●東京のLFJが閉幕した翌日に、LFJ金沢最終日へ。可能な限り演奏会をハシゴした。金沢は昨年よりかなり盛況な印象。演奏会によっては、(一昨年の初回もあったように)舞台上に客席が設けられて、間近で演奏を楽しむことができるようになっていたり、売り切れた人気公演については立見席を販売したりと、柔軟な対応が取られていた。東京でも公演があった小曽根さんとヨペックの演奏会なんかはこちらでも人気がある。全席指定なのに立ち見が多くてどうしてかなと思ったら、そういうわけだったと。
●もちろん地元OEKの公演も人気で、舞台後方にずらっと客席が並んでいて即席のP席状態。正確には客席じゃなくて、「ステージキャスト」の席って呼んでる。いいと思う、金沢では。
●記者発表によれば、のべ10万人超が足を運んだということなので、大成功だろう。それよりも来年のテーマが驚きだった。発表前に耳にしたウワサと違ってたんだが……。LFJKの来年のテーマは「ウィーンのシューベルト」。シューベルトはナントと東京では一昨年に取り上げられている。OEKのサイズを考えると、ナントの「ポスト・ロマンティシズム」をそのまま採用することが難しいのは当然のことだが、そこでシューベルトを持ってくるとは。ルネ・マルタンの話からすると、2年前の東京と重複する企画もいくつかありそうだが、一方でOEKというホストオーケストラを持つ金沢ならではの新企画もきっと生まれるにちがいない。
●金沢はLFJにはちがいないけど、その一方で独自スタイルを完全に定着させているという感じがする。