January 26, 2011

ニッポンvs韓国@アジア・カップ2011カタール

ニッポン!●準決勝は日韓対決。4年前の3位決定戦に続いて、ふたたび東アジアのライバルと戦うことになったが、結果はまたしても引き分けだった。ただ前回はPK戦で3位になれなかったことで予選免除の権利を失ったのに対し、今回はPK戦で決勝に勝ち進めたという結果が正反対。実力の部分では拮抗している。
●ニッポンは吉田の出場停止を岩政で埋めた。キーパーは川島が復帰。GK:川島-DF:内田、岩政、今野、長友-MF:長谷部(→延:本田拓也)、遠藤、香川(→細貝)、本田圭佑、岡崎-FW:前田(→延:伊野波)。
●試合間隔が一日少なく準々決勝で延長まで戦った韓国は明らかに体が重い。序盤からうまく集中して試合に入れていない様子で、ニッポンがスペクタクルな攻撃を見せてくれた。カタールのメツ監督が会見で「日本はアジアのバルセロナ」っていうわけのわからん褒め殺し攻撃をしていたが、本当にバルセロナっぽく見える瞬間があるんすよね(笑)。特に攻撃で速い縦パスがピシッと収まって、ここから前の選手が反転したり、あるいは後ろにリターンしてまた前で受けたりとか、ボールの動かし方が本当に巧い。香川、本田、長谷部、遠藤、みんな巧い。前田もコンディションがよさそう。これだけコンディション差があって韓国に勝てなかったらいつ勝つの?
●と思っていたら、やはりこの試合も主審が活躍してくれた(トホホ……)。サウジアラビア人主審がこの試合に臨んだ方針は「日韓戦は荒れがちだから、激しくならないようにとにかくすぐに笛を吹く」。えっ、そんなんでファウル取るの? 取ってくれるの? ウソ、マジで? 前半22分、ゴール前で今野がパク・チソンに肩から当たったらPKを宣告されてしまった。いやー、これでPKなら欧州リーグは毎試合お互いPKで5点ずつくらい入るよ。キ・ソンヨンが決めて0-1。韓国先制。
●しかし前半36分、ニッポンが今大会で(見た限り)もっともすばらしいゴールを決めてくれた。左サイドで本田がボールをキープする間に長友が猛然とサイドを駆け上がり、本田がその長友にスルーパス。受けた長友はスピードに乗ったままサイドをえぐって、中央の前田にマイナス方向のパス、前田はディフェンスと競りながらもダイレクトで押し込んで同点。シンプルだけど美しい。
●韓国もニッポンと同じで若くて末恐ろしい選手が何人かいる。印象に残ったのは10番のチ・ドンウォン。前田みたい。長身だけどテクニックがあって、独特の間合いでドリブル突破してくるイヤな相手。あと13番のク・ジャチョル。MFだが肉体的にも精神的にも強靭さを感じさせる。相手ゴールへと向かう迫力は相当なもの。パク・チソンの代表引退後も何の問題もなく世代交代を進められそう。
●後半は前半から飛ばしたニッポンのパフォーマンスもどんどん落ちて、試合は消耗戦へ。中盤の運動量を回復させるために香川を下げて細貝投入。たぶん遠藤がアンカーに入る形に。延長に入るとすぐに主審がニッポンにPKを「返して」くれた。韓国エリア内で岡崎がなんの問題もない相手ブロックに阻まれただけで笛が鳴ってしまう。これでお互い様? 主審はずっと笛を吹き続けてプレイを止めまくっていた。PKキッカーはなぜか本田で、またしても真ん中のコースに蹴ってしまう。キーパーが弾いたが、詰めた細貝がよく決めてくれた。2-1、逆転。PKは遠藤のコロコロでいいじゃないの。
●問題があるとすればその後か。前田を下げて伊野波投入。つまりセンター3枚の3バックにするということだが、両サイド長友と内田(今日はなぜかずっと冴えなかった)も下がり5バックに。こうなると韓国は中盤でボールを拾い放題、ニッポンは防戦一方。長谷部が(たぶん)両足とも攣ってしまい本田拓也を投入したものの、延長後半15分というあと一歩のところで耐え切れず、ゴール前の混戦からDFのファン・ジェウォンに蹴り込まれて2-2。両者譲らず、引分けの結果は妥当なところか。
●PK戦は川島が神になったともいえるし、韓国がプレッシャーに負けたともいる。向こうは3人続けて決められなかった。しかし、PK戦というのはあまりに非サッカー的で、これで勝ち抜けを決めるのは不条理すぎる。できれば廃止してほしいが、うまい対案を思いつかない。延長の延長として、控え選手で7対7みたいに人数減らしてやるとか? ダメか。

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