●「バッハの無伴奏チェロ組曲は本当はチェロのために書かれた曲ではなかったんじゃないか」という疑問から出発し、失われた楽器ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ復元を経て、ヴァイオリニストが無伴奏チェロ組曲を録音するに至るという鮮烈な音楽史ミステリー。それがCDとして結実したのが6月にリリースされたこの一組、寺神戸亮さんのヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ演奏による「バッハ:無伴奏チェロ組曲」。昨日、2008年度レコード・アカデミー賞器楽部門を受賞と発表あり。祝スパッラなのである。
●もうスパッラは写真だけでもインパクトありすぎで、なにしろ肩掛けチェロなんていうくらいだ、遠目から見てヴァイオリンかな、あれデカいな、ヴィオラかな、いやもっとデカいよ何コレみたいな驚きがあって、遠近感が狂ってるっぽい図になる。CD発売元のコロムビアさんのサイトがステキで、寺神戸さんご本人による充実した映像付き解説がある。さすがにフツーのチェロほど巨大ではないですが。
●それにしてもこれ、重そうだ。肩を鍛えるために星一徹ならヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ養成ギプスとか作ってくれそう。さらに星飛雄馬並の強肩ヴァイオリニストのためにコントラバス・ダ・スパッラが復元されたという凶報がっ! ウソ。そんなものはない。
●で、ちょうどこのタイミングで、実演でスパッラの無伴奏チェロ組曲を聴く機会あり→寺神戸亮ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ、ツアー。12/4(木)~16(火)、東京、所沢、大阪、浜松。16日は初台、近江楽堂にて。生スパッラを体験したい方はどぞ。
December 2, 2008
ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラによる無伴奏チェロ組曲
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