December 4, 2008

地下鉄のミツキー

地下鉄鼠●地下鉄有楽町線のホームで電車を待ってたら、なにかが線路のあたりで動いたような気がしたんすよ。ん、なんだ?と思って目を凝らしたらネズミがいたのです、ゴソゴソとかモゾモゾとか落ち着かずに動いてて、レールの上にちょこんと乗ったり、枕木のあたりでうろちょろしたり。えーと、もうすぐ電車が参りますって表示出てますよー、ネズミさん。君の名を仮にミツキーとしよう。ミツキー、そこ危ないから、早く隠れて。どうしよう、電車来ちゃう。緊急非常停止ボタンはどこだっ! いやそれやって都会の地下鉄ダイヤ大混乱で、理由はミツキーのピンチでしたって言ったら駅員さんから叱られる。ニュースになる。「鼠身事故のために有楽町線のダイヤが1時間にわたって混乱しました」とか?
●ワタシ以外に誰かこの危機に気づいている者はおらぬのか! と、あたりを見回すと誰も気づいていないっぽい、しかしすぐに右隣の乗り場にポツンと一人立つ若い女性がミツキーを見つけた、顔の表情が「あっ」となって、かすかにうろたえてる。どうする、彼女。どうする、オレ。線路にズサーッと飛び込み、ミツキーを抱きかかえて、再びホームにジャンプ、その間わずかコンマ5秒、鼠命救助で表彰される自分、そんな英雄的行為について夢想する代わりに、冷静に検討してみた。
●あの鼠は明らかに地下鉄に棲息してる。昨日も一昨日もそこにいたはずだ。有楽町線は朝から晩まで数分おきにやってくる。車両に轢かれるようなポジショニングをしていたら、鼠は一日たりとも生きられない。ミツキーは背が低いので、レールに乗らない限り、車両は頭上を通り過ぎていくだけであろう。ゆえに……
●と考えてる間に、ゴーッと電車がやってきて、何事もなくワタシは乗車した。隣の乗り場の彼女も、ケータイ開きながら忙しそうに。

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