●ナント「ラ・フォル・ジュルネ」より帰還。ぐったり。移動の疲れというよりも、だだっ広い場所を毎日朝から深夜まで歩き回ったという(しかもずっとノートPC抱えて)、日本でのLFJと同種のお祭りの後の疲労感あり。公式レポートは青澤隆明さんといっしょに書いてます。一人では絶対ムリ。
●今回のテーマは「ショパンの宇宙」。5月の東京と同じ。「ショパンが嫌いなわけじゃないけど、毎日ノクターンやらマズルカを聴き続けるのはしんどいなあ」と少し心配してたんだけど、これはまったくの杞憂。自分が選択的にそういうものを聴いたせいもあるけど、ショパン以外にもベルリオーズ、リスト、パガニーニ、ヘンデル、ロッシーニなどバラエティに富んでいた。バロックもオペラ・アリアもシンフォニーもある。ルネ・マルタンは「ショパンが音楽祭のディレクターだったら、どんなプログラムを組むか」という視点で編成したといってて、ショパンと同時代の音楽に加えて、ショパン自身が好んでいたバロックとかベルカントの要素も入ってくる、と。
●出演アーティスト陣のなかで圧倒的に客席でウケていたのが、ソプラノのOlga Peretyatko(オルガ・ペレチャッコ?)。ほとんど出てきただけで大ブラボーみたいな。声も容姿も美しくて、ものすごく華がある。
●最終日の公演で隣のフランス人の老夫婦から話しかけられた。「フランス語、わかるか?」「いや、ぜんぜんわかりません」「昨晩、このホールで弾いてたよね、ピアノ。すばらしかったよー」「あ……いや、それ小曽根真さんだし。僕、ただのジャーナリストっす」「あっはっは、そりゃ失礼~」的な展開。日本人みな同じ顔。
●そういえば、東京の「ラ・フォル・ジュルネ」でも(公式レポート用に)宮本笑里さんの写真を撮ってたら、「あの……、笑里さんのお兄さんですよね!」って知らない人から話しかけられたっけ。この音楽祭ではよく他人と間違えられる。ていうか笑里さんのお兄さんって誰?