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October 20, 2010

「Home and Away―イングランドから日本、フットボールの旅路」(ジェレミー・ウォーカー著)

Home and Away●くー、なんということか、この本、去年に出ていたのに知らなかった! 「Home and Away―イングランドから日本、フットボールの旅路」(ジェレミー・ウォーカー著/アートヴィレッジ)。ジェレミーさんの書く文章は最高っすよ。ジャーナリストとしての視点をしっかりと持っていながらも、同時にフットボール愛にあふれてて、気質はまさにわれわれ「ファン」と同じ。文章を読んでいるだけでハッピーな気分になれる。
●全体は「イングランド編」と「日本編」からなっていて、前者ではイングランドのフツーのサッカー少年がどんなふうにしてサポになり、さらに自分が応援していたクラブを取材する記者になったか、後者ではイングランド人から日本がどう見えるか、という話が主に綴られている。両者の世界はぜんぜん違うが、どちらもすばらしいものであることはまちがいない。イングランドのかつてのフーリガン現象について、自分の体験を書いてある部分は味わい深い。子供の頃、親に連れられてサッカー観戦で出かけていたんだけど、ある日、父親のクルマが敵サポにボコボコにされてしまって、それ以来父親がきっぱりとサッカーと縁を切ったっていう話は泣ける(でもすこし笑った、ゴメン)。
●地元クラブの取材記事を書いたら、その監督が激怒して暴行騒ぎになった話も可笑しい。いや、暴行騒ぎといっても深刻な話じゃなくて、理不尽な怒りをぶつけられたということなんだけど、結局クラブの成績は不振でその監督が解任された。で、それからしばらくしてジェレミーさんのところに元監督から電話がかかってきたっていうんすよ。一体なにごとだと思って電話に出ると、元監督はやたら愛想がいい。そして、「いま生命保険の紹介をしてるんだけど一件どうかな?」みたいな営業トークになった、と(笑)。ビッグクラブの監督ばかりがサッカーの監督じゃないんすよね。
●有名になる前のガスコインとの交友についても書かれている。後のガスコインの行末を思うと切ない。

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