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September 30, 2010

エンリコ・オノフリ・リサイタル

エンリコ・オノフリ・バロック・ヴァイオリン・リサイタルへ(東京文化会館)。存分に満喫。今回はこれまでのオノフリの来日公演とは違って、彼のリサイタル。これまでだってヴァイオリンを弾く機会はもちろんあったんだけど、指揮者の役割を担っていたから、アンサンブルと組み合わさって何が起きるかわからない、ものすごくステキなことが起きるかもしれないし、思ったよりもすれ違うかもしれないしで、毎回が予測の付かない未知の体験だった。でも今回はそうじゃない。気心の知れた共演者と、得意のレパートリーを弾く。ウッチェリーニ、コレッリ、ヴィヴァルディ……。リラックスしてひたすら楽しんだ。
エンリコ・オノフリ「驚愕のバロック・ヴァイオリン」●びっくりしたのは彼の風貌。このCDのジャケでも十分衝撃的だったのに、本人はさらにこの写真よりも痩せていた! いやー、最初に東京国際フォーラムで目にしたときには丸々とした感じだったのに、いまや修行僧並み。でもスリムになったのは外見だけで、音楽は変わらず豊潤でアグレッシヴ、ときには幽玄で融通無碍。ため息。
●この日のプログラムで異質だったのがバッハ「トッカータとフーガ」ヴァイオリン独奏版。これはCDで聴いたときも思ったけど、トッカータの冒頭がオルガンで知る荘重厳粛で少々威圧的な性格とはまるで違って聞こえて、さりげなくふと湧き出てきましたみたいに響く。ヴァイオリン原曲説がどうかは別としても、よほどこちらのほうがバッハらしく感じる。
●あっという間のように感じたけど、2時間強あったんすよね。楽しい時間が過ぎるのは早い。

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