●アジア・カップ、さっそくのサプライズ。ニッポン、ヨルダンと同組のサウジアラビアとシリア。このグループは「順当にニッポンとサウジアラビアが勝ち抜け」と考えていた人が大半だと思うんだが、シリアがサウジアラビアを下してしまった。サウジアラビア 1-2 シリア。得点シーンおよび主に後半を録画を見たのだが、シリアは堂々たる戦いっぷり。サウジがスロースターターであり、特に攻撃面で運動量が不足していた面もあったかもしれないんだが、それにしても実績ではるかに劣るシリアが自信を持って戦っているではないか。アジアでも急速に各国の実力差が縮まっているのを感じる。
●ともに中東スタイルでモダン・フットボールには遠いんだが、遠目からのシュート力はあるチーム。ニッポンとヨルダンの試合のリプレイのように、シリアの思い切りのよいシュートがサウジのディフェンスに当たってゴールに吸い込まれたところから試合が動き、3ゴールどれも偶発的な要素があったと思う。チームの完成度はシリアが上か。終盤にサウジが必死のパワープレイを繰り出すが、ガラじゃないというか。
●これまで中東サッカーには場内の「サポーターの不在」を感じることが多かった。ニッポンがアウェイで戦うとスタンドは全員白づくめで敵ばかりといった雰囲気になることはあっても、彼らは少し独特で、「フットボール・ファン」というのとはまた別の存在だった。ところが今回のシリアのサポは、普通のフットボール・ファンっぽい反応をしていて、まったく違和感がない。既知の「ファンの情熱」がある。試合の流れに反応するだけでなく、流れそのものさえ作っていたかもしれない。中東の文化や地理に疎いので、今回開催国のカタール(および試合開催地)とシリアやサウジとの関係性がぜんぜんわからないんだが、少なくともこの日はシリアのホームゲームになっていた。ある意味これが最大のサプライズ。
January 11, 2011
サウジアラビアvsシリア@アジア・カップ2011カタール
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