●紀尾井ホールでエンリコ・オノフリ/チパンゴ・コンソート。オノフリの音楽は「びっくり」が満載なんだけど、まさか音を出す前にこんな「びっくり」があったとは。オノフリ、超ダイエットして20キロ減量。誰それ! 今回共演するチパンゴ・コンソートのリーダー杉田せつ子さんのブログに写真が載ってるので、見るのが吉。精悍かつにこやかにお蕎麦を食べてます(左)。この頃とえらく違うんすけど。
●ヴィヴァルディもモーツァルトもたっぷりの眩暈感を満喫。昨年、ヘンデル・フェスティバル・ジャパンで来日したときよりも、オノフリのやりたいことがアンサンブルに伝わってたんじゃないだろうか。そして「四季」ってこんなに描写的で、しかもダンサブルな音楽だったのだと改めて実感。ていうか、「四季」はいつもそうなんである。この約一年くらいの間に聴いた「四季」はほかに寺神戸亮&レ・ボレアード、ビオンディ&エウローパ・ガランテ、カルミニョーラ&ヴェニス・バロック・オーケストラがあって、みなスタイルはそれぞれなんだけど、いちいち驚く。媒介するアーティストは違っても全部同じ「四季」で、源にあるのはヴィヴァルディ(そりゃそうだ)。天才。
●3年前かな、「ラ・フォル・ジュルネ」で最初にオノフリを聴いたときと同じことをまた感じたんだけど、どんな新鮮な演奏、未知のアプローチに接したとしても、それを「最初はびっくりしたけど、もう手の内は読めた」とか「誰それを聴いたときに比べれば驚きはない」と感じたとき、ワタシは1ポイントを失う。多くを「なんだ、それなら知っている」に収める方法論は効率よく失点を積み上げることにほかならない。大量失点して退屈な人になることを防ぐために、ディフェンスを敷くことが必要になる。知らない音楽、新鮮な感動がワタシにとってはディフェンス、よく知ってる何度も聴いたCDの名演奏を繰り返し聴くほうがオフェンス(逆ではない)。オフェンスは失敗したときでも得点がないだけで失点はしないんすよ。サッカーと同じで、まずディフェンスありきで、それがうまくいったときにオフェンスの機会が生まれるというのが個人的原則。
●本日もう一公演あり。弾むような気分で楽しめますように。
December 10, 2009
エンリコ・オノフリ/チパンゴ・コンソート@紀尾井ホール
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