●今回のLFJは前夜祭と本公演の間の一日に、スペシャルナイトっていうのがあるんすよね、東京芸術劇場で。「パイプオルガンで聴くショパンとその時代」。オルガンおよびピアノ演奏は鈴木優人さん。ショパンをオルガンとピアノで両方弾いたりというのもおもしろかったんだけど、ショパン以外の部分のプログラムが多彩で、期待以上のおもしろさ。メンデルスゾーンの6つのオルガン・ソナタop.60より第6番とか、アルカンの足鍵盤のための12の練習曲第1番とか(名前の通り足鍵盤だけで弾く。笑)。そしてリストのバッハの名による前奏曲とフーガはやはり圧倒的。全宇宙をオレの音楽で征服してやるぜ的なリストの巨大さの前に喜んでひれ伏す。
●ゲストとしてショパン研究の小坂裕子さんのトークもあり。小坂さんは今回のLFJでは毎日の講演に加えて、NHKのLFJサテライトスタジオから生中継される番組「きょうは一日ショパン」にも出演する。ちょうど新刊「フレデリック・ショパン全仕事」(アルテスパブリッシング刊)も出版されたばかりでもある。これはショパンの作品解説書として、とても「使える」上に「読める」という好著。全作品が作品番号順に解説されており、作品事典でありながら、順に伝記として読み進めることができるようになっている。作品番号のない珍しい作品についても、最後にまとめられている。一冊だけ手許に持つならこれかと。
May 2, 2010
LFJスペシャルナイト「パイプオルガンで聴くショパンとその時代」
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