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July 18, 2008

続・ネコ名曲

●一昨日の「猫の子守唄」で「猫の名曲は少ないなあ」と嘆いたら、トラックバックやメールで大勢の方からご教示いただいた。感謝。まずはロッシーニの「猫の二重唱」。むしろこちらがまっさきに挙げられるべきなのかも。少なくともストラヴィンスキーの「猫の子守唄」よりは歌われていそう。
●それからルロイ・アンダーソンの「ワルツィング・キャット」。これはワタシには思いつけない曲だなあ。でも世間的には有名か。それとサティの「潜水人形」から「猫のシャンソン」。げげ、そんなのがあったとは。
●ラヴェルの「子供と魔法」にも猫が登場するのだった。こちらは黒猫(オス)と白猫(メス)の二重唱。この曲は他にもこうもりとかふくろうとかトンボなどなどの動物系が出てくる上に、椅子だの茶碗だのティーポットだのといった無機物系も登場するから油断ならない。あ、椅子は無機物とは限らんか。
フランセ●これに一昨日挙げたストラヴィンスキーの2曲とショパンとスカルラッティがあるわけだ。で、自分でも調べてみたら実は結構ある。さすが、猫。ただ、あんまり有名じゃない曲が多いんすよ。たとえばモンサルバーチェのオペラ「長靴をはいた猫」とか。ジャン・フランセにも一曲見つけた。曲名は「夜の娘たち」Les demoiselles de la nuit。この曲の主役は猫だという。CDもあるようで、写真は名古屋方面で話題のティエリー・ フィッシャーがアルスター管を指揮した一枚。
●そんなわけで曲の数から言えば、もう「ニャンコ・クラシック」コンピを編めそうな量にはなったわけだが(笑)、しかし一社でこれだけ再使用可能な音源をそろえられるレーベルは果たしてあるのかとなるとかなり厳しそう。フランセやらモンサルバーチェはもちろんのこと、ラヴェルとストラヴィンスキーもそうそう録音する機会のある曲じゃないし。
●おっと、最後にもっと有名な曲を一曲。フォーレの連弾曲、組曲「ドリー」だ。バルダック家の幼い娘エレーヌの誕生を祝って書かれた曲。第2曲が「ミ・ア・ウ」で、第4曲が「キティ・ワルツ」。ネコ度は高そうだ。だが「ミ・ア・ウ」というのは実はネコではないという。幼いエレーヌが兄ラウルを呼ぶときに舌が回らず「メッシュ・アウル」となるのを題にしたものが、どこかでネコの鳴き声「ミ・ア・ウ」になってしまったと。では第4曲「キティ・ワルツ」はどうかというと、これも本来はKitty valseではなく、Ketty valseであって、ケティとはラウルの飼い犬の名だというではないか。つまり、実は「ドリー」は猫名曲ではなく犬名曲だったのだ!

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CLASSICA - What's New! - 続々・ネコ名曲 (2008年7月22日 01:59)

●「猫の子守唄」と「続・ネコ名曲」に続いて、またネコ名曲。そう、まだあったのだ、... 続きを読む

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