●今年見た酷い悪夢ワーストワン。何かの会合で、とても畏れ多くて偉い人に紹介してもらえることになった。スゴく偉い人なので緊張する。しどろもどろになりながら名刺を渡す。先方は不機嫌でも上機嫌でもなく無関心な様子で名刺を受け取る。畏れ多いので数秒しか話せず、退散する。でも名刺を渡せた、これは大きい。と思ったら、なんということか、渡した名刺をまちがったことに気づく。しまった、あれは前バージョンの名刺で今は使っちゃいけないんだった。どうしよう。
●意を決して、再び畏れ多くて偉い人の前に出て、かくかくしかじかと言い訳をして新しい名刺を渡す。冷や汗をどっとかく。ものすごい勇気を出した。よくやった。と、思って一息ついたところで、やはり渡した名刺がまちがっていたことに気づく。なんてことだ、あれはワタシの名刺じゃなかったぞ。不審すぎる。どうしよう、もう一度、正しい名刺を渡さなくては……。だが、どう釈明すればいいのか、あの畏れ多くて偉い人は、すでに別の偉い人たちで取り囲まれている。あの中に割って入って、ワタシは2度もまちがった名刺を渡したことについて詫びなければいけないのか、いやそれはムリだ、でもこのままでは大変なことに。
●といったことを何度か繰り返しているうちに、目覚めたっぽい。
2009年2月アーカイブ
名刺をどうしても渡せない悪夢
クラシックのネットラジオ
●クラシックのネットラジオが楽しすぎる。当サイトのリンク集のネットラジオや音楽配信関係の項目を一念発起してアップデイトしたのだが、あちこちの局を訪ねていると、ついつい時が経つのを忘れて聴きふけってしまう。
●欧州、米国の放送局を中心に「これはいいな」と思えるところをピックアップし、さらに番組表サイトや、その他のクラシック音楽配信サイトも含めて、以下のページの中ほどに整理した。このブログの右下のほうにも、いくつかの局とともにリンクを張っておいたので、気が向いたときに使っていただけると吉。
●自分の気に入った局を選んだわけだが、基本的な条件としては「音質がそこそこ以上良い」「少なくともWindows Media PlayerとRealAudioのどちらかで聴ける」「音楽以外の番組がほとんどない」「選曲や番組構成がよい」といったところ。BBCやORFといったメジャーで一般的な公共放送もあれば、アメリカによくあるカレッジ・ラジオステーションみたいなところもある。逆にメジャーな局でも、ネットには低品質の音声しか置いてくれないところは割愛。
●ネットラジオの使い方は二つあると思う。「あらかじめ番組表を見て、海外ライブの聴きたい公演を聴く」というのが一つ。これは最強。ただし時差の関係もあってそれなりにいろんな面で労力が必要。もう一つは「ふと思い立ったときに聴く、できれば浴びるように聴く」。音源がライブだろうがCDだろうがかまわない(というか日本から普通の時間帯に聞けるのは大半はCDだ)。局はたくさんあるわけだから、自分の聴きたいものが出てくるまでどんどんザッピング(って言うのか?)しちゃうし、気分を変えたくなったらさっさと別の局に飛んじゃう。まあこれはクラシック音楽の聴き方としては外道なんだけど、ラジオとの付き合い方としては正道のはず。「ありきたりの名曲」ばかりかけてるような退屈な局はほとんどなくて、どこも鮮度の高い選曲をしてくれるから、いつまででも楽しめるし、微妙に中毒性がある。
●ADSL以上のネット環境さえあればどこに住んでようがこれだけ聴ける。これで何かが変わらなかったらウソだと思う。
まだまだ「宇宙創成」
●まだ読んでる、サイモン・シンのノンフィクション「宇宙創成」(新潮文庫)。一気読みではもったいないので。
●原子核物理学と天文学を橋渡ししたユダヤ系物理学者フリッツ・ハウターマンスが、反ユダヤ主義的な発言に対してやり返した一言。
「きみたちの先祖がまだ森の中で暮らしていたときに、僕の先祖はすでに小切手を偽造していたんだぜ!」
いいっすね。ハウターマンスは太陽の中心部での核融合(水素からヘリウムへ)の理論を作った人で、ソ連の秘密警察とナチスのゲシュタポの両方からスパイ容疑をかけられ苛酷な尋問を受けたという珍しい経歴を持っている。
●で、ハウターマンスのジョークに笑った後、たまたまWOWOWで放映された映画「ヒトラーの贋札」を見たら、収容所のユダヤ人たちがポンド紙幣を偽造していた(笑)。恐るべきシンクロニシティ。
●「宇宙創成」は下巻に入ると時代が現代になるから、人間味のあふれるエピソードが増えてきて、ますますおもしろい。ビッグバン・モデルに浮き足立ったカトリック教会(「創世記」の科学的解釈だ!)、徹底的にビッグバンを否定した定常宇宙論のフレッド・ホイル(子供の頃にこの人の書いたSF小説を読んだことを思い出した)の人物像など、とても興味深い。
ニュース速報です
●「♪ピロロン、ピロロン」と音が鳴って、画面上部に「ニュース速報」のテロップがあらわれた、たまたまNHKを付けっぱなしにしていたら。あっ、これは、来たのか。総理大臣が辞任したのだろうか、それとも地震とか災害があったのか、だったらヤだな、あるいは誘拐犯が逮捕されたのか。飛行機落ちてませんように。それともイスラエルか、中東か。
●とバッドニュースに身構えていたら、「おくりびと」がアカデミー賞外国語映画部門受賞というニュースだった……。安堵。グッドニュースであったか。昨今は聞けば聞くほど世の中から逃げ出したくなるニュースばかりであるが、良いニュースも聞きたい、いやむしろ良いニュースほど優先的に伝えるべきではないか。だからたとえば。
●「♪ピロロン、ピロロン」と音が鳴って、画面上部に「ニュース速報」のテロップが流れて、「北区の住宅地で塀と塀の間に挟まれていた子犬が無事救助」ってのはどうか。グッドニュースである。きっと許される。心が暖まって、善行の一つも積みたくなる。ああ、今度、中古レコード屋でメニューインのCDが安値で叩き売られていたら、救い出してやろう、そんなふうに。
●「♪ピロロン、ピロロン」と音が鳴って、画面上部に「ニュース速報」のテロップ。「杉並区の和田堀公園で紅梅が見ごろ」とか。いいね、ラブ平和、そんな世界に住んでみたいぜ、と思ったがある意味それはそれでかなり恐ろしげな世界って気もするナイトメア。
ブリュッヘン式「軍隊」ガチョーン
●普通のクラシックのコンサートで、しかも交響曲の演奏中に声を上げて大笑いしてしまおうとは、ワタシ、いやみなさんも>ブリュッヘン指揮新日本フィル。「ハイドン・プロジェクト」の2月20日、交響曲第99番、第100番「軍隊」、第101番「時計」。オラトリオやオペラだって悪くはないけど、やっぱりハイドンは交響曲最強、そうシミジミと感じつつ、枯葉が舞っているのを眺めるように透き通ったハイドンを味わっていたのだ、が。
●「軍隊」交響曲すなわちトルコ趣味であり、軍楽隊の打楽器群が登場する、トライアングル、シンバル、バスドラム。第2楽章アレグレットで彼らが活躍し、第3楽章に入る。するとなぜか軍楽隊のメンバーがそうっと袖に引っ込むではないか。へー、曲の途中に退場しちゃうんだ……あれ? まだ出番なかったっけ?
●すると第4楽章終盤の出番に彼らは再登場し、なんと袖から袖へと行進するんである、軍隊式っぽく軽いフリも入れつつ、微妙に衣装も着けて。高いシャコー帽みたいなのをかぶった先頭の男性が、クレッセント(音が出る長い棒)を振っているという、わけのわからない光景が眼前に広がる。演奏しながら行進して、休符の間は横を向いて客席を凝視。お、可笑しすぎる。ちょうど曲が終わるタイミングで見事に袖へ消えた。ありえない。腹痛え。この演出、おもしろすぎるって!
●えっ、ぜんぜんおもしろそうじゃないって? ああ、これはっすね、「爺ギャグの法則」発動なんすよ。一般にオヤジギャグって悲惨じゃないですか。場が白けて、もういかなる気遣いでも救われなくなる。でも同じギャグを爺が使うと死にそうに笑える法則。しかも、もう神様か仙人かっていうくらいに尊敬を集める爺が使うと最終兵器になる。「おお、これこそ今のブリュッヘンにしかできないハイドンだ」とクラヲタ度全開で聴いている聴き手に向かって、たとえるならブリュッヘンが唐突に「ガチョーン」とやってみせるくらいの破壊力。もうワタシは以後「軍隊」を笑いなしに聴くことはできない。そうだ、ハイドンのユーモアってこれだったんだ!(えっ?)
●「時計」も第2楽章でヴィオラが聴きなれないアルペジオのピツィカートをやったりとか、むしろ今日の曲こそ「びっくりシンフォニー」な一夜。オーセンティシティの追究の果てにある、驚愕と哄笑。
●いや、演出はこんなだけど、演奏はきわめて真摯。念為。
重ねて入れない
●CDプレーヤーにディスクを突っ込んだら、どうしてもトレイが異常動作を起こして閉まらない。うーんと悩んでよくよく調べてみると、入れっぱなしのディスクの上にさらに1枚を突っ込んでいたという、「CD2枚重ね突っ込み」の過ちを犯していた。いやー、こういうのって誰にでもあることっすよね。少なくともワタシは3回はやってる。
●同じような例として、左目にすでにコンタクトレンズを入れているのに、さらにもう一枚右目の分を入れて「あれ、なんだかよく見えないなあ?」というパターンもある。これも2回くらいはやってる。
ウィーン・フィル2009来日公演
●まだチケット発売もかなり先なので気の早い話であるが、ぴあによるとウィーン・フィルの2009年来日公演は、9月15日(火)から25日(金)までサントリーホールにて。指揮はズービン・メータ、ソリストは(やっぱり)ラン・ラン。で、演目は、以前フォルカーさんが推理されていたのがほぼ的中していて、こんな感じ。
ブラームス:交響曲第4番ホ短調
バルトーク:管弦楽のための協奏曲
ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調
R・シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」
R・シュトラウス:交響詩「ドン・キホーテ」
●これだけ見ると「ラン・ランの出番はどこなんだ」って話だが、おそらくCDにもなっているのでショパンの協奏曲どちらかを弾くんではないかと。ううむ。
●しかしベト7はアーノンクールのときに演奏したばかりではないか。曲の組み合わせがどうなるにせよ、昨年のムーティのニーノ・ロータやらブル2に比べるとずいぶん真っ当なのが、人によっては吉でもあり凶でもあり。でもまあフツーは吉か。ビバ、シュトラウス。発売は5月。
●ついでに復習、ラン・ランのadidas。ていうか、ラン・ランはadidas履いて弾くの?
YouTubeシンフォニーオーケストラ投票受付中
●以前こちらでもご紹介した、YouTubeで演奏動画を募集してオーディションでオーケストラを編成する「YouTubeシンフォニーオーケストラ」の最終選考が始まっている。オーディション合格者はニューヨークまで渡航費滞在費をGoogle社持ちで招待してもらえて、カーネギーホールでティルソン・トーマス指揮のもと、タン・ドゥンの新作(笑)インターネット交響曲第1番「エロイカ」を演奏できるという、ありえない超ゴージャス企画。
●で、現在、最終選考の一般投票受付中。サイト上に集まった候補者の演奏を視聴して投票すればOK。ちらっと見た感じではみんなマジメに上手い。なにか奇を衒ったことをして事前選考を生き残ったようなチャレンジャーはいないっぽい。最終的な編成を見越した人数を残してあって、ぱっと見はどうしてもヴァイオリニストだらけになるけど、パートごとに見ていくと基本的に倍率1~2倍前後に収めてるみたい。
●意外と日本人のエントリーが少なかったかも?
モリゴール
●今日の新語「キモかわいくない」。意味:キモいし、かわいくもないこと。
●虫歯男子大増殖中。
●イングランドのアーセナルに日本語公式サイトが誕生。外国語としては中国語、タイ語、韓国語に続いて日本語という、ビバアジアのマーケットな対応。看板選手はついに移籍してきたアルシャヴィン、EURO2008のロシア代表で大活躍した彼。まだ一試合も出ていないけどスター。BSで見るしか。
●イタリアセリエAでのカターニャvsユヴェントスのハイライト動画。森本貴幸が2度ブフォンにシュートを止められるけど、その後見事な同点ゴールを決めている(結局負けるんだけど)。カターニャだろうがどこだろうがセリエAでプレイしてるんだからスゴい。対戦相手のレベルの高さでは海外組ナンバーワンでは。
●ディフェンダーが空振りして失点。アナウンサーに爆笑されてた。このイジワルさはさすが。
「宇宙創成」(サイモン・シン著)
●文庫になったサイモン・シンの科学ノンフィクション「宇宙創成」(新潮文庫)を読書中。上巻を終えてそろそろ下巻なんどけどこれはヤバい。ページを読み進めるのがもったいない。
●同じサイモン・シンの「フェルマーの最終定理」や「暗号解読」も最強に強まった名著だったんだが、今回は内容が宇宙論(単行本では「ビッグバン宇宙論」という書名だった)。前著に比べると、「聞いたことのある話」が多くなるんだけど、にもかかわらず猛烈におもしろい。最終的にはビッグバン宇宙論の話になるはずなんだろうけど、まず古代ギリシャの話からはじめちゃう。彼らの時代の観察力で、どうやって地球の大きさを正しい方法論で測定したのかっていうことからスタートする。
●スゴいんすよ、古代ギリシャ人の科学は。太陽が地球を回ってるんじゃなくて、「地球が太陽を回っている」という真理にたどり着いちゃう人すらいる。でもそんなのが受け入られるはずはなくて、それから千五百年以上も経ってようやくコペルニクスが登場し、地球が太陽を回っているという説を教会を恐れながら発表する。でもこれもほぼ無視され、その後ケプラーやガリレオが「地球が太陽を回っている」ことをいかに観測と理論によって実証したかといったことを、これ以上はないというくらいわかりやすく説明する。
●で、サイモン・シンが非凡なのは、最初に「地球の大きさをどう測るか」とか「太陽が地球を回ってるんじゃなくて、地球が太陽を回っていることをどうやって証明するか」といった、ワタシらの直感や常識の範疇で理解可能な話題で読者に十分準備させておいて、上巻の半ばにはもうアインシュタインの特殊相対性理論を同じくらい鮮やかに説明しちゃう。「光の速度は一定」というところからスタートして、「静止している人と運動している人では時間の流れ方が違う」という結論を指し示し、さらに一般相対性理論における重力理論の正しさをどうやって観測によって証明するかを綴る。まるで古代ギリシャにおける「地球のサイズの測り方」の話をするように。
●あ、でも、わかりやすさじゃないか、本当にスゴいのは。楽しさだな。自然科学そのもののワクワクするような楽しさ、それに魅了された人々を、生き生きと描く。たまに挿まれるユーモラスなエピソードも大変に吉。あと、たぶん、本をおもしろくするために「不要な話をしない」という割り切り方も優れているんだと思う。
「ラ・フォル・ジュルネ2009」概要発表される
●東京国際フォーラムで「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」2009記者発表。ようやく公に演目&出演者が発表された。これ書いてる現時点ではまだ載ってないけど、すぐに公式サイトでも発表されるはず。
●今年のテーマは「バッハとヨーロッパ」。で、改めてスケジュール表を見ると、出演者がとても豪華で、密度が濃い。特に古楽系のアーティスト。ビオンディとエウロパ・ガランテ、ピエール・アンタイとル・コンセール・フランセ、ヒューゴ・レーヌとマレ・サンフォニー、ベルリン古楽アカデミー、フィリップ・ピエルロとリチェルカール・コンソート、鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン、スキップ・センペ、寺神戸亮(スパッラも弾きます)等々、これだけでもう立派なバロックの音楽祭ができるじゃないかっていう陣容。
●でももちろんモダン楽器系のアーティストもたくさんいて、たとえば「ピアノで弾くバッハ」という視点で見てもかなり魅力的な人がそろってる。France Musiqueのネットラジオ中継でも配信されたシャオ・メイ・シュとかコロベイニコフとか。あるいはEMIから「ゴルトベルク」をリリースしているイム・ドンヒョク。
●しかし今回は本公演が3日間なんすよ。チェンバロの公演のために新たな会場を増やしたりしてるけど、それも100席とか正しく小さいわけで、公演によってはチケットの人気が相当高まるかもしれない。
●今までと変わったこと。5000人のホールAに会場内スクリーンが設けられて、演奏者のアップ映像が見れたりする。それからホールAの一部の公演に中高生券500円という設定ができる。「マタイ受難曲」「ヨハネ受難曲」「ロ短調ミサ」はちゃんと全曲やるので(あとヘンデルの「メサイア」も)、これらの大曲に関しては「ラ・フォル・ジュルネ」のフォーマットを超えた長さの公演になるし、価格も長さ相応のものになる。あと、フレンズ先行予約のみウェブ上での公演チケットのまとめ買いができるようになる。
●欧文キャッチは Bach is Back! 「バック・イズ・バック!」と読もう。
ニッポンvsオーストラリア@ワールドカップ2010最終予選
●どっと疲れた、この試合。わかっちゃいたんだけど、改めて力の差を見せ付けられた気分。相手のゲームプラン通りに戦って、その通りの結果になってしまった、ニッポンのホームなのに。
●オーストラリア代表はアジアに編入されて以来、どんどん一つのチームにまとまってきている気がする。彼らのアウェイの戦い方ははっきりしている。極力リスクを冒さずに、相手にボールを持たせて戦う。で、セットプレイ時や後半残り20分くらいに相手が疲れてきた時間帯など、限られた場面では100%で攻める。今日もそれを徹底してきた。ここまで全勝の彼らは引き分けでも十分な収穫を得られるので、相手に勝点3を与えないことを優先するのは当然だろう。
●ニッポンがファウルをしたら、たとえハーフライン上でもペナルティエリアへの放り込みをやってきた。ニッポンとしてはハイボールがいちばんキツいので、身も蓋もないほど効率的な攻撃。カウンターのリスクもゼロだし。まったく情緒に欠ける人たちだなあ(←負け惜しみ。負けてないけど)。
●なにが悔しいかって、同じことをニッポンが相手のホームじゃ決してできないってこと。「オーストラリアにボールを持たせて、自分たちは失点しないことを優先して戦おう」なんて、ありえない。シドニー(かどこか知らんけど)でそんなことやったら、サンドバッグ状態でボコボコだろう。こっちはホームだろうがアウェイだろうがポゼッションを高めない限り、勝点1もとれない。もとより対等じゃないんすよね。
●でも選手はよくがんばってたし、惜しいチャンスもいくつかあった。田中達也最高。トゥーリオも内田も長友も松井もよかった。俊輔と遠藤はさすが。シリア人主審もよくニッポンの選手を保護してくれてた。ありがとう。結果は0-0。実は安堵。
●もしアウェイのオーストラリア戦でニッポンが引き分け以上の結果を残せたら、さぞ気分がいいだろな~。きっとスキップする。あ、でもその頃には両者とも勝点が必要という状況にはなっていないか。
●オーストラリア代表はピム・ファーベークといいヒディンクといい、どうして感じの悪い監督を選ぶんだろね。ていうか、強いから感じが悪いだけか。
●も一つ悔しいこと。スタジアムにオーストラリア・サポがそれなりにいた。あの大陸に本物のサポーターが育ってきている。ヤだなー。でもホントはこんなありがたいことはないのだ。アジアに突然、欧州並みの強豪が誕生してくれたんだから。
●ウズベキスタン 0 - 1 バーレーン。マジですか。
●グループ2はもっとスゴい。北朝鮮 1 - 0 サウジアラビア。これで1位が韓国、2位が北朝鮮。サウジ、イラン、UAEといった中東の難敵を抑えて。北朝鮮のワールドカップ本大会出場という可能性が現実的なものになりつつある。
逆チョコ
●偉大なり、チョコ屋。そう思ったんすよ、だって今年は「逆チョコ」。「本命チョコ」のみでは飽き足らず「義理チョコ」を開発し、さらに女性同士にもチョコということで「友チョコ」、そしてさらなるチョコ消費指数の増大を狙い「自分チョコ」、でも自分用だと購入するチョコもリーズナブルでイマイチ破壊力足りないからやっぱり男に買わせるのがいいだろう、見栄も張るだろうし、という裏の裏はオモテ的な発想で「逆チョコ」。圧倒的に正しい。バレンタインデーが土曜日に重なってもこれで大丈夫、きっと。
●でもここまで来ちゃうと、全日本人的にチョコ制覇で、次なる一手が難しくなるんではないか。女→男、女→人、女→女、女→自分、そして男→女と来たわけだから、残るチョコ贈与体系としては、男→男という広大な沃野があるわけだが、これは至難の業。男は男のためにチョコ買わんだろう、どう言いくるめたって。
●そこで、予言する、来年のバレンタインデーに到来するであろう新展開。ずばり、「飯チョコ」(メシチョコ)。おやつではなく、メシとしてチョコを食らう。2月14日の晩メシは全国民的にチョコ! あつあつのご飯にたっぷりかかったベルギーチョコで、ご飯三杯おかわり可能! 炊きたてホクホクにチョコ大盛りで。これでチョコ消費指数うなぎのぼり。2010年2月14日、日本人の主食はチョコになる!
ふたたびベルリン・フィルのDigital Concert Hall
●先日、記念すべき第一回生中継の模様をお伝えしたベルリン・フィルのDigital Concert Hall、再度アクセスしてみたんである、日曜日の夜遅くに。というのも、ベルリン・フィル定期演奏会の開演時間はおおむね20:00、すなわち日本時間午前4時という、猛烈にアクセス困難な時間帯、だが2月8日の公演は16:00開演であり、つまり日本の日曜深夜0時からスタート。これはチャンスではないか。指揮はサイモン・ラトル。演目はなんとシューマンの「楽園とペリ」だ。よし、久々に生中継体験するぞっ!
●が、一つ誤算あり。このDigital Concert Hall、映像のクォリティを三段階で提供してくれている。事前にサンプルを視聴した限りでは、わが家のADSL回線でも問題なくHighの設定で再生できた。ところが前回の生中継ではHighでは再生が追いつかず、Middleでガマンした(それでもウチの年代物アナログテレビよりはずっとシャープで美しい映像だ)。で、今回。なぜかMiddleでもうまくいかず、Lowまで落としてやっと再生できた。どうやら生中継だと録画よりもずっと回線事情が厳しくなるようだ。映像がLowでも音声のクォリティは落ちないのは救い。でもさすがにLowだと画面が寂しいんだな。などとゴタゴタしていたら、とても「楽園とペリ」を落ち着いて味わうことはできない。せっかくの生中継だったのに……。
●じゃあ、ガッカリしたか? いや、ぜんぜん! それどころかワタシは興奮を抑えきれずに、シーズンチケットを申し込んでしまった! 89ユーロ払ったから、もう最強。全部見れる(ら抜き)。えっ、今シーズンは8月までしかないのに今さら申し込むのかって? いや、もう生中継はあきらめた、午前4時なんてムリだから。全部アーカイヴでいい。アーカイヴなら高画質高音質。シーズンチケットがあれば、去年の8月からの全配信をいつでも好きなときに視聴できる。
●ラインナップを眺めればわかるように、これはスゴいことっすよ。だって89ユーロでベルリン・フィルの定期ワンシーズンを見れるんだから。今まではベルリン在住でもない限り、いくら来日公演行こうが旅行しようがCD買おうがFM聴こうが、シーズン通してベルリン・フィルを聴けた人はいなかった。それが家庭のPCで毎月3、4プログラムを見れちゃうわけだ。地元のオケにだって、そこまでは通わないし通えない。生だろうが録音だろうが録画だろうが、これだけ同じオケの公演を継続的集中的に聴くなんてことはなかった。
●しかもこの映像がよくできてる。ある意味、本物以上に本物っぽいというか、ちゃんとヘッドフォンで聴くと、来日公演で生を聴くより、もっと生々しい。って言ったらそれはさすがにウソか、でも半分本気。まあ、その辺は無料サンプルをご覧になるのがいちばん。ラトルがブラームスの2番の終楽章を振ってて、これがまたいいところを選んだなっていう感じがするんだけど、これ見ちゃうともう止められない。逆にこの動画がうまく再生できないようだと、PC環境的にどこかにムリがある。
●とりあえずアーカイブから2公演ほど見たけど、いやー、すばらしい。ラトルのブラームス3番&ショスタコ10番、メータのエリオット・カーターとベートーヴェン協奏曲4番(ペライア)、シュトラウス「家庭交響曲」。こんなふうに、ありえないほど美しい音を出すオケが近所にあったらな。お腹いっぱい。でもこれ8月までに全部見れるんだろか(笑)。
Berliner Philharmoniker / Digital Concert Hall
http://dch.berliner-philharmoniker.de/
「天地創造」
●金曜夜はブリュッヘン指揮新日本フィルでハイドン「天地創造」(すみだトリフォニーホール)。マリン・ハルテリウス(S)、ジョン・マーク・エインズリー(T)、デイヴィッド・ウィルソン=ジョンソン(Bs)、栗友会合唱団。合唱だけで100人以上いたんじゃないだろか、「ブリュッヘンのハイドン」だと思ってるからなんだけど、スゴい大曲だと感じる。神様が天地を創造しようっていうんだから、これくらいのパワーは必要なのか。弦14-14-10-8-6。ステージが超満員状態になっていたのにはもう一つ理由があって、なんと指揮者正面にチェンバロとフォルテピアノが両方入っていた。90度ずれた位置に配して、一人の奏者(渡邊順生氏)で両方弾けるようになってる。横を向いてチェンバロを弾いていたなと思ったら、レチタティーヴォになるとささっと正面を向いてフォルテピアノでチェロと一緒に伴奏する。なんだか舞台中央の鍵盤楽器面積率が異様に高い状態になっていた。これはブリュッヘンの希望でそうなったという話。
●ブリュッヘンはさらに老いていた、たぶん前回前々回の来日にも感じたように。座って指揮するんだけど、指揮台に上るのも大変そうでハラハラする。でも、1934年生まれってことは74歳か。ブリュッヘンと18世紀オーケストラが最初に来日したのは1988年くらいだっけ? その時点でもう白髪の老人だと思っていたんだけど、それって錯覚なのかなあ。20年近く経ってるのに、ブリュッヘンは時の流れを超越しているみたいに見える。ハイドンもそんな感じだったのかもしれん。ずっと年下にモーツァルトという天才が出現して、世を席巻するんだけど30代で早世して、結果的にハイドンのほうが未来を生きちゃう。晩年に時の流れを超越して、世界の創造を描く。
●以前のブリュッヘンは猫背の後姿から暗褐色の内向きの情念みたいなのが沸々と湧き上がってきてたのに、今はもう魂だけで音楽作れます、光あれ、みたいな感じに神様化していた。昔はフォースの暗黒面入ってたのに、すっかりジェダイ。
●で、翌日、土曜日。NHKホールでラドミル・エリシュカ指揮N響を聴きに行ったんだけど、1931年生まれの老匠なのに猛烈に元気、音楽が。生命力にあふれたスメタナ「わが祖国」全曲で、ある程度以上になると年齢の数字なんて本当に意味レスと痛感。
●「この世」を描写した名曲の中で、もっとも歴史的に古い場面を描いた音楽はどれなんだろう、という問いに対して、ハイドン「天地創造」っていうのは正答だろう。神様が天と地を創る前の混沌の描写まで入っているんだから。ミヨーの「世界の創造」という選択肢もあるが、世界が生まれる前までは含まれてないだろうし。でも、神様が世界を創ったとするなら「天地創造」最強だけど、人間が神様を作ったという立場で見ると神様以前さらに人間以前にも世界はあったわけだから、ヨーゼフ・シュトラウスの「天体の音楽」のほうが古い。惑星が回転しながら固有の音を発して、太陽系全体がハーモニーを奏でる。宇宙には天体の音楽が鳴り響いてるんだけど、ワタシらは生まれた瞬間からそれを聴いているから、これを知覚できない(笑)。ってピュタゴラスだっけ。これは恒星と惑星が誕生した瞬間から存在するわけだ。でもまあ、もし誰かが交響曲「ビッグバン」とか書いてたら、現代宇宙論的にはそれが「天地創造」の瞬間だ。ていうか、レイフ・セーゲルスタムあたりが書いててもおかしくなさそう気もする>「ビッグバン」交響曲。
オンデマンドでナント
●ナントで開催された本家「ラ・フォル・ジュルネ」から、いくつかの公演をしばらくオンデマンドで聴ける模様>France Musique : Folle Journée 2009。本放送時よりもビットレートは低いみたい。たまたまか、モダンピアノで弾くバッハに良さげな人がそろってる感じ。
●昨日のフィンランド代表、やはり選手はフィンランド、スウェーデン、ノルウェーといった北欧のクラブに所属する選手で構成されていたようだ。インターナショナルマッチデーではなかったので、ニッポンと同様、「欧州組」を招集することはできなかった。つまり北欧はJリーグと同じく春秋制で、今はオフシーズンということらしい。たしかロシアも春秋制だったと思う。あとドイツは秋春制だけど冬季に中断が入る。単純に欧州=秋春制ってものでもなくて、気候で決まるんだな、と。
●ニッポン代表戦前に行われた練習試合。湘南ベルマーレvsフィンランド代表。まあ練習なので結果は意味レスだけど、1-0で湘南が勝利。湘南はジャーンとかトゥットとかなじみのある名前が多いなあ。
ニッポン代表vsフィンランド代表
●来週、いよいよ対決するオーストラリア戦@W杯最終予選を控えて、仮想オーストラリアということで大型選手をそろえたチームを呼んできた強化試合。といってもフィンランド代表のほうはB代表みたいな感じだったっぽい。10番に名選手リトマネンがいて驚く。もうすぐ37歳、まだ現役だったのか。
●で、ニッポン代表なんだが……。うーむ、香川が先発。岡崎も。遠藤やトゥーリオが戻ってきてくれて多少はチームが落ち着いたが、このチーム、作ってるのか壊してるのか進んでるのか戻ってるのか、よくわからない。オーストラリア戦になれば俊輔や松井のような欧州組が入るんだろうし、この日のフィンランド代表では仮想もなにもコンディションが違いすぎるし、5-1のゴール・ショーを見れた(ら抜き)ってことでいいのか。岡崎2ゴールは祝。ほかに香川、中澤、安田。フィンランドは自陣での不用意なミスが多すぎ。ニッポンの失点はコーナーキックから。
●オシムが懐かしい。ジーコも懐かしい。トルシエも懐かしい(もうヤだけど)。加茂監督も、オフトも。今、ファルカン以来のしんどさかも。
●はっ。5ゴールも奪って快勝してるのに、ワタシはなにをブルーになっているのであろうか。いやまあ、でも案外こういうドン底の時期にオーストラリア相手にスカッと勝つこともあるのがサッカーだ。はっ、5ゴールも奪って快勝してるのに、ワタシはなにを根拠にドン底などと悲観しているのであろうか。
●やれやれ。
●どんどん選手を呼んで、若手を積極的に起用して、試合を重ねるごとに選手層が薄くなっていく気がするのは、きっとワタシの錯覚、まちがいない、絶対に。
プッチーニ「つばめ」@METライブビューイング
●新宿ピカデリーでMETライブビューイングのプッチーニ「つばめ」。午前10時からの上映だったんだけど、にぎわってた。新宿ピカデリーそのものが「えっ」と思うほどたくさんお客さんが入っていたし、「つばめ」も予想外に盛況。あまり上演されないオペラなのに。いや、あまり上演されないオペラだから入るのか。わからん。しかし平日午前10時のお客さんって、どういう方々なんだろう。一人一人尋ねてみたい。
●で、プッチーニ「つばめ」。ワタシは初めて観たんだけど、このオペラは傑作!ワタシの知るどのプッチーニ作品よりも脚本が優れている。舞台はパリで主人公マグダ(ゲオルギュー)は金持ちに囲われている愛人。そこに田舎から初心で純朴な若者ルッジェーロ(アラーニャ)があらわれる。マグダとルッジェーロは恋に落ちる。マグダは本物の恋と人生を取り戻したくなり、金持ちのもとを去る。マグダとルッジェーロは愛に生きようとするが、しかしルッジェーロには財力がなく、マグダには愛妾として生きた過去がある……。あれれっ!? この話、どこかで聞いたことないかあ? という「椿姫」と「マノン・レスコー」と「ボエーム」がごっちゃになったような新味のなさが、上演機会の少ない理由のひとつかもしれん、が。
●オペラって大体は物語的に食い足りないじゃないっすか。主役は音楽だから。だいたい善人はいつも善人だし、正義は正義で、悪は悪、かわいそうな人はかわいそうな人で、きれいな人はきれいな人。でも善が善ゆえに悪だったり、きれいな人が醜かったり、逆説に満ちているのがリアル人生。「つばめ」はそういう点で人物描写が鋭い。
●主人公マグダとルッジェーロの二人をヒロインとヒーローとして描きながらも、一方で二人とも身勝手で周りの見えない人物でもあるってところがいい。マグダが他のオペラ愛人たちと違うのは「愛を求めた弱い女」じゃなくて、この人、すごく電波入ってるっていうか、とことんヤな女なんすよ、ヒロインなのに。愛人になる前に、お針子をやってて(やれやれ、こいつもお針子か!)、そのときの美しい恋の思い出をなぞろうとして、「お店のテーブルにお互いに名前を書きあう」とか「ウェイターに気前のよいチップを渡す」といった、過去の自分ベストシーンをルッジェーロ相手に再現させちゃう。失礼千万。「真実の愛を」とか本気で言っているのが、自己愛の強さと表裏一体になっていて、こういうのって真実を突いている。
●で、これにまんまと付き合っちゃうルッジェーロのナイーブさ(バカさ)かげんがまたよく描けている。アラーニャは、もう顔も体型も丸々としていてヒーローにはキツいと思ってたけど、こういうナイーブな男の役は完璧で、終幕で嬉々としてマグダに「母親から手紙で結婚の許しを得た」と歌うあたりの抜け作ぶりが見事。ああ、プッチーニって、意地悪。いや、脚本はプッチーニじゃないか。
●で、このオペラには主人公であるマグダとルッジェーロのほかに、もう一組、プルニエとリゼットというカップルがいる。こちらはコミカルな役柄なんだけど、気の利いた設定になっている。プルニエのほうは金持ちのサロンの常連になるような成功した詩人で、言うこともそれらしく気取っている。愛の詩をうたってみせて、でも自分自身の恋人には僕にふさわしい女性が必要なんだなー、ベアトリーチェとかサロメとか……、でもそんな女性は見つからないよ!とか戯言を言う。でも実はプルニエはマグダの小間使いリゼットとこっそり付き合ってる。爆笑。鋭すぎる。偉そうなことを言ってる有名詩人が小間使いを恋人にしているなんて他人には言えない、そのくせ夜の街に繰り出すときにはリゼットにマグダの衣装を拝借させて出かけちゃう。すごく世間体を気にしているわけで、フツー、こんな二人はろくなことにならんだろうと思うわけだ。実際、プルニエはリゼットをオペラ歌手としてデビューさせてやるんだけどこれが大失敗、リゼットは身の程を知る。でも、プルニエはリゼットのことを本当は好きで好きでしょうがなくて、二人はケンカをしても別れそうにない。「愛に生きる!」とか言ってるマグダとルッジェーロはあっけなく破綻する一方で、コミカルなプルニエとリゼットのほうにこそもしかすると本物の愛があるというのが味わい深い。
●↑上のプルニエが「サロメとか」って台詞で口にしたときに、オーケストラがR・シュトラウスの「サロメ」の動機を一瞬鳴らすんすよ(笑)。おもしろい。時代関係はどうなってるんだっけ。今調べたら「サロメ」は1905年、「つばめ」は1917年初演か。これって初演時にはどれくらいのお客さんに伝わるような仕掛けだったのかなあ。
●イタリア・オペラでは、死屍累々ってくらい大勢の登場人物が死ぬけど、この「つばめ」では悲劇的結末にもかかわらず誰も死なない。そこも不人気の原因なのか。でも平和上等。まあ終幕は少し筋が弱いかもしれない。誰もが口ずさみたくなるようなアリアもないだろう。でも音楽的にはとても聴きごたえがあって、スコアは充実している。音楽だけでも楽しめる。
●METライブビューイング、東京だと東劇、新宿ピカデリーで上映中、ほかにも各地で上映してるみたい。公式サイトにキャストもあらすじも上映日も載っていないのが謎だけど、劇場一覧があるのでそこからリンクをたどって各劇場のスケジュールを調べるといいかも。あ、ゲオルギューは風邪ひいてます。指揮はマルコ・アルミリアート。舞台裏レポーターはルネ・フレミング。あとリゼット役の歌手の名前がリゼット・オロペーサという人で、役名と本名が同じなのがスゴいと思った。別にスゴかないか。
お年玉年賀ハガキ
●お年玉年賀ハガキ当選番号発表中。これ見て、「カーボンオフセット年賀」というものがあったことを知った。木を使わずに作った紙ってことなのかなあ。それとも配達にバイク使わずに自転車使ってます、とか(なわけない)。
●今年、わが家の年賀状は「牛乳」をテーマにしようということで、ハガキに牛乳パックの平面図を描いてみた。これはちゃんと指定どおりに切って折ると、写真のようにホントに牛乳パックになるのだ。お年玉年賀クジがハズレと分かったら、安心して組み立てて可。防水加工はされていないので、中身は入れられません。
Google袋小路
●土曜日の深夜、ワタシはジメジメとPCに向かっていた、そして何気なくブラウザの検索窓からあるキーワードをググってみたのだ。すると、物騒なことに表示された検索結果に「このサイトはコンピュータに損害を与える可能性があります」なるGoogleからの注釈がついているではないか。おや、そんな危険なサイトが一番上にヒットするとは珍しい、と思ったのもつかの間。
●なんと、よくみるとすべての検索結果に「このサイトはコンピュータに損害を与える可能性があります」と記されているではないか。不審に思って別のキーワードで検索してみた。やはり「このサイトはコンピュータに損害を与える可能性があります」と出る。そんなバカなとブラウザをFireFoxからIEに変更しても結果は変わらない。
●すなわち、ウチのPCは対Google的に絶海の孤島。どこにアクセスしてもコンピュータに損害を与えられるかもという袋小路2.0。でもYahoo!は平気だぞ。Googleだけおかしいのか。PC再起動しても症状変わらず、ウィルスの仕業ともあまり思えない。何だろ困ったな今仕事中なのにPCトラブルに煩わされるのは勘弁してくれとわが家の中心で世界に向かって叫んでみた、するとどうだろう、しばらくすると何事もなかったかのように復旧したよ、Google。
●後でこんなニュースが流れたことを知った。「米Google、ウイルス騒ぎで謝罪」。Googleが悪意のあるサイトのリストをアップデイトする際に、うっかり誤って“/”をリストアップしてしまったというのが原因。そう、“/”、すなわちルートであるから全世界全サイトが「悪意あるサイト」という設定であり、この世のすべてが悪という悲観論者が泣いて喜ぶ誤設定。これ、うっかりミスとして、すごくありうるじゃないっすか。合点がいった。Googleも人間だね、案外と。心のガッテンボタンを連打しつつ妙に安堵。