●激しい当たりをものともせずに、大男たちがグラウンドを広く使ってビシバシと高速パスをつなぎながら、前へ前へと突進する。ボールを持てばどんどん後ろから選手が押し上げてくれるし、ボールを失えば即座に戻って守備。規律があってハードワークを厭わない。何人かは足元の技術もスペシャルな豪華仕様。広く見れば似た物同士の対戦で、レベルの高さをまざまざと見せ付けてくれた。おお、これはいい試合になるのでは、と思った、前半の半ばくらいまでは。
●前半20分、ドイツのゴールキックがディフェンスラインの裏に抜け、そのままクローゼが競り合いながら抜け出してシュート、これが決まって先制。なんという強さというか、味気なさ。ワールドカップでクローゼがゴールを決めるのは、見飽きるほど見たという気がする(通算12ゴールだとか)。
●前半32分、ポドルスキが浅い角度からの豪快なシュートを決めてドイツ2-0。前半37分、イングランドはコーナーキックかアップソンがヘディングで1点返す。で、問題はその直後。ランパードがキーパーの頭上を越すシュートを狙い、これがバーに当たってゴールラインを割る。地面にバウンドした時点で明らかにゴールに入っていたのだが、審判はこれをノーゴールと判定してしまった。認められれば、2-2で試合が熱くなっていたのだが……。
●後半、ドイツは前がかりになったイングランドを容赦なく攻めて、終わってみれば4-1の圧勝。ドイツの中盤のエジルは、容貌といいプレイスタイルといい、羽生にそっくり。あれ、エジルじゃなくて羽生なんじゃないの?とTwitterでつぶやいたら、「オシムもドイツにハニューがいるって言ってた」と教えていただいた。オシムと見解が一致して嬉しいぞ(笑)。
●大差になったとはいえ、イングランドの幻のゴールが試合の流れに大きく影響したのはまちがいない。66年W杯決勝の疑惑のゴールに続く因縁? いやそんな昔の試合、見てないから。ウルグアイ人審判への批判は避けられない。「じゃあテクノロジー使って正しく判定しようよ」派と「主審のミスも含めてサッカー。だって人間だもの」派の議論が再燃すること確実。そう思っていたら、次の試合でも……やれやれ!
June 28, 2010
決勝トーナメント:ドイツvsイングランド。幻のゴール。
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