物の謝肉祭」に猫が登場しないのがよろしくない。ライオンは出てくるがネコ科とはいえ猫じゃないし、11曲目の「ピアニスト」に「実はネコ人間がピアノ弾いてました!」的な豪快なオチが用意されているとも思えないし。ネコ型ロボット交響曲もネコ耳娘ソナタもないし、意外とないね、猫は。あと何かあったっけな、うーん、うーん、うー、Zzzzzzz....

July 15, 2008

井戸端会議

●ご近所の若い奥サマ二人がマンションの前で立ち話。

「それでね、○○ちゃんがね、ブログで酷いこと書かれたらしいのよ」
「あのコメント欄でしょ、見た見た」
「あれね、××さんのとこの子が書いたんじゃないかって!」
「えー、ホントに~」

●もうすっかりフツーだ、ブログって。
●○○ちゃんはサーバーのログでIPアドレス確認してる、きっと。
●ウチのサーバーも引越しを機に、アクセスログをときどき見るようになった。特にエラー・ログ。すでに存在しない旧名のCGIファイルを頻繁に叩いてくる怪しいIPがいくつもある。わかりやすくonline-ca◎sinoなんとか.comみたいな名前のスパマーとか。あと、数秒おきに尋常じゃない勢いでアクセスしてくるIPがあって、どんな怪しい業者かと思って調べてみたら、某世界最大の検索エンジンだった。ス、スマソ……お、お茶でもお入れしましょうかとバーチャル恐縮するワタシ。

July 14, 2008

週末フットボールパラダイス~気がついたら崖っぷち編

物理サカゲー●今週末は一試合も見れず。中継がなかったのでハイライトしか見てないけど、マリノスは大変なことに。16位っすよ。下を見れば札幌と千葉。今そこにある降格争い。今年、開幕直後までは調子良くて、不遜にも優勝争いをしてくれるかのような気になっていたのが、それが今や降格争いに参戦しようとは。このパターン、何年か前にもなかったか?
●大分の快進撃がまぶしい。浦和に2-0で完勝。これでホームではリーグ戦5連勝。4月2日を最後にホームでは負けていないんだから、大分サポはスタジアムに行くのが楽しくてしょうがないのでは。
オーバーエージ枠は使用せず=反町監督、遠藤の代表辞退了承-五輪サッカー。23歳以下の選手だけで参加、と。遠藤の体調不良が原因ではあるが、結果的にはこれでよかったかと。U23のオリンピックやU20のワールドユースといった年代別大会を、アジアカップやワールドカップのために経験を積ませる場だと考えれば、28歳の選手はもちろんのこと、23歳以下であってもフル代表に定着している選手はもう五輪代表から卒業させてしまっていいんじゃないかなあ。

July 11, 2008

ゆりかもめに乗ったら東京国際ブックフェア

歩き疲れた……。写真は去年のものです●東京ビッグサイトで開催中の東京国際ブックフェアへ。一応、ほぼ毎年足を運んでいる。ブックフェアそのものは本を割引価格で買う場所みたいな感じになりがちなんだけど、並行して開かれるデジタル・パブリッシング・フェアを一通り眺めておかないとまずいんじゃないかという気になるので。しかし行くとなると遠い、半日つぶれる、展示場が巨大なので足が棒になるとそれなりに大変。
●ブックフェアのほうでは、アルテスパブリッシングさんが版元ドットコムのブースに出展してて、片山杜秀さんの「音盤考現学」他を展示販売。
●あと、今年は「教祖」の方の大きな顔写真を見かけた、日米の。アメリカのほうは元SF小説家の人。
●会場の隅のほうで、なぜかクラシックCDのバーゲン・コーナーがあるんすよ、ブックフェアなのに。去年もそうだったけど、ここに人だかりができている(笑)。EMIのチェリビダッケが1枚500円とか。ここだけ見ていると、クラシック音楽ってみんな聴くんだーと思えてしまう。ていうか、実際そうなのか!?
●ブックフェアは日曜日まで。土日は一般公開日。出版関係者じゃなくても誰でも入れます。無料招待券をサイト上からプリントして持っていけばOK。

July 10, 2008

ブリュッヘン/新日本フィルが2009年2月にハイドン・プロジェクト

●2009年って何の年だ? ハイドン没後200年だ! イェーイ、来年は正月から大晦日までハイドン聴き倒すぜっ!
ブリュッヘンがビデオでメッセージ。●という激しくラブハイドンなあなたでなくても、フランス・ブリュッヘンが「ロンドン・セット」全曲と「天地創造」を日本で振ると知れば「なぬ!」と耳をそばだてるのでは。オケは新日本フィル。すでにブリュッヘンは同楽団と共演を重ねているわけだけど、ブリュッヘンのほうからこんなプロジェクトはどうかと提案されたのが、2009年2月6日~28日にわたって、すみだトリフォニーホールで開催される「ハイドン・プロジェクト」。昨日、その記者発表がオランダ大使館で開かれた。あ、日本とオランダ、2009年に通商400周年を迎えるって知ってた?
●簡単にスケジュールを。
2/6および7 オラトリオ「天地創造」
2/11 交響曲第96番「奇蹟」、95番、93番
2/15 第94番「驚愕」、第98番、第97番
2/20 第99番、第100番「軍隊」、第101番「時計」
2/28 第102番、第103番「太鼓連打」、第104番「ロンドン」
 詳細については、新日本フィルのサイトへ(現時点でまだ出てないけどきっと今日とか明日には出ると思う)。丸一ヶ月ブリュッヘン。
●記者発表ではブリュッヘンはビデオ・メッセージで登場。「ハイドンを演奏するのは難しいといわれるけど、そんなに特別なことがあるわけじゃない。ただ、今日では欧州でさえ忘れ去られたルールがある。そのルールさえ取得すれば、すべてはおのずと正しい方向へ向かうはず。新日本フィルにはインテリジェンスがあり、貪欲に学ぼうとする。彼らは冒険家だから、きっと上手くいく」としわがれ声でクールに宣言。宇宙一カッコいい爺かもしれん。

July 9, 2008

音楽大量摂取可能時代

ラジオ「おかか1968」ダイアリーさんの記事で知った、BBC Radio3 の Performance on 3 でゲルギエフ指揮ロンドン交響楽団のマーラー交響曲連続演奏会がオンエア中。期間限定だけど、これはオンデマンドで聴けるからありがたいっすね。さっそく「復活」を聴いてお腹いっぱい、すごく脂っこいものを大量に食した気がする。「復活」は大好きな曲ではあるのだが、午前中から聴くってのはどうなのか。
●当ページ右下のところにPerformance on 3へのリンクをしばらく設置。
●でもホント、聴き切れない。どれもこれも。聴くべきものが多すぎるというか、聴けるものが多すぎるってことか。CDのBOX物もすさまじい。ドイツ・ハルモニア・ムンディ50周年記念スペシャル・ボックス、50枚組とか。プッチーニ:オペラ全集、20枚組とか。あまりの単価の安さにひかれてワタシも両方とも買ってしまったが、これだけでも合わせて70枚だ。
●以前は「聴ききれないほどの膨大なライブラリー」を所有しようと思ったら、並外れた資力が必要だったけど、今はそれがほとんど要らない。CDは安いし、ネットラジオは無料だし。今からクラシック聴く人は信じられないくらいラッキー。
●えーと、ついでにグダグダと。プッチーニのオペラ全集はレーベルがSONY/BMGなんすよ。で、「妖精ヴィッリ」とか「蝶々夫人」とか「西部の娘」「外套」「修道女アンジェリカ」「ジャンニ・スキッキ」など、結果的にマゼール指揮の録音が多くなってて嬉しいんだけど(オペラ的にはドミンゴの録音が多いというべきなのか、フツーは)、「トゥーランドット」はBMGのメータ指揮なんすよ。DVDにもなってる、あの北京の紫禁城で公演したライヴ。これがなー。どうしてSONYのマゼール指揮ウィーン国立歌劇場のにしなかったんだろか。あっ、そういえばドイツ・ハルモニア・ムンディ50周年記念ボックスのほうもSONY/BMGなのか。これ、中身はどれもこれも素晴らしいっぽくて史上最強なんだけど、通し番号がジャケ裏の右下隅に非常に小さく入っているだけなのが惜しい。箱から出さなくても見える位置に番号を入れてくれてたら嬉しかった。ま、些細なことなんだけど。

July 8, 2008

ウィンブルドンのセレモニー

生中継は眠すぎる●ぬおお、今日はなんだか眠い、眠すぎる。ワタシは眠くなると朦朧として何もできなくなるのだ、もう横になる以外なにもできん、手につかない、どうしてこんなに眠くなったかといえば昨晩夜更かしして睡眠が足りてないのであり、なぜに足りてないかといえば、それはウィンブルドンの優勝シーンを見たかったからだ、それはつまりテニスだ、あの貴族的なスポーツ、サッカーとは著しく異なって。
●昔からウィンブルドンの優勝シーンが好きだった。17歳のボリス・ベッカーが彗星のようにあらわれたときとか、「ケント公って誰よ?」とか思いつつも。勝者に惜しみなく捧げられる賛辞、栄光の瞬間、そして敗者を思いやるような優勝者スピーチ、あれほど美しく気取ったスポーツの瞬間があるなんて! 足の裏を見せて鬼スライディング・タックルで削ったり、主審の死角で背後のディフェンダーの顎にエルボーを食らわせるサッカー界とぜんぜん違ってて優雅である、あのセレモニーのスピーチが見たい、そう思った今年のウィンブルドン決勝はまたまた芝の王者フェデラーとクレイ・コートの王者ナダルの対決で。
●WOWOWもNHKも生中継だ、テレビの前に最初に座ったのは午後10時より前だったはずだ、たしか。熱戦だった、若くてパワフルなナダルが芝の王者を圧倒する、そして2セット先取、このままフェデラーは屈してしまうのか、いやギリギリまで追い詰められても彼は冷静さを失わない、かろうじて第3セットをタイブレークで取り返し、第4セットも奇跡のようなショットを連発して反撃、2-2、いよいよ第5セットだ……。
●だが待て、今は何時だ、もう午前3時だよ! 途中で雨で中断があったとはいえ、もう午前3時だ、眠いよ、しかしワタシは優勝を決めた後のセレモニーが見たかったのだ、ああでもダメ、スマソ、ケント公、今年はあなたには会えない、寝てしまいそうだ、実はワタシは「もしももしも自分がウィンブルドンで優勝したら、あのセレモニーでどんなステキなスピーチをしようかなあ♪」と空想するのが大好きなのだ、そのためにウィンブルドンを見るといっても過言ではない、一度もテニス・ラケットを握ったことはないけど。午後10時前にテレビをつけたのに、午前3時でまだあと1セット残ってる、さすがテニスだ、5時間経ったのにまだたっぷり楽しめる、でももう眠いんだパトラッシュ、じゃないやケント公、ああ優勝が決まったらワタシを起こしてくれたまえ、Zzzzz.........
●という前夜を過ごしたので、今激しく眠い。セレモニーは見逃した。

July 7, 2008

週末フットボールパラダイス~ダンボールそりすべり編

●EURO2008、終わったなあ……だが、サッカーは続くのだ、ご近所フットボール、JFLの横河武蔵野FCvsTDK戦へ。もう今年はJ1やニッポン代表より圧倒的にJFLのほうが観戦時間が長い気がする。いいんだろか。
●で、TDKってどこのクラブか、わからんじゃないっすか。実は秋田県にかほ市なんだそうである。というか、にかほ市といわれてもわからないのだが、TDKの工場や関連会社がたくさんあるらしい。そもそもこのJFLのTDKというのは、公式サイトがtdk.co.jpの下にあることからもわかるように「TDKサッカー部」なんである。JFLにはJ2昇格を目指すJ予備軍もいれば、こういった実業団チームもまだあるし、流通経済大学のような大学チームもあれば、ジェフユナイテッド市原千葉リザーブズのようなチームもあって、それぞれのチーム事情は千差万別。横河武蔵野FCも前身は横河電機サッカー部だったが、今はクラブチーム化されている。
●前節アウェイのアルテ高崎戦に7-1で圧勝したこともあり大爆発を期待していたのだが、試合は1-1のドロー。簡単に岡正道のPKで1点リードしたまではよかったが、その後やや雑な試合展開になってしまい、チャンスが作れない。逆に78分に、松田に突破を許して失点。ここから怒濤の攻撃を見せてくれたのだが、目が覚めるのが遅すぎた感あり。途中交代で出場した冨岡大吾は高さもあるし、前を向いて仕掛けられるしと大変すばらしい。でも2トップの高橋周大と岡正道は武蔵野の2枚看板になりつつあるからなー。はっ。こんなJFLの試合内容をここに書いて誰が読むのだ、いかんいかん。
●ちなみに芝生席では今日もキッズたちが大暴れ。ダンボールそりが大流行していて、コドモらが大量にズサズサと芝を滑り降りる。ダンボール持ってない子もいて、そういう子はひたすらゴロゴロと横転するか、前転して転がり降りる。もう転がらずにはいられないっていう年頃なのであって、今後、あのダンボールそりがどのような進化を遂げるか要注目。試合がハーフタイムに入っても、ぜんぜん休む気なしで転がり続けるという、無尽蔵のエネルギーに軽く嫉妬。
●会場に入ってきたあるコドモがピッチを見て言った。「あっ、あそこでサッカーしてるよ!」。キミは何しにここに来たのかね(笑)。観客動員は938名。盛況なり。

July 5, 2008

「パスタ」が人生に初登場した日

パスタ●いつ頃からか、「パスタ」はすっかり日本語になった。でもしばらく前までは、こんな言葉は日本語になかった。この言葉を最初に耳にしたときのことはよく憶えている。
●大学に入った頃に、英語の講義で外国人講師が使ったんである。彼は学生たちに尋ねた。「Pasta ってわかりますか?」。まったくの無反応で、みんな戸惑っている。ワタシももちろん、ほとんど誰も意味がわからない。で、講師は説明してくれた。「Pastaっていうのは、スパゲッティとかラザーニャとかペンネとか……あ、みなさんがよく知っている食べ物がありますよ。餃子です! パスタとはそういった食べ物を指します」。
●スパゲッティとか言われて「麺類かな?」と思ったら、「餃子」にたどり着いてしまったので、ワタシらはまるでピンと来なかった。そんな食物を総称する言葉があるわけ? あとで友人に聞いてみたが、やはりよくわからない。そのまま長い間「埋もれた外国語」になったが、近年外来語として戻ってきて瞬く間に日本語に定着した。
●「pastaはイタリア語由来で、英語ならきっとpasteに相当するんだろう、粉を練ったものだから餃子もパスタなのか!」と解したのは、だいぶ後になってからだ。

July 4, 2008

新居に落ち着いたらもうそわそわ

これはただのCGで、こんな風景は実在しない●ブログも無事再構築して、サーバーの引越しも一段落したわけなんだが、ずっとバリバリやっていたものがフッと終わってしまうと、なんだかとまどってしまうんである。達成感は全然なくて、むしろ勢いが付いて止まらない状態で、あれをこうしたい、でも今の環境だとできない云々と考えていたら、「もっと良さげなサーバーに引っ越したい」気分が勃発、今引っ越してきたばかりなのに別の業者のサービス案内を楽しく読み耽ってしまうというワナ。リアル引越しで言えば、ご近所さんに挨拶を済ませたとたんに不動産屋さんに駆け込むようなものか。
●今年、「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」公式ブログ隊の一員に加わって大活躍を見せたマツイ君という若者がいる。最初に会ったとき、彼はもう会社を辞めてて、「ラ・フォル・ジュルネ」が終わったら1年か2年かけて世界一周の旅に出ると言っていた。その旅ブログが現在着々と更新中→「Trablog 世界一周実況中継」。東南アジアから入って、次にどこに行くのか、ひょっとしてそのまま東南アジアに居ついてしまったらどうしようかと勝手にドキドキ。今注目すべき旅人はヒデよりも断然マツイ君。

July 3, 2008

classic@comics ~ コミックで出会った名曲たち

●パソコンに向かっている時間の半分以上は「処理待ち時間」ではないかと疑う日々。買い替え時なのか。 いや、こういうこと言ってヘソを曲げられても困るからやめとこ。
コミックで出会った名曲たち●告知を一つ。ジェネオン エンタテインメントさんからリリースされたCD「classic@comics ~ コミックで出会った名曲たち」のVol.1およびVol.2が発売中。「の」の字で始まるあの大ヒット作をはじめとする、コミックに登場した名曲を集めたコンピレーション。音源はnaxosさんご提供で、すでにiTunesでは大変よく売れているタイトルをCD化。以後Vol.5まで続く予定。ワタシは曲目解説を書いているんだけど、それだけじゃ寂しいので、「こぐまノート」でおなじみのこやまけいこさんに毎巻4コママンガを描いていただきました。題して「夏のポルカ」(笑)。クラヲタ青年・クラ田くんとクラシック初心者・カタギリさんの掛け合いで、ほのぼの読めます。↓
夏のポルカ
●クラ田くんはワタシの心の中では「クラヲくん」に置換されてます。

July 1, 2008

新国次期芸術監督/〈東京の夏〉音楽祭/天平

●短信。新国立劇場次期芸術監督予定者について。オペラ部門は尾高忠明氏。
アマゾンのインディオ、カラジャ族●EURO2008が終わってしまい、すっかりの祭りの後な感じ。大会が終わるとやってくるのは夏。しかし夏には夏の祭りがあるわけで、7月は恒例〈東京の夏〉音楽祭が開かれるのであった。今年のテーマは「森の響き・砂漠の声」。3日のオープニングはジスモンチ・オーケストラ・コンサートで5日に追加公演が開かれるほどの人気ぶりなのであるが、森と砂漠というテーマ感が伝わる度合いで言えば、16、17日の<ブラジル、アマゾンの文化>カラジャ族の芸能であったり、18日の<砂漠の音楽>サハラの声~トゥアレグの伝統音楽のインパクトが大(ともに草月ホール)。まあ、アマゾンのインディオ、カラジャ族と言われてもどういう人たちかは全然知らないのであるが、写真としては上にあるような図になるわけで、なんだか楽しげなのでつい「ウホホーイ!」とかキャプション付けたくなる絵なんである(なにそれ)。森や砂漠よりフツーに20世紀音楽を聴きたい方は、31日紀尾井ホールのフェスティヴァル・ガラ・コンサートへ。メシアン、デュティユー、バルトーク他を聴く多彩な出演者によるガラ。 ©photo by Helio Nobre/ Ideti
天平は本名なんだそうです。あ、下の名前ね●今号のiPod Fan Vol.2で、今話題のガテン系(?)ピアニスト、天平さんのインタビューをしております。ケンカとロックに明け暮れて高校中退、とび職、荷揚げ屋、引越し屋、解体屋をしながらも、ジョルジュ・シフラのピアノに衝撃を受けて、音大に入り勉強しなおし、コンポーザー・ピアニストの道を進むという恐ろしく異色の経歴の持ち主。昔ワルだった、でも今は好青年。爽やかな若者。写真はデビュー・アルバムの「TEMPEIZM」。ジャケが秀逸。

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