●11月22日に読売日響記者会見へ。2011/12シーズンプログラムが発表された(東京芸術劇場・コンチェルト カフェ)。常任指揮者シルヴァン・カンブルラン(写真左)と正指揮者下野竜也両氏が同席。新シーズンプログラムはこちらからダウンロードできる(PDF)。
●カンブルランは多彩な演目を指揮するが、目立つのは「ロメオとジュリエット」シリーズ。プロコフィエフのバレエ(抜粋)、チャイコフスキーの幻想序曲、ベルリオーズの劇的交響曲それぞれの「ロメオとジュリエット」を別々のプログラムで取り上げる。ベルリオーズについては「この作曲家のもっとも優れた作品」と語る。読響を指揮することについては「フランスやドイツ、イギリスのオーケストラを指揮するのと何の変わりもない。目の前にある楽譜は同じだし、世界中どこでも技術は同じ、オーケストラを指揮する方法論もどの国でも同じ。ただ東京の聴衆については、非常にポジティブな印象がある。落ち着いていて、集中している。音楽を聴きに来ているんだなという感じがする。ちなみに世界で一番聴衆が音楽に集中していないのはパリ(笑)」と語っていた。
●下野氏のプログラムでは10月のジョン・アダムズ「ドクター・アトミック・シンフォニー」(日本初演)と團伊玖磨の交響曲第6番「広島」という組み合わせが目をひく。両作品について「前もって言葉を並べるよりも、まず作品を聴いてほしい。一つの出来事を米国と日本の視点からどう見たか。考える機会を作りたい」と述べていた。あと、7月の「下野プロデュース・ヒンデミット・プログラムVI」ではヒンデミットの管弦楽のための協奏曲(日本初演)と「下手くそな宮廷楽団が朝7時に湯治場で初見をした『さまよえるオランダ人』序曲」が演奏される(+ブルックナーの第4番)。「湯治場オランダ人」はある意味有名な怪作ギャグ曲なんだけど、これって弦楽四重奏用なんすよね。それをあえて弦楽合奏版にしてオーケストラの演奏会で取り上げるという快挙(?)。本来の趣旨からいえば確かにオケでやるべきなんだろう(笑)。
●あとはスクロヴァチェフスキ(ブルックナー3番他)、上岡敏之(マーラー4番他)、ヴァンスカ(アホの日本初演曲多数。あ、アホは作曲家の名前っすよ、念のため)、初登場マーツァル他。定期演奏会以外では特別演奏会で山田和樹初登場(「未完成」と「運命」と「新世界より」というスゴいプロ)。
●これまでに芸術劇場で開かれていたシリーズは改修工事に伴い、オペラシティに移動するそうです。
November 24, 2010
読売日響記者会見、2011/12シーズンプログラム発表
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