August 19, 2008

いつも心に伝説を

●「なでしこジャパン」の北京五輪準決勝、対アメリカ戦、先制しただけに惜しかったっすね。「なでしこ」は本当に足元が巧いし、スピードのある選手も何人かいて、質の高い見ごたえのあるサッカーをしていた。しかしアンラッキーな面もあって2-4と大量失点で完敗。
●3失点目はややキーパーが前に出ていたところをループで頭上を越されてしまったという悔やまれる形。で、続いてアメリカが右サイドからクロスを入れようとしたら、ミスキックでアウトに回転がかかり、これがまた不運にも日本のキーパーの頭上を越してゴールに入ってしまって4失点目。ワタシがキーパーだったら、泣きたくなるような失点だ。ポジショニングを後ろ目にしていればどちらも防げただろうが、その分、前には弱くなる。自分のプレイスタイルとの兼ね合いもあるから難しい。それにしてもよりによって、あんなところにボールが飛ぶかね。
●でも力を落としてはいけない。どんな名キーパーもミスをする。伝説の天才ゴールキーパー、イギータですらワールドカップで恥ずかしい大チョンボをやってロジェ・ミラにゴールを奪われた。それでも己のプレイスタイルを貫かないと、本質的に「ミスのスポーツ」であるサッカーは戦えない。
●ちなみにコロンビア代表のイギータは、フィールドプレーヤー並に足を使い、状況によっては前に出てそのまま攻めあがるというほどの超攻撃的ゴールキーパーだった。後にゴールキーパーとフォワードを兼任したカンポス(メキシコ代表)や、フリーキックからゴールを決めるチラベルト(パラグアイ代表)といった選手が出てきたが、イギータは彼らの先駆者と言っていいだろう。だがイギータが伝説の存在となっているのは、単に奇跡的セーブを連発したり、特異なプレイスタイルを持っていたからではなく、記憶に残る「伝説のプレイ」を残したからだ。大選手はみな「伝説のプレイ」を持つ。マラドーナならワールドカップの「五人抜きゴール」、ファン・バステンならユーロでの浅い角度のボレー、そしてイギータにはこの「スコーピオン」がある。

●スコーピオン(さそり)キックでゴールを決めた選手は何人かいるが、ゴールを守った選手はイギータだけだ。これを天才と呼ばずしてなんと呼ぶ。対戦相手のイングランド代表監督をはじめ、多くの人々がこのプレイを見て言った、「それ、手でフツーに取れるじゃん」。チッチッチッ、詩人の心を持て。サッカーはファンタジーだろ!

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※おまけゴルゴル。イギータのフリーキック

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