●メータ指揮ウィーン・フィル来日。R・シュトラウス「ドン・キホーテ」と「英雄の生涯」という、鰻にステーキみたいな豪華プロが嬉しすぎる。このプログラムが一番人気かと思ったら実は逆でなぜか空席がちらほら……。そ、そなのか。
●「ドン・キホーテ」と「英雄の生涯」って、共通点が多いっすよね。どちらも主人公がいて、戦いがあったりロマンスがあったりするんだけど、最後には世を去る。「ドン・キホーテ」はセルバンテスの原作があって、世界一有名な架空の人物の一人。「英雄の生涯」は素直に作曲家自身を描いていると考えると実在の人物だけど、でもこれ書いてるR・シュトラウスはまだ34歳くらいで若くて、引退とか死というのは想像上の出来事。「ドン・キホーテ」は実在の架空の人物を描き、「英雄の生涯」は架空の実在の人物を描いている。
●ウィーン・フィルのメンバーは鮮度高げ。「ドン・キホーテ」ではコンサートマスター(いやミストレスっての?)にウワサのダナイローヴァ。ここに若い女性が座っているというだけでも視覚的には相当印象が変わる。後半「英雄の生涯」は席替えしてシュトイデがコンサートマスター。ソロが猛烈に立派で雄弁。管楽器も世代交代が進んでるっぽくて、メンバー表はフォルカーさんのエントリー見るしか。
●メータはメータ爺になってた。豪放磊落。ピリピリもギラギラもせず、麗しく豊かな至福のひととき。「英雄の生涯」って戦闘シーンが終わるとすでに引退を先走って予感して「もう後半なのか~」と寂しくなったりするんだけど(もう一回最初からやってくんないかな、とか)、死に際にもうひと暴れしてもらうわけにもいかんしなあ。で、アンコールはシュトラウスつながり(笑)の「アンネン・ポルカ」と「トリッチ・トラッチ・ポルカ」。
●皇太子殿下ご臨席。SPのなかにクラヲタな方がいてこっそりブログとか書いてたらおもしろいのになあと夢想。感極まって立ち上がってフラブラとか。ないか。むしろ寝オチが今そこにある危機。
September 16, 2009
メータ/ウィーン・フィルでR・シュトラウス
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