●先週の試合なんだけど、アジア・チャンピオンズ・リーグ(ACL)の鹿島アントラーズvsシンガポール・アームド・フォーシーズFCのハイライト映像を見てたら、なんと、深沢仁博が出場してるじゃないですか。深沢仁博(元マリノス、元新潟)と新井健二(元新潟)が先発、シンガポール・アームド・フォーシーズの一員として。
●深沢は96年にマリノスに入団した攻撃的MFで、一時アルゼンチンやスペインに渡ったりもしていた。ドリブルに持ち味があって活躍を期待してたんだけど、巡り合わせの悪さか、マリノスでは才能を発揮しきれず。で、J2時代の新潟に移籍して実績を残したものの、新潟がJ1昇格すると出場機会が激減。戦力外通告を受けて、Jリーグのトライアウトを受けるが、JFLからも地域リーグからも話がない。
●ここでサッカー界から姿を消す選手は山のようにいると思う。しかし深沢はアメリカでのオープントライアウトに申し込んで、自力で渡米、代理人なしでカナダのクラブと契約。その後タイ・リーグに移籍して、さらにシンガポールの強豪クラブへ。そして、こうしてアジア・チャンピオンズ・リーグの晴れ舞台に出てきて、ふたたびJリーグのクラブと対戦することになった。これはものすごく充実したサッカー人生だと思う。
●ワタシは知らなかったんだけど、新井健二のほうはさらにシンガポールでは大活躍しているようで(シンガポール選抜に外国人枠で選ばれてロナウジーニョ入りのブラジル五輪代表と対戦している)、「海外組」といってもいろんな選手がいると改めて認識。彼らこそ「旅人」なのでは。
参考:JリーグOBリレーコラム 「サッカーと私」第22回 深澤仁博
過去記事:僕たち「海外組」がホンネを話した本(秋元大輔編著)