November 2, 2010

アーノンクールの青少年向け公開リハーサル

アーノンクール公開リハーサルのチラシ●オペラシティでアーノンクールの青少年向け公開リハーサル開催(Sony Music Foundation主催)。その様子を見せていただいたのだが、これはすばらしいっすね。大勢の子供たちが来場していた。曲目はモーツァルトのセレナード第9番「ポストホルン」(+行進曲K335-1)と、おそらくアンコール用の一曲(これは曲名は内緒にしておこう、本番前だし)。ただゲネプロを見せてくれるのかなーくらいに思っていたらそうではなく、なんとアーノンクールが客席に向かって曲の解説までしてくれたんである。「ポストホルン」というのは郵便馬車が使ってた楽器で、こんな音がするんですよーとか、これはモーツァルトが友人たちとの別れの曲として書いたんですよーとか。メヌエットのこのメロディは男性、このメロディは女性、コンチェルタンテは4人の登場人物がソロで会話をします、アンダンティーノは悲しい別れの音楽……。とても描写性の豊かな音楽としてとらえられている。
●そしてレクチャーを待つまでもなく、音楽そのものが圧倒的に雄弁。突然のテンポのゆらぎやどぎつい強弱の対比が、初めて聴くかのような鮮烈な音楽としてモーツァルトを甦らせる。「ポストホルン」ってこんなに大きな音楽だったんだ……。子供たちは楽しんだだろうか。たぶん楽しんだだろう。そして親御さんたちはもっと楽しんだにちがいない。

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