●天皇杯準決勝マリノスvsガンバ大阪。行って来ました、国立競技場へ。負けるために……。
●疲労やケガの影響、モチベーションの低下などもあってか、ガンバ大阪は今季見たことがないくらいに低調。事実上マリノスのホームゲームみたいな状態だったこともあり、ほとんど一方的にマリノスが攻めていたような気がする。が、これは幻想なんである。攻めていたというより、ボールを持っていたのであって、あたかもピッチの半分しか使っていなかったように見えて実は枠内シュートがきわめて少なく、まれにガンバがボールを持って攻めてきたときに感じるクォリティの差、それはうっすらとした屈辱。
●知ってる、本当はこのチーム、元旦の晴れ舞台に立てるような状態じゃない、シーズン中は降格争いやってた、監督もよくわけのわからん交代があった、実績を残していたスター選手たちはどんどんピッチからベンチへ、さらにはスタンドへ、別のチームへと去っていく、先発してる選手は若手だらけ、空中分解してバラバラになったチームをこれから土台から作っていく段階だ、きっと本当は、それなのにこんな準決勝に立っている、J1のクラブを2チームも倒したサガン鳥栖に勝てたおかげで。あの鳥栖戦も内容的には寂しかった。
●0-0で延長戦に突入、清水が退場となってからは耐える展開、なんとかPKまで持ちこたえるかなと思った116分に山崎雅人にゴールを奪われてしまった。
●「勝利を信じて~♪」みたいなのが、もうワタシはぜんぜん受け入れられない。もともと苦手なノリだけど、最近ますますそう。勝利を信じるってどういう意味なの? ちっともサッカー的ではない。だって天皇杯はプロもアマチュアも含めた日本最強のチームを決めるトーナメント戦っすよ。それはすなわち、日本のすべてのチームが敗北する(たった1チームを除いて)ってことであって、まさに必敗の戦いであり、どう考えても信じるなら勝利より敗北。というかサッカーは負けるものじゃないっすか。サッカーはミスのスポーツであり、敗北のスポーツ。1試合のプレイ機会のほとんどはミスに終わり、シーズンが終われば1チーム以外はすべて敗者になる。だからサッカーを見るんじゃないか。サポになった瞬間から決定付けられるもの、それは敗北。
●そう自分に言い聞かせて、帰り道の不快に耐える。敗北、寒さ、混雑、空腹、疲労感、ベンチに座る坂田@元ワールドユース得点王、クビになる大島、毎年行方不明になるブラジル人助っ人、ウチを出てヨソでブレイクする選手たち、清水の意味不明すぎるレッドカード、狩野の不用意なパスミスから感じた悪い予感……。ああ、すばらしく耐え難い。いいな、サッカー、いいな、スタジアム。また来よう。われわれは勝たねばならない、負けるために。
December 30, 2008
天皇杯準決勝 マリノスvsガンバ大阪@国立競技場
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