●いつ頃からか、「パスタ」はすっかり日本語になった。でもしばらく前までは、こんな言葉は日本語になかった。この言葉を最初に耳にしたときのことはよく憶えている。
●大学に入った頃に、英語の講義で外国人講師が使ったんである。彼は学生たちに尋ねた。「Pasta ってわかりますか?」。まったくの無反応で、みんな戸惑っている。ワタシももちろん、ほとんど誰も意味がわからない。で、講師は説明してくれた。「Pastaっていうのは、スパゲッティとかラザーニャとかペンネとか……あ、みなさんがよく知っている食べ物がありますよ。餃子です! パスタとはそういった食べ物を指します」。
●スパゲッティとか言われて「麺類かな?」と思ったら、「餃子」にたどり着いてしまったので、ワタシらはまるでピンと来なかった。そんな食物を総称する言葉があるわけ? あとで友人に聞いてみたが、やはりよくわからない。そのまま長い間「埋もれた外国語」になったが、近年外来語として戻ってきて瞬く間に日本語に定着した。
●「pastaはイタリア語由来で、英語ならきっとpasteに相当するんだろう、粉を練ったものだから餃子もパスタなのか!」と解したのは、だいぶ後になってからだ。
July 5, 2008
「パスタ」が人生に初登場した日
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