●うーむ。太ってる。どう見ても太ってる……。これで往時の切れ味鋭いプレイができるはずがない、ロナウジーニョ。
●オーバーエイジを容赦なく使って、アルゼンチンには王様リケルメが君臨していたし、ブラジルにはロナウジーニョがいた。でもその意味合いはぜんぜん違う。リケルメはいつだって王様としてしかふるまえない。事実、この日も王様で、みんなリケルメがすっと近づくとボールを渡して、恭順の意を示す。どんなにメッシが天才だろうが、フリーキックやPKはリケルメに第一選択権がある。アルゼンチン代表やボカ・ジュニオールズにいるときのリケルメは生き生きとしている。バルセロナに在籍していたときは世界中の不幸を一身に背負ったような顔をしていた。王様になれなかったから。
●ブラジル五輪代表のメンバーはロナウジーニョを見てプレイしていない。ロナウジーニョはもしかしたら、すでに「貯金でプレイする」域に入ったのかもしれない。太っててもそりゃスゴいっすよ。でもあの体型で魔法のようなエラシコを見せてくれるとは思えない。このままでも十分しばらくトップレベルでプレイできることはできるだろう。レアルマドリッドにいたロナウドだって、太りつつもゴールを量産した。バルセロナ時代の疾風のように駆け抜けるロナウドとは別人だったにせよ。マラドーナは太るだけに留まらず、ありとあらゆる欲望を満たそうとした。
●せっかく富と名声を手に入れたのだ、人生を謳歌して何が悪い。ビバ放埓な人生! マスコミやサポーターの理不尽な批判や要求などにいちいち耳を傾けてなんかいられない。さあ、遊ぶぞ! ワタシだったらそう思う。いや、ロナウジーニョやロナウドほどもガマンできない。巨額の契約金を手にしたらさっさと一年で引退して、リゾート地にマンションでも買って後はつましくのんびり暮らすだろう。もうピッチにも立たないし、旅人にだってならないよ!
●……などと考えるような志の低い人間なので、太ったロナウジーニョを見ても、共感こそすれ、批判しようという気にはなれない。メッシ、最高だ。でもメッシだってあと5年くらいしたらどうなってるかわからないっすよ。変わり果てた体型でマラドーナと一緒にスタンドでふんぞり返ってるかもしれない(まさかー)。
●そう考えると、やっぱりジダンとかって偉いね。偉いというか、美しい。節度って美徳だ。ああ、それなのにマテラッツィに頭突きなんかしてしまって(涙)。
●と、どんどん話がズレる。えっと、試合は3-0でアルゼンチンが圧勝。どちらも異次元の巧さで、試合内容はとてもオリンピックとは思えないほどレベルの高いものだったが、チームに一体感を欠いたブラジルに勝ち目はなかった。
August 20, 2008