●昨晩のワールドカップ開催地決定のニュースに衝撃を受けて今かなり動揺してるんすが(ロシア2018、カタール2022!)、そちらは一日かけて消化するとして、昼の記者会見から。今年のショパン・コンクールの優勝者ユリアンナ・アヴデーエワも登場する「第16回ショパン国際ピアノ・コンクール/ショパン生誕200年」記者会見(帝国ホテル)。写真は左からN響常務理事古谷邦雄氏、ユリアンナ・アヴデーエワ、ヴァルデマル・ドンブロフスキ氏(コンクール主催者代表、ショパン・インスティトゥート所長)、スタニスワフ・レシュチィンスキ氏(同副代表、同副所長)。他にポーランド大使館からも登壇。
●ポーランド大使館からは、まずロドヴィッチ大使の新作能「ショパン」についての案内。これ、今年のラ・フォル・ジュルネ金沢で上演しましたよね? 東京でも上演されるんだとか。
●で、コンクール主催者代表からは「今回のショパン・コンクールはこれまでになく水準が高かった」「審査員には教育者よりも実際に演奏活動で活躍する人を優先した。これは目覚しい成果を上げた」ことなどが述べられ、開始時間から50分以上経って、ようやくユリアンナ嬢にマイクが。アヴデーエワ「今回の受賞を名誉なことだと思っています。NHK交響楽団と共演することをとても楽しみにしています」と簡単な挨拶。むむ、これでタイムアップなのか、うーん……と思っていたら! ここで超サプライズ・ゲストが2名あらわれた。これはびっくり。
●なんと、今回のコンクールの審査員でもあり過去の優勝者でもあるマルタ・アルゲリッチ(中央)とダン・タイ・ソン(右)が登場。急にこちら側の出席者たちが浮き足立って、みんな目が覚めたかのように突如カメラを掲げて右往左往。一瞬軽くカオス、一瞬だけ。
●アルゲリッチ「今回のショパン・コンクールのレベルの高さには本当に驚いた。審査をしに来たというよりは、発見をしに来たのだと感じる。多くの若者たちがショパンに献身的に取り組んでいることに感銘を受けた」
●ダン・タイ・ソン「ファイナルに残った10名にアジア人がいなかったのは、アジア人として残念。近年ずっとアジア人入賞者がいたのに。10名全員欧州人で、特にロシア勢の躍進が目立った。アジアが低調だったというよりは、欧州が巻き返したのだと思う。今回のコンクールのレベルは高かった」
●(優勝はプレッシャーになる、アルゲリッチさんらにアドバイスを求めるなら?という質問を受けて)アヴデーエワ「優勝は栄誉であるがたしかにプレッシャーもある。音楽家として人間として成長しなければいけない。どうやってバランスよくそれを実現するかを尋ねたい」。
●アルゲリッチ「申しわけないけど、私は優勝したときもぜんぜんプレッシャーに感じませんでしたよ(笑)。私にとって、コンクール優勝は自然なことだった。でもコンサートにプレッシャーを感じることはある。あなたがこれからやらなければいけないのは、人生そのもの。プレッシャーと戦うのが人生そのものになる。そこでどうやってバランスを取るか、生き方が問われる」
●アルゲリッチはアヴデーエワの演奏に対しては「最初から終わりまで、バランスが完璧に取れていた」と評していた。
●アヴデーエワはN響との共演以外に、12月8日オペラシティでリサイタルを開く。
December 3, 2010
ショパン・コンクール2010&アヴデーエワ(+サプライズゲスト)記者会見
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