●昨晩はムーティ指揮ウィーン・フィルへ。去年は来日がなかったんだっけ。一昨年のアーノンクールのときに続いて、今回も皇太子殿下ご臨席。
●演目はハイドンの交響曲第67番とブルックナーの交響曲第2番。今回の来日公演は珍しい曲が多くて、他の日のニーノ・ロータの「山猫」の音楽、トロンボーン協奏曲なんかに比べればまだフツーなわけだが、しかしハイドンとブルックナーで組み合わせるのに、67番と2番なんていう選択肢が果たしてあるものだろうか、いやない、でもあった、ここに。
●でもハイドン聴きはじめると、この第67番ほど優雅で洗練されてて創意に富んでる曲があったかなって思える。ビバ67番、これぞハイドンの最高傑作では。続いてブルックナーの2番を聴きはじめると、やはり同じようにこれこそブルックナーの最高傑作ではないかと思える。ビバ2番、ブルックナーは神。第2楽章の美しさなんてこの世のものとは思えない。ああ、こんなオーケストラが近所にあって、いつでも好きなだけ聴けたらなあ。いやでもこれが日常の風景になってしまったら、あまりに多くのほかのものが色褪せてしまうかもしれん、でも待て音楽ってそんな序列的ものじゃないはずだよね、ブツブツ……。ムーティは全身からテラテラとオーラを発しまくっていて、魔神みたいだった。眼鏡をかけるようになってから、さらに一段クラスチェンジして最強に強まってる気がする。
●ヲタっぽくて若い頃からオッサンみたいな雰囲気の人っているじゃないっすか、年齢不詳系の。で、なんかオヤジ臭いなー、浮いてるなーと若い頃は思われがちなんだけど、だんだん歳を取ってリアルにオッサンになると、以前は年齢不詳だったのが実年齢が外見に追いつく。さらに経つと、周りは爺さん化が進行するんだけど、この人は謎のヲタ力で外見上の加齢が停止してるから、むしろ若々しくなってくる。あ、オヤジっぽいと思ってたけど、そうじゃないんだ、この人は若いときから完成形に到達してて、その分、衰えもないんだ、と知る。ブルックナーの交響曲ってそんな感じかなあと勝手に納得しつつ、ますます気分はラブブル2、今日も明日も永遠に毎日聴きたいブルックナー。聴かないけど。
●アンコールはまさかのマルトゥッチ。夜想曲。う、美しい。これぞマルトゥッチの最高傑……。
September 17, 2008
ムーティ/ウィーン・フィルでブル2
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