May 13, 2010

新日本フィル2010/11シーズン記者発表会。ブリュッヘンのベートーヴェン・チクルス他

新日本フィル2010/11シーズン記者発表会
●新日本フィルの記者発表へ(5月12日)。盛りだくさんの内容だったが、その中からポイントを3つ。
●まず、ブリュッヘンのBeethoven Project。これはすみだトリフォニーホールと新日本フィルの共同企画として開催されるもので、ベートーヴェンの交響曲全曲演奏会が開かれる。来年2月8日から19日までの全4回。第1番から第9番まで順に演奏される。ブリュッヘンのアイディアで、リハーサルはまず第9番から始められて、第1番へと遡ってゆくという(そしてまたプログラム順にリハーサルをする)。オケは約一ヶ月間ブリュッヘン漬けになるというぜいたくなプロジェクト。
●次に音楽監督クリスティアン・アルミンク(写真中央)。現在の2010/11シーズンまでの契約を2012/13シーズンまで延長すると発表された。これでアルミンクの就任期間は2003年以来計10年間となる。
●そして2010/11シーズン・プログラムについて。これはすでに発表されているが、なんと定期演奏会にはたった4人の指揮者しか登場しない。音楽監督のクリスティアン・アルミンク、前述のフランス・ブリュッヘン(ベートーヴェン以外にはバッハのロ短調ミサも振る)、Music Partner of NJPのタイトルを持つダニエル・ハーディング、そして初登場となる、特に20世紀以降の音楽に定評のあるインゴ・メッツマッハー。これが日本のオケなのかと思うような豪華な陣容。「毎回違う指揮者が振ると3日練習をして終わり。しかし客演指揮者の数が少なければ、それだけ一人一人の指揮者と時間をかけてじっくりと音楽を作ることができる。人間同士の信頼関係も築ける」(ソロ・コンサートマスター崔文洙:写真右)。ずいぶん思い切った4人指揮者体制で、このシーズン・プログラムには抜群のインパクトがある。
●客演指揮者陣はそれぞれビデオ・メッセージを寄せていた。ハルトマンを指揮するメッツマッハーのコメントがいい。「ハルトマンの交響曲第6番を振るのをとても楽しみにしています。私の大好きな作品です。本当なら全曲やりたいのですが、なかでも第6番は特別です。日本ではあまり知られていないかもしれませんが、彼の交響曲、特に第6番はとても重要な作品なのです」。こう熱っぽくいわれると、今すぐにでもハルトマンの交響曲第6番を聴きたくなる。

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