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2010年1月アーカイブ

January 31, 2010

ナントのシテ・デ・コングレ

ナントのシテ・デ・コングレ
●ナントの「ラ・フォル・ジュルネ」会場のシテ・デ・コングレはこんな感じの建物。会場の片隅のプレスセンターにノートPCを持ち込み中。演奏会を行う場所は全部で7会場。2000人弱入る大ホールがいちばん大きくて、普通に演奏会が開かれそうな場所はこの一ヶ所のみ。後は基本的に会議室みたいな場所が多い。狭いところは定員80名とか120名とか。
●つまり東京国際フォーラムとかなり似ている。違うのはチケットに座席が振ってあるのは2000人弱の大ホールだけで、あとは全部自由席というところ。800人入る会場でも自由席。開演前はずらっとフランス人たちが行列をなして待っている。
●開演時間はおおむね遅れる。16時開演とかでも、16時になってもまだ入り口で行列ができてるとかざら。それでも東京と同じように次々演奏会は開かれる。Arteの中継が入る公演はプログラムにその旨明記されている。つまり中継が入る演奏会は、予定通り開かれるので開演は遅れませんよ、ということを伝えているっぽい。

January 29, 2010

ナントに到着

FCナントのバス
●この度、FCナントに移籍することになりました……ウソ。
●さて今どこにいるかといえば、なんと、ナントである。いや、そんな駄ジャレを発している場合ではなくて。ナント、すなわち本家ラ・フォル・ジュルネ現在開催中なんである。今年のテーマ作曲家はショパン。5月の東京と同じ。
●アムステルダムのスキポール空港を経由してナントに到着、で、空港からホテルまでの送迎バスがなぜか写真のFCナントのチームバスだったという謎。なんだかシートがゆったりしてるぞ。
●ナントからの報告は、この後、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン公式レポートにて更新予定(半日後くらいからスタート)。が、会場のネットワーク環境がどうなっているかよくわからずドキドキ。今とりあえずホテルの無線LAN環境は確保できたので、こうして今つながっている。後ほど会場へ向かう。


January 28, 2010

Dropbox、便利すぎる

●ウワサには聞いていたが、こんなに簡単で便利なものだったとは。昨日から使い始めた、Dropbox。複数PCでドキュメントを同期させるためのオンライン・ストレージ。 なにも意識せずに、メインのPCとサブのノートPCとで書きかけの原稿等を同期させることができる。今までは「あれ、あのファイル、最新版はどっちに入れてたっけ?」ととまどったりだとか、ファイルを更新するたびにUSBメモリやらメール添付やらでちまちま運んだりしてたのだが、これからは更新中のファイルはDropboxフォルダに置いておけばよいのだ。
●しかも必要とあれば出先のPCからもファイルを取り出せるわけで、バックアップにもなってくれる。とりあえず2GBまでは無料で使える。全般にわかりやすくできていて、ストレスがない。
●日本語による解説記事はこちらを参照すればよいかと。上腕二頭筋をムクムクと隆起させつつオススメ。ウソだけど→隆起。

January 27, 2010

はじめてのチョコ炭酸

サントリー チョコレートスパークリング●近所のスーパー→コンビニ→コープと3軒まわってようやくゲット。「チョコ炭酸」こと「サントリー チョコレートスパークリング」。炭酸飲料でありながらチョコ。誕生した瞬間からカルトドリンクの王座に君臨すること確実な夢の商品がここに。
●一口飲んで驚く。これはどう考えてもチョコ、それも割りとチープめなチョコであり、「チョコレートは使用しておりません」とのさわやかな断り書きがまぶしい。だってチョコじゃないのにチョコだし。まるでビールじゃないのにビールみたいな。でも甘いかな。甘いかも。いやツメが甘いんじゃなくて、物理的に糖分濃度的に甘い。そして炭酸飲料ラブなワタシとしては、シュワッと感がこれでいいのか、いささか角が丸すぎやしないかとも思わんでもない、肉体の30%くらいがコーラとドクターペッパーで組成されている人間としては(←ここウソ)。
●チョコ炭酸飲みながら、いま読み進めています、前に少しご紹介した「高慢と偏見とゾンビ」。チョコとロマンスと炭酸とゾンビが渾然一体となった味わい深いひととき。バレンタインにもぴったり、どちらも、たぶん。

January 26, 2010

「クラシック迷宮図書館」(片山杜秀著)

片山杜秀の本 3 クラシック迷宮図書館●出ました、「クラシック迷宮図書館」(片山杜秀著/アルテスパブリッシング)。「レコ芸」連載の「片山杜秀のこの本を読め!」(+α)が一冊にまとまっているんだが、音楽書の書評というものがこんなにおもしろくなるものなのかと改めて驚愕。しかも読みやすい。こういうものが雑誌連載で成立してたっていうのはいろんな意味で奇跡的なことだろう。対象となる本を超越して、書評それ自体がワクワクしながら読める。理想。
●これ、もともとの連載企画が相当な力技だったはずなんすよ。なにしろ月刊誌の書評だから「今月はそれほど興味深い本が出なかったので休みます」というわけにはいかない。そもそも音楽書を発行している出版社の雑誌で、音楽書を紹介するコーナーを設ければ、それは「自社本の宣伝コーナー」になりがち。営業なり編集なりの意向で「今月は自社のこれを紹介し、来月はあれを紹介する……」とオートマティックに流れが作られていってもおかしくない。なのに、ひたすら「書評」という記事のおもしろさを求め、片山さんに書きたいものを書いてもらうことを優先させ、毎月毎月まとまった字数で他社本を評し続けたわけだ。どう考えても、片山さんも編集部も大変な思いをしたにちがいないんである。すごい手数のかかった書評。頭が下がる。
●それがこうして一冊にまとまった。祝。単行本として読んでみると、さらに切れ味が増しているような気がする。

January 25, 2010

わからないもの

●よくわからなくて、しかも理解しようという情熱がどうにもわいてこないものトップ3

1. 携帯電話料金
 あるとき、一念発起してauのサイトをじっくりと眺めてみたのだが、ワタシが「誰でも割」にして、なおかつ2年契約の途中で解約した場合、違約金が発生しないのではないかと思うのだが自信がない。

2. テレビ

 わが家の地上波ケーブル&BSアンテナ環境&アナログ用ハードディスクレコーダー環境において、地デジとBSデジタル環境に移行するためになにをどうすればいいのか。

3. ポイント

 どこで買い物をしても「ポイントカード」をお持ちですかと尋ねられる。特に謎なのが「ツタヤのTポイントカードはお持ちですか」というもので、ツタヤで言われるのならともかく、ツタヤじゃないお店でもそう聞かれるんである、コンビニとか。持ってないから常に「いや、ないっす」みたいな間の抜けた返事をするのであるが、持っていたらどうなるのか。

「Tポイントカードはお持ちですか」
「はい、持ってます」
「そうですか、私も持ってます」
「……」

とか?

「ポイントカードはお持ちですか」
「はい、持ってます」
「ポイント、おためしておきます」(ピッ!)
「このポイント、なんに使えるんですか」
「いえ、このポイントはためる専用です」

とか?

 よくわからない。

January 22, 2010

鉄骨を渡るカラフ~「トゥーランドット」@METライブビューイング

turandot.jpgMETライブビューイングでプッチーニの「トゥーランドット」。新宿ピカデリー。
●ゼッフィレッリの超豪華プロダクションで、指揮は若いアンドリス・ネルソンス(指揮台に立つ前はピットでトランペットを吹いていたという珍しい経歴)。トゥーランドットはマリア・グレギーナ、カラフはマルチェロ・ジョルダーニ、リューはマリーナ・ポプラフスカヤ(誰よりも拍手をもらってた)。
●最近ワタシはオペラを見るにあたって、「オペラお約束対応変換フィルター」的なものを装着しないことにしているのであり、「ネタにマジレス」モードで鑑賞するのが基本姿勢。かつては、どんな水平方向にビッグサイズな中年歌手がトゥーランドットを歌ったとしても、「この人は見たこともないくらいの美しい若いお姫様なんです」と己を欺いていたが、もうそんな姑息な作戦はとらない。
●で、トゥーランドットは何者か。彼女は美しくもないし若くもない。それどころかかなり年を取っている姫様である。父親から結婚しろと繰り返し言われているのに、「私は神聖な身です」とか「復讐が云々」とか言って取り合わない。取り合わないどころか婿となるべき若者を次々と殺してきた。いつまでも少女のままでいたい。なにしろ親は中国皇帝なんだから、結婚の重みが凡人とはぜんぜん違う。大人になる責任を回避しているうちに、30歳になり、40歳になり……とナゾナゾ連続殺人を繰り返しながら少女のままでいるサイコ姫だ(←年齢は台本上の設定じゃなく、歌手を見ての話だ)。「大人になるくらいなら死ぬ」じゃなくて、「大人になるくらいなら殺す」というところが権力者の娘。
●そんな姫に王子たちが群がるのはなぜか。姫に求婚して殺されるのは、中華から見て辺境各国の王子たちだ。王子でなければ相手にもされないという以前に、王子でもなければここまで旅するのも容易ではないのだろう。そしてカラフが逃亡王子であったように、みな国に王子として収まっていられないせっぱ詰まった事情をそれぞれ抱えているにちがいないんである。権力の座を追われたとか、国が貧しいとか。対してトゥーランドット姫は物質的には極限まで豊か。王子たちにとって「この世でもっと美しい姫」は「この世でもっと美しい(富に恵まれた)姫」なんじゃないか。カラフや首を斬られた王子たちは、もともと選択の余地もないまま、命がけの(しかもかなり絶望的な)チャレンジに向かったとも見える。
カイジ●となれば思い出すのは「カイジ」だ。カラフに出題されたトゥーランドットの斬首クイズは、エスポワール号に乗り込んだカイジの「限定ジャンケン」、あるいは「鉄骨渡り」。そしてトゥーランドット姫は利根川幸雄だ。追いつめられた果ての求愛行動。カラフは無事3問ぜんぶ正解したのに、なんと、さらに相手にクイズ返しをしてチャンスを与えてしまう(ざわ、ざわ、ざわ……)。こういった一見不合理だが、実はより多くを得るためには合理かもしれないという戦略もカイジ的な気がする。
●このオペラでいちばんまともなのはピン、ポン、パンの三人。首切りクイズにチャレンジしようとするカラフに対し、そんなバカなこと止めろ、あの女だって裸になればただの女だ、なにもちがわん、そんなことをするくらいなら嫁を100人娶れ、みたいなことをいって諭す。宮仕えで不条理な職務を長年遂行してきた人たちならではの大人のアドバイスって感じがする。

January 21, 2010

寒くなったり暖かくなったり

●ずっと妙に寒い日が続いて地球寒冷化かと心配してたら、今度は汗ばむくらい暖かくなってやっぱり地球温暖化かなと思ったのだが、おそらく明日朝はふたたび地球寒冷化を案じることになりそうな予感、いったいスーパーでレジ袋は何枚もらえばいいのか悩むなあ(ウソ)。
the 寂聴 第8号●瀬戸内寂聴責任編集「the 寂聴」第8号(カドカワムック)。表紙にもなっている特集「水木しげる」もいいんだけど、ノーベル賞物理学者益川敏英先生の対談とインタビューも載っていて、これがおもしろい。益川先生がクラシック音楽について語っているページがあって、お好きだとは聞いていたけど、こんなにも突っ込んだ聴き方をされていたとは。好きな曲ベスト5挙げて、バルトークの「弦チェレ」、ショスタコの13番「バビ・ヤール」、バッハ「フーガの技法」なんかが入ってくるという、一本筋の通ったセレクション。物理学者らしい?
●アインシュタインをはじめ、マックス・プランクとかヴェルナー・ハイゼンベルクのように、物理学者には伝統的にクラシック音楽好きが多いという記事も添えられている。CDのセレクトと小コメント原稿の部分でお手伝いさせていただいたんだけど、本編の部分は一読者として楽しんだ。

January 20, 2010

ウィーン・フィルの自主制作盤

●ナクソスさんのディストリビュートでウィーン・フィルの自主制作盤が発売されるとの情報あり(2月24日発売予定)。「5人の指揮者によるハイドンの交響曲集」という3枚組で、内容は以下に。アーノンクールもいればブーレーズもいる。さすがに強力。

CD1
1.交響曲第12番ホ長調 クリストフ・フォン・ドホナーニ
1991年11月10日 ムジークフェラインザール

2.交響曲第22番変ホ長調「哲学者」 ズービン・メータ
1972年1月16日 ムジークフェラインザール

3.交響曲第26番ニ短調「悲しみ」 フランツ・ウェルザー=メスト
1998年3月22日 ムジークフェラインザール

CD2
1.交響曲第93番ニ長調 ニコラウス・アーノンクール
2009年5月10日 ウィーン・コンツェルトハウス

2.アーノンクールによる演奏についての語り

3.交響曲第103番変ホ長調 ニコラウス・アーノンクール
2009年5月10 日 ウィーン・コンツェルトハウス

CD3
1.交響曲第98番変ロ長調 フランツ・ウェルザー=メスト
2009年9月8日 ルツェルン

2.交響曲第104番ニ長調 ピエール・ブーレーズ
1996年3月24日 ムジークフェラインザール

●ウィーン・フィルの自主制作盤は今後も予定されているとのこと。期待大。
Twitterで見つけた写真。ネコ柄のネコ。神様の茶目っ気を感じる。

January 19, 2010

冬の善福寺公園

winter_park.jpg
●週末に善福寺公園に出かけた。今日は暖かくなったが、その日は東京とは思えないくらい冷え込んだので、池が凍っていた。全面が凍るのではなく、陽のあたりにくい場所にのみ、うっすらと氷が張っているように見える。氷の上をハクセキレイらしき鳥が、ときどき下をつつきながら、ツツツツ……と走る。そんなところに食べるものがあるのか。
●冬の間、池にはカモたちが大勢常駐している。多い順にオナガカモ、キンクロハジロ、カルガモ。暖かくなるとオナガカモやキンクロハジロはいなくなるが、カルガモは居座る。カイツブリ、アオクビ、アヒルもいる。最近ときどきバンを見かけるようになった。バンは幼鳥も数羽いたのだが、無事に育ったのだろうか。
●他に常連はダイサギ、カワウ、たまにゴイサギ(ゴイサギは初夏の頃に幼鳥を見かけた)。「とりぱん」の影響で野鳥もときどきウォッチ。ヒヨドリ、ツグミ、オナガ、シジュウカラあたり。ごくまれにカワセミ。
●なぜかな、池の一部が凍っているのが影響したのか、カモ類はキンクロハジロがほとんどいなくなって、オナガカモだらけになっていた。オナガカモの大群の中に、ポツリと数羽のキンクロハジロがいて、まるで逃げ遅れた人みたいな雰囲気になってる。同類はみんなどこかに飛んで行ったのに、うっかり別のカモと行動をともにしてしまったボンヤリさんな個体が残ってしまったのか。妙に共感してみたりする。
オナガカモだらけ
●オナガカモだらけ。黒と白でスタイリッシュに決めているほうがオス、まだらの褐色でほんわかした雰囲気を漂わせているのがメス。

January 18, 2010

新国立劇場2010/2011シーズン

●15日に新国立劇場の2010/2011シーズン・ラインナップが発表されている。オペラ公演の一覧はこちら
●歌手などあれこれ注目点は多いと思うんだけど、とりあえず自分用に演目と指揮者オケ演出家のみ書き出しておこう。「トリスタン」は大野和士、「椿姫」で広上淳一初登場、「ばらの騎士」はアルミンク/新日本フィルがピットに入る。

★R・シュトラウス「アラベッラ」 ウルフ・シルマー/東京フィル、フィリップ・アルロー
☆モーツァルト「フィガロの結婚」 ミヒャエル・ギュットラー/東京フィル、アンドレアス・ホモキ
☆ジョルダーノ「アンドレア・シェニエ」 フレデリック・シャスラン/東京フィル、フィリップ・アルロー
★ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」 大野和士/東京フィル、デイヴィッド・マクヴィカー
☆團伊玖磨「夕鶴」 高関健/東京交響楽団、栗山民也
☆ヴェルディ「椿姫」 広上淳一/東京交響楽団、ルーカ・ロンコーニ
★プッチーニ「マノン・レスコー」 リッカルド・フリッツァ/東京交響楽団、ジルベール・デフロ
☆R・シュトラウス「ばらの騎士」 クリスティアン・アルミンク/新日本フィル、ジョナサン・ミラー
★モーツァルト「コジ・ファン・トゥッテ」 パオロ・カリニャーニ/東京フィル、ダミアーノ・ミキエレット
☆プッチーニ「蝶々夫人」 イヴ・アベル/東京フィル、栗山民也

●しかし毎度思うんだが、新国立劇場のページの作りはわかりにくい。どうして各公演のリンクを飛んだ先にキャストが載っていないのか謎。公演日程と主要キャスト、チケット料金くらいは同一のページに載せてほしい。
●オペラ&バレエのラインアップについて、新芸術監督による演目説明会あり。入場無料、要事前申込み。

January 15, 2010

隣のメロンパン

●電車に乗ったら隣の女子がメロンパンをパクパクと食べはじめた。甘い香りが漂い、うまそうである。翌日地下鉄に乗ると、今度は隣の席の男子中学生がフライドチキンを食べだした。油脂の匂い全開。
●たまにイスに座ると、隣の人物がなにか食べはじめるという設定になっているらしい。次回はコンビニ弁当が来ると予想。
●自分メモ。第8回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作「さよならドビュッシー」(中山七里著/宝島社)。書店に寄ったら要チェック。コンクール優勝を目指すピアニスト志望の少女という青春小説の設定でありながら、殺人事件が起きてミステリーになるという。期待。

January 14, 2010

ゾンビと私 その15 「最後のクラス写真」(ダン・シモンズ著)

「夜更けのエントロピー」●「まだゾンビ・ネタ書くんですか?」と呆れないでほしい2010年。むしろこれからがゾンビ、本格的に。他者との共生能力を失いつつある私たちの社会は今まさにゾンビ化が進行中なのであって、そこで「いかに生き残るか」という問いを突きつけられているところなのだから。で。
●先日、Twitter上で春巻さんから教えていただきました、ダン・シモンズの短篇「最後のクラス写真」(「夜更けのエントロピー」所収。奇想コレクション/河出書房新社)。なんと、泣けるゾンビ小説なんである。主人公はベテランの女性教師。舞台は「世界がゾンビ化してしまったその後」だ。そう、これまでのゾンビ・エントリーでも繰り返し述べてきたことだが、世界のほとんどがゾンビ化してもごく少数の人類は生き残る。ダン・シモンズはその生き残った孤独な人物の日常に焦点を当てた。
●人が生き残った。すると「いかに生き残るか」という問いは自動的に「いかに生きるか」という問いに変換される。活動範囲内に生存する人間は自分ひとり。職場であり居住地である学校にはゾンビとなった子供たちがいる。そこで元教育者として、なにをよりどころにして生きるか。その回答はひらたくいえば「仕事」であり「愛」なわけであるが、そのいずれも自分以外の誰か対象を必要とする行為だ。人がいなければ、ゾンビを相手にするしかない。先生はゾンビ化した子供を前に教壇に立つ。どうやって?
●ラストシーンは感動的だ。人は一人では生きていけない。じゃあゾンビと生きていけるのか。絶対いやだ、そんなの。でもゾンビ禍という災厄がなぜ訪れたかといえば共生能力の衰退のためだったわけで、アフター・ゾンビ時代においても「オレだけが生きていればいい」という排除の論理で要塞みたいな場所に引きこもっていてはそれは何も学んでいないのと同じなんじゃないか。だから必要なのは「愛」。そう美しく解することができる。と同時に、人に必要なのは「幻想」であり「物語」であって、これはビフォア・ゾンビ時代となにも変わっていないよ、とも読める。ゾンビ小説の傑作。

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不定期連載「ゾンビと私」

January 13, 2010

Jリーグ移籍状況2010

●Jリーグがシーズンオフ、そして欧州はシーズン中だが冬の移籍解禁期間。選手の動きが激しくなる。稲本潤一はフランスのレンヌから川崎フロンターレへ移籍。川崎は強くなりそう。稲本、さらにマリノスから小宮山をゲット。
●稲本ってスゴいっすよね。もしかしたらこんなに欧州で試合に出続けた日本人はいないのでは。ガンバ大阪から最初にアーセナル(イングランド)→フラム→ウェスト・ブロムウィッチ→カーディフ→ガラタサライ(トルコ)→フランクフルト(ドイツ)→レンヌ(フランス)→川崎へ。欧州最初のアーセナルと(たぶん)最後のレンヌでは出場機会に恵まれなかったけど、後はそこそこ試合に出てるんすよ。偉大。
2009-2010移籍情報(J's GOAL)。最近の主だったところでは、小野伸二がボーフム(ドイツ)→清水。久保竜彦が広島→JFL(!)の金沢、播戸竜二がガンバ大阪→セレッソ大阪。大分からの人材流出が凄まじい。金崎は名古屋、西川は広島、鈴木慎吾は京都、森重真人は東京へ。
●マリノス関係では山瀬幸宏がレンタル先のサガン鳥栖に完全移籍。同じく鳥栖にレンタルしていたハーフナー・マイクは甲府に完全移籍決定。育った選手は去り、育て切れなかった選手はヨソでブレイクするという傾向を感じなくもない。やれやれ。

January 12, 2010

映画「オーケストラ!」

●ゴールデンウィーク公開の映画なので気が早いのだが、なんとなく「これはひょっとすると傑作かも」という匂いがプンプン漂ってくるのが、「オーケストラ!」(ラデュ・ミヘイレアニュ監督。原題 Le concert )という作品。オーケストラをテーマにしてて、しかも「パリ・シャトレ座の全面協力を得た圧倒的迫力のコンサート撮影」なんて惹句を目にすると、なんだか「のだめカンタービレ」を連想してしまうわけだが(あちらはウィーン楽友協会か)、「のだめ」が若者たちの物語であるのに対して、「オーケストラ!」は挫折した大人たちの物語だ。
●設定はこう。主人公はロシア・ボリショイ劇場の清掃員として働くアンドレ。実は彼はかつてボリショイ・オーケストラで活躍した才能あふれる指揮者だったんだが、共産主義時代に政治的問題をきっかけに失脚してしまい、今は冴えない中年男になってしまっている。アンドレはある日、劇場事務所に届いたFAXを見つける。内容は「サンフランシスコ交響楽団がキャンセルしたので、代わりにパリ公演に出演するオーケストラを2週間以内に見つけてほしい」というもの。
●で、アンドレはクレージーなことを思いつく。自分と同じく、落ちぶれたかつての仲間たちを集め、ニセのオーケストラを結成し、これをボリショイのオケとしてパリに引き連れていこうじゃないか、と。そして、タクシー運転手やらポルノ映画の効果音担当やらの元楽団員たちに声を掛けるのだが……というあらすじ。どうっすか? なんかそそる。これって「逆ライジング・スター・オーケストラ」だし。
●Bunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座他、全国順次ロードショー予定。刮目して待つ。以下はオリジナルの予告編。


January 11, 2010

ワールドカップ2010優勝国を予想する その2

南ア2010●(先日の続き) ワールドカップ2010南ア大会の優勝国はブラジルである。「ワールドカップとはブラジル、イタリア、ドイツ、開催国(または近年開催優勝国)で優勝を争う大会である」および「ワールドカップは、欧州で開催されたときは欧州の国が優勝し、欧州以外で開催されると南米の国が優勝する」というルールから、この解が導かれた。
●でも落ち着いてよく考えてみよう。南アってどこだ? 前述のルールでは、欧州なら欧州の国、欧州以外なら南米の国が優勝するといったように、世界を二つに分けた。でも「アフリカって、もしかして欧州じゃないの?」という疑問も成り立つんである。サッカー界においては地理的にも文化的にもアフリカは欧州に属するんじゃないか。アフリカで才能のある選手は早くから欧州のクラブで育てられるといったケースも多いはず。フランス代表やイングランド代表のアフリカ系選手と、フランスやイングランドでプレイするアフリカの代表選手と、なにか違いがあるんだろうか。しかも南アは欧州と時差がない。そう考えるとサッカー界では欧州にアフリカが含まれていてもぜんぜんおかしくない。
●もし南アが欧州だとすると、優勝国はイタリア、ドイツ、フランスのいずれかということになる。これは逆に考えたほうがいいかもしれない。南ア大会でイタリア、ドイツ、フランスが優勝したら「アフリカ=欧州」が成立し、ブラジルが優勝したら「アフリカ≠欧州」が成立する。初のアフリカ開催というのは、アフリカが世界のどちら側に属するかを決定するための大会なのだ。
●2002年にも同様の問題(?)があったはずだ。初めてアジアでワールドカップが開催された。アジアは欧州側に属するのか、南米側に属するのか。で、横浜での決勝でブラジルが勝利し、(サッカーの神様にとっては)アジアは南米側に入ることになったわけだ。これは納得の結果だった。

January 8, 2010

「悲しみを聴く石」(アティーク・ラヒーミー著)

●と、昨日はイエメン戦を見るためにイエメンテレビのお世話になったわけだが、そういえば「アフガニスタン代表」って、ニッポンと試合した記憶、ないっすよね。さすがにアフガニスタンではサッカー協会が機能していないのか……と思ったら、そうでもなくて、2010年大会はこれまでずっと不参加だったワールドカップ予選に挑んだようである(もちろん敗退した)。紛争、内戦と一切無関係なアフガニスタンの話題を耳にする数少ない機会になりうる、サッカーは。
「悲しみを聴く石」●あ、でもこの本もあったか。アフガニスタン生まれでフランスで活動する作家、アティーク・ラヒーミーの「悲しみを聴く石」(白水社)。著者が始めて(母国語ではなく)フランス語で書いた小説で、ゴンクール賞を受賞している。これが変わった物語なんすよね。舞台はおそらくアフガニスタン。主な登場人物は、戦場から植物状態になってもどった横たわる男、そしてその看病をする妻。懸命に夫の世話をして、来る日も来る日もコーランにお祈りしてるんだけど、夫にはまるで快復する様子がない。で、その意識不明の夫に対して、妻はつぶやきはじめる。
●つぶやく……Twitterみたいに? いやいや、もっと怖いことをこの奥さんはつぶやきはじめるんすよ。「悲しみを聴く石」原題の「サンゲ・サブール」というのは、人に言えないような不幸とか苦しみを打ち明けるための石のこと。石はずっとその不幸を聞いて、あるとき粉々に打ち砕ける。すると人は苦しみから解放される、という神話があるんだそうだ。妻はこの夫を「悲しみを聴く石」としてつぶやき続けるわけで、ということはどうなるか……。抑圧された魂vs物言わぬ石。小説というよりは演劇のような舞台作品風で、中篇程度の長さなので一気に読める。戦慄。

January 7, 2010

イエメンvsニッポン代表@アジア・カップ予選

イエメン●おっと、今日は昨日の続きを書こうと思ってたんだけど、昨日イエメンvsニッポン代表戦があったではないですか! アジア・カップ予選で公式戦なんだけど、シーズンオフの消化試合になってしまったため、ニッポンは若手オンリーのフレッシュすぎるB代表で戦いに臨む。これはこれでワクワクする。しかし、テレビ中継はなかったんである。うーん、ないのか、でもな、どこかで見れるんじゃないの? だれか教えて、ゴニョゴニョ……。
●というわけで、一応、見ました、イエメンのよくわからないテレビ局のよくわからないネット中継でイエメンvsニッポン代表戦を! が、同然のごとく日本人が殺到、キックオフと同時に回線はパンク寸前、動画はカクカクから秒速0.5コマくらいの紙芝居に。異様に煽りまくるアラブ語の音声はしっかり聞こえるんだが、絵柄は9割がた想像力で脳内補完、これ、ぜんぜん見れてないじゃん、そう思いつつもあれこれ工夫しながら、最後まで盛り上がりながら見た、見てないけど、でも見た。そしてすっごくエキサイティングだった。
●GK:権田-DF:菊地直哉、槙野、太田宏介、吉田麻也-MF:柏木、金崎、山村和也(→乾)、山田直輝(→平山)、米本-FW:渡邉千真(→永井謙佑)。先発知ってのけぞる、まさかのカズマのワントップ。
●ヤングニッポンはキックオフ直後からイエメンに押されまくって(以降脳内補完率かなり高いのでそのつもりで)、前半21分コーナーキックからあっさり失点。この後、山田直輝が負傷退場して平山に交代。2トップに。しかし前半39分にイエメン選手が豪快なミドルシュートを決めて0-2。あーあ。やはり寄せ集めの11人ではサッカーにならないのか……と思ったら。
●なんと、平山が3ゴールを決めてハットトリック、大逆転勝利。前半終盤にコーナーからヘディングで1点、後半10分、乾がドリブルで右サイドに切れ込んで低いクロス、これをうまく平山が拾ってターンして左足でゴール、後半34分、ゴール前で左からのクロスを左足ボレーで3点目。3-2。なんとたくましい。
●ニッポンは右サイドからの攻撃が機能していた。乾はテクニシャンぶりを発揮していた、渡邉千真もいつものプレイができていたし、菊地直哉もよく相手陣内に攻め込んでいた(気がする。紙芝居だから)。権田もファインセーブ。これ、選手たちにはすごくいい経験になったんじゃないだろか。ベストメンバーを送らなくて大正解だったのでは。
●渡邉千真は早大経由してるけど、平山とは国見高校時代のチームメイトなんすね。平山が先輩。この2トップは遠からず本物のフル代表でも実現するかも。とにかく平山は文句なしに偉い。

January 6, 2010

ワールドカップ2010優勝国を予想する

adidas  ルシアーダ●いよいよ今年はワールドカップ・イヤー。少し気が早いが、南ア大会の優勝国を予想してみよう。
●ワールドカップの優勝国というのはきわめて限られている。1930年から18回も開催されているにもかかわらず、これまでに優勝したことのある国はたった7ヶ国しかない。ブラジル(5)、イタリア(3)、ドイツ(3)、ウルグアイ(2)、アルゼンチン(2)、イングランド(1)、フランス(1)だ(カッコ内は回数。記憶なので違ってたらスマソ)。しかもイングランドとフランスは自国開催のときにそれぞれ優勝したのみ。さらにいえば、2度優勝しているウルグアイとアルゼンチンにしても、それぞれ自国開催で初優勝し、その数大会後に2度目の優勝を果たしたわけで、開催国パワーが続いていたとも解釈できる。
●これを簡単に要約するとどうなるか。「ワールドカップとはブラジル、イタリア、ドイツ、開催国で優勝を争う大会である」。ウルグアイとアルゼンチンのケースを厳密に適用すれば、「開催国」というのは「開催国または近年の開催優勝国」となる。逆に言えば、開催国にならない限り、初優勝を果たすことはできない。このルールは世界最強レベルのオランダやスペインがいまだに優勝できていないという現象をうまく説明している(スペインは82年に一度開催国になっているが、このときはイタリアが勝った)。
●で、今回の開催国は南アフリカだ。南アが開催国優勝を果たす可能性はほとんどないだろう。だから「ワールドカップとはブラジル、イタリア、ドイツ、開催国で優勝を争う大会である」というルールを適用すれば、優勝国はブラジル、イタリア、ドイツといういつものメンバーに限られてしまう。あ、これに近年開催優勝国であるフランスを加えてもいいか。だとしてもブラジル、イタリア、ドイツ、フランス。
●そして、もうひとつよく知られたルールがある。「ワールドカップは、欧州で開催されたときは欧州の国が優勝し、欧州以外で開催されると南米の国が優勝する」。いや、正確には1958年スウェーデン大会でブラジルが優勝したという例外が初期にひとつあるんだけど、それ以外は忠実にこのルールが守られている。前回から遡ってみようか。ドイツ大会でイタリアが優勝、日韓大会でブラジルが優勝、フランス大会でフランスが優勝、アメリカ大会でブラジルが優勝、イタリア大会で西ドイツが優勝、メキシコ大会でアルゼンチンが優勝、スペイン大会でイタリアが優勝……。これってスゴくない? アメリカ大会なんて最後延長PK戦になってバッジョがはずしてブラジルが優勝したんだけど、あれもこのルールのせいだったのか(笑)。
●となると、答えはひとつ。ブラジル、イタリア、ドイツ、フランスの内、欧州以外の国といったらブラジルしかない。ワールドカップ2010南ア大会はブラジルが優勝することに決定! おめでとう、ブラジル。やっぱり強いわ~、ブラジルは。
●……いや、待て待て。今回のブラジルがそんなに強いか? 微妙な気がする。(→続く

January 5, 2010

お正月モードから平常モードへ

●今年も残すところあと361日。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
●本日あたりから世間がお正月モードから平常モードへと遷移する感ありなわけであるが、そうはいっても冷蔵庫をあければお節料理が残っていたりもすれば、これからお餅を日々プクプクと消費するとか、初夢や書初めが済んでないとか、年賀状まだまだ書き続けていますだったりとか、もっと凧揚げしたいぜとか、いたるところ正月現象が継続しており、わが家もようやく追いついた、元旦のウィーン・フィル・ニューイヤー・コンサートを録画再生。
ウィーン・フィル・ニューイヤー・コンサート●一昨年に続いてジョルジュ・プレートル翁が登場、自由自在、縦横無尽にウィーン・フィルを操縦してくれてお正月のおめでたさ満開。ところどころ、かめはめ波でも出すんですか的なタメがきいてたりするのが楽しい。ゆるゆるで見聞きする。休憩中の説明なしドキュメンタリー映像もとても良かった。
●来年の指揮者はヴェルザー=メスト。ウィーン国立歌劇場音楽監督、しかも同国人ということで必然の人選。

January 4, 2010

作曲家アニバーサリー2010

2010.gif●2010年がやってきた。で、今年アニバーサリーな作曲家および音楽関連の人をピックアップ。ワタシの感覚だと、記念年というのはちょうど100年単位のときにそれらしくなる。150年とか30年というのはあまり「使えた」ためしがないので、100年単位のみで。
●ただし例外はマーラー。今年生誕150年を迎えて来年没後100年を迎えるので、連続記念年となる。これは盛り上がるかも。すでにUniversal Editionがこんなブログを立ち上げている。

[生誕300周年]
ジョヴァンニ・バッティスタ・ペルゴレージ(1710-1736)作曲家
ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ(1710-1784)作曲家
シャルル=シモン・ファヴァール(1710-1792)台本作家、オペラ=コミック支配人

[生誕200周年]
フリデリック・ショパン(1810-1849)作曲家
ロベルト・シューマン(1810-1856)作曲家
オットー・ニコライ(1810-1849)作曲家

[没後100年]
ミリー・バラキレフ(1837-1910)作曲家
カール・ライネッケ(1824-1910)作曲家

[連続記念年 生誕150年→没後100年(2011)]
グスタフ・マーラー(1860-1911)作曲家

[生誕100年]
サミュエル・バーバー(1910-1981)作曲家
ロルフ・リーバーマン(1910-1999)作曲家
ピエール・シェフェール(1910-1995)作曲家(ミュジック・コンクレートの創始者)
ウィリアム・シューマン (1910-1992)作曲家
ルドルフ・ケンペ(1910-1976)指揮者
ジャン・マルティノン(1910-1976)指揮者
ピーター・ピアーズ (1910-1986)歌手
ジュリエッタ・シミオナート(1910- )歌手
アントン・デルモータ(1910-1989)歌手
アンリエット・ピュイグ=ロジェ(1910-1992)教育者、ピアニスト
平井康三郎(1910-2002)作曲家

●上記以外にも該当する音楽家は何人もいるが、あまり需要のなさそうな人は載せず。あと、16世紀は1510年「頃」生誕の人は何人もいるけど(ディエゴ・オルティスとかカベソンとか)はっきりしないものに「ちょうど何年」という言い方をするのはヘンなので除外。生没年は「新編音楽中辞典」に準拠。
●メジャーどころでは圧倒的にショパン。LFJもショパンだし。
●シューマンが割を食う感じだけど、シューマンで盛り上げるのって難しいっすよね。存在としてはメジャーなんだけど、むしろ負のオーラみたいなところにこそ魅力ありで、カラっと陽性に盛り上がるよりは、ジメジメと気難しく味わいたいというか。でもウィリアム・シューマンが生誕100年だからダブル・シューマン祭は可能(笑)。 Schumann/Schuman とか Schuman(n) みたいな感じで。
●バーバー生誕100年はいいかも。
●シミオナートは存命なのか。

January 3, 2010

賀正コトヨロ

●謹賀新年2010。本年もどうぞよろしく~。
●一部で大人気、当サイトのオフィシャル占い師(なにそれ)須栗屋敏先生が、ケータイサイト「音友クラシックコンサート」にて出張おみくじ鑑定中。今年の運勢とラッキー名曲を占ってくれるぞ!
●須栗屋敏先生の肩書きってどう書けばいいのか。似非オカルト占い師、かな。オカルティストとしてエセ。胡散臭いのかそうでないのかぜんぜんわからん。
●金沢から東京へ、在来線と新幹線を乗り継いで4時間の移動の予定が、大雪と強風の影響で約6時間の道のりに。特急電車が吹雪の中をノロノロ運転、途中で何度も停止し、今後の運行について打ち合わせをするといったアナウンスが入る。遅れはどんどんひどくなる。越後湯沢で乗り継ぐはずの新幹線に乗れず、帰省ラッシュの中、通路で立ちっぱなしに。発売日にブラウザをリロードしまくってゲットした指定席はムダになった。JRはお詫びのアナウンスを繰り返す。
●が、JRはなにも悪くないんである。まれにしか起きないレベルの大雪や強風に、人が打ち勝てるはずがない。ノロノロ運転のおかげで、車窓から夕闇に荒れる冬の日本海をたっぷり眺めることになった。車内に殺気立っている客は一人も見当たらない。グズっているのはコドモだけ。大雪なんてそういうもんだと、みんな承知している。
●しかし一頃は正月近辺に大雪になることはめったになかったのに、近年12月の内からよく降るようになって来た気がする。これって地球寒冷化のせいなのかな~。

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