●勢いで二日目、三日目も少し付き合う→バイロイト音楽祭ラジオ中継。
●二日目はカタリーナ・ワーグナー演出、セバスティアン・ヴァイクレ指揮の「ニュルンベルクのマイスタージンガー」。これ、新聞報道でもあったけど、バイロイト音楽祭のサイトで「チケット」を買うと生中継をビデオで見れるんすよね。しかし、どなたかご覧になった方はいるんでしょうか。49ユーロも払って、映像(DRM付き)をストリームで見てそれでおしまいっていうんだから、どんな太っ腹な方が購入するのか、かなり謎。音声だけなら無料で聴けるのに。新演出でもないし。
●テスト映像のページを見てみたら画面の解像度は512x288。音声は64kbps。音だけなら無料のBayern4のほうがいい。それでも映像があるとそれなりにPCなり回線なりのリソースを必要とするだろうから、よくわからないまま料金を払ってしまって、後から映像がカクカクするとか小さいとか怒ってる人がいるんじゃないかと心配。どれくらいの苦情があったのか(orなかったのか)、知りたい気もする。
●「マイスタージンガー」は前奏曲が終わって合唱につながるとことか、鳥肌ポイントに事欠かないけど、特に好きなのは第2幕の後半。ベックメッサーの歌をザックスが靴を作りながら、木槌かなにかを叩いて採点するじゃないっすか。で、この演出だと、どうやらこの部分でタイプライターをパチパチと打っているっぽい(音で聴く限りは。あっ、それを確かめたい人が49ユーロを払えばいいのかっ!)。でも機械式のタイプライターって、最後に実物を見かけたのはいつだろ。そろそろ何の音かわからない世代が確実にいると思う。
●2幕の楽しいドタバタがひとしきり済んだ後、夜警が出てきて歌う。これも大変すばらしいシーンだ。でも夜警の人は「もう夜11時ですよー、戸締り用心火の用心、おやすみなさい」(ウソ大意)みたいに歌う。ええっ、こっちは11時どころかもう日本時間午前2時とかそれくらいまで眠い目をこすって付き合ってるのに、そっちは11時で夜中なのかよっ!と意味不明に突っ込む。
●第3幕まで付き合うと朝になって日常生活が完全に破壊されてしまうので諦める。翌日のティーレマン指揮「ラインの黄金」も前半くらいまで聞いて、後はあっさり諦めた。毎年この調子で行くと、ワーグナーはどれも前半しか聴けないことになる。ヴァルターはいつになってもエーファと結ばれず、神々はいつまでもヴァルハラ城にたどり着けず、パルジファルは決して聖杯を掲げないというビューティフルドリーマー状態。いいんだろか。
July 29, 2008