●映画館で見てきました、「のだめカンタービレ最終楽章 後編」。前編に引き続き、テレビドラマに可能なことはぜんぶ詰め込んだかのようによくできていた。後編だけでも原作のストーリーはかなりのボリュームがあるはずなんだけど、それを映画一本にまとめてしまう脚色の手際のよさは見事。
●今回、ラン・ランが大活躍するんすよ。もちろん画面には出なくて、のだめの吹き替え(っていわないか。弾き替え?)として。いやそれだけじゃないな。冒頭、当然「ベト7」でオープニングがあるかと期待していると、今回はピアノ版「ベト7」。これをラン・ランが弾く。劇中、ラヴェルとショパンの協奏曲、モーツァルトの2台ピアノのためのソナタ(ラン・ランが一人で2台)、エンディングのガーシュウィン「ラプソディ・イン・ブルー」まで。大サービス。
●映画館に来た人たちの多くが、これ見たらラヴェルのピアノ協奏曲(のだめの妄想イメージCGが秀逸)あるいはショパンのピアノ協奏曲第1番をもっと聴きたくなるのでは。ラヴェルやショパンの大プロモーションをしてくれてるようなもので、大変すばらく、ありがたい。
●これは原作がそうなので必然だけど、終盤コメディ要素が薄まって、千秋とのだめの二人の関係とか、お互い音楽家としてどういう道を歩むかというシリアスな話になってくるじゃないっすか。そういう意味では前編とは少しカラーが違っていたかも。
●当初、この話の結末をワタシはこう予想していた。野田恵は世界的なピアニストへと羽ばたく。そして千秋真一は早々と職業音楽家を諦めて学校の音楽の先生になり、むしろそこに生きがいを見出す。二人はスタート地点とあべこべの地点に着地する(そして結ばれる)ストーリーだと思っていた。でもそうはならなかった。もっと美しいハッピーエンドが用意され、おとぎ話として結ばれていた。若者たちの物語なので、ハッピーエンドって言っても、なにも終わってなくてそれどころか始まってもいないようなことではあるんだけど。
●竹中直人はスゴすぎる。フランス人も日本人も全員流暢に日本語をしゃべっているドラマ設定の中で、あいかわらず「ワターシは、ノダメチャンと、ショパンを弾キマスネー」的なカタカナ外人しゃべりをしている。巨大な作り物の鼻を付けて。なのに、巨匠指揮者に見える(笑)。ありえないものを「ありえる」にしてしまう。超能力だ。
映画「のだめカンタービレ最終楽章 後編」
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