November 25, 2009

四重奏+四重奏

上海クァルテットのベートーヴェン●ジュリアード弦楽四重奏団+上海クァルテット@紀尾井ホール。師弟カルテットの共演ということで4+4=8なんである、すなわちメンデルスゾーンの八重奏曲が聴ける。ジュリアードがバルトークの2番やって、上海がベートーヴェンのラズモフスキー第3番、それから休憩後に合体ロボのように強まってメンデルスゾーンの八重奏曲。鏡像のように左にジュリアード組、右に上海組が並ぶ様は壮観。なんでこんなに人たくさんいるの?的な賑やかなお祭り感あり。
●しかしスゴくないですか、メンデルスゾーン。あの八重奏曲みたいな奇跡の名曲を16歳で書くって早熟にもほどがある。16歳っすよ。16って自分なにしてたかなー。早弁とか? 筆箱隠したり隠されたりとか? 同じ人類とはいいがたい、もはや。
●CD聴いてるとそうでもないんだけど、実際に目にすると8人中4人もヴァイオリニストがいるんすよね。うわ、多いな、このまま増えるとオケになりそうとか一瞬思うんだけど、でもヴァイオリンのおいしいメロディはだいたい第1ヴァイオリンが一人で弾いて1+3みたいになって、一人で3人あるいは7人を向こうにまわしてバリバリゲシゲシ弾いてますみたいな戦闘力の高さを発揮するところが見どころ聴きどころ味どころ。一人すなわちジュリアードのニック・エーネット。メトロポリタン・オペラのコンサートマスターからジュリアードの第1ヴァイオリンへと華麗なのか地味なのかよくわからない鮮やかな転身。
●ジュリアード弦楽四重奏団って63年間のあいだに12人もメンバーが代わってるんだそうです。ただ、代わるときは一度に一人ずつ。63年続いてるものは100年続く。100年続くものは200年、300年、いや1000年続くかもしれん。千年カルテット。そこまで未来になると、さすがに中身はずいぶん変わっててもおかしくない、いつの間にか四重唱団になってるとか、人類以外がメンバーに参加しているとか、そんな軌道レスな未来を軽く透視。
●上海クァルテットは雄弁で派手であった。彼らも83年結成だから四半世紀は経ってるわけだ。
●「クァルテット」よりも「カルテット」にしたいな、ウチ表記は。場所によっては徹底的に「クヮルテット」なところもあると思うが。ほかに「ヮ」ってなんに使ったっけ? 「ヮ」使ったのは「ぁぃιぁぅョゥヵィ」のときが最後かも。

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