●昨日のカズオ・イシグロ「わたしを離さないで」の帯に、「発表後ただちにタイム誌のオールタイムベスト100(1923~2005年発表の作品が対象)に選ばれる快挙を成し遂げただけではなく……」っていう宣伝文が載ってるんだけど、「オールタイムベスト」を選ぶのに1923年以降の作品を対象とするっていうのがおもしろいっすよね。
●1923年ってどういう基準なんだろ。ぱっと思いつかないけど、なにか明快な理由があるんだろう。時代の線引きがないと困るってのはわかる。現代小説とシェイクスピアとか同じ基準で比較するのはムリだろうし。日本でやるとしても源氏物語とか挙げられても困る。
●音楽のオールタイムベスト100もやってみても楽しいかも。1923年以降発表の作品に限る、とか。むしろクラシックは1923年以前の作品に限ったほうがウケがいいかもしれん(笑)。でもまあ、音楽は演奏しなきゃ音にならないんだから、どんな古い時代の作品だろうが今演奏すれば2008年の作品と言い切ることもできる。逆にベートーヴェンと同時代のベートーヴェンを聴くことはだれにもできない。
●そのタイム誌のオールタイムベスト100、ここにあるみたいなので興味がある方はどぞ。でもこうして見ると、「何じゃそれ」感全開。サリンジャーとかフォークナーとかヘンリー・ミラーとかに混じって、ウィリアム・ギブソンの「ニューロマンサー」とかP.K.ディックの「ユービック」とか入ってるし。イアン・マキューアンはAtonementが入ってる、えっと何だこれは、「贖罪」か。ナボコフは「ロリータ」、ヴォネガットは「スローターハウス5」。ピンチョンは? おっ、「競売ナンバー49の叫び」と「重力の虹」の2作も入ってる。ファンタジー系ではトールキンの「指輪物語」、C・S・ルイス「ライオンと魔女」。なんだ、ジョン・ル・カレの「寒い国から帰ってきたスパイ」みたいなのも入ってるよ!
●って、おもしろいじゃないか、これ。クラシックのオールタイムベスト100とかやりたくなってきた。
●英語で書かれたものだけだから、ガルシア・マルケスとかは入ってません。
October 1, 2008
オールタイムベスト100
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