April 18, 2011

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2011、プログラムを白紙にして内容を全面変更へ

●15日(金)に発表されたように、今年のLFJ東京はいったんプログラムを白紙にすることになった(→全有料公演チケットの払い戻しについて)。予定していたアーティストの来日キャンセルが相次いだこと(福島第1原発事故の国際原子力事故評価尺度がレベル7に引き上げられた12日以降、キャンセルが急増したと報道されている)、いくつかのホールに電気系統の不具合が見つかったことが原因だという。そして、企画をすべて練りなおして、今週には新しい内容が発表されるようだ。
●大型連休の音楽祭の内容が、4月の半ばにもなってひっくり返ったのだから、これはもう大変なことだ。大地震の後、「ラ・フォル・ジュルネは無事開催されるのか」と多くの人が(もちろんワタシも)気をもんでいたと思う。開催に向けてすべての準備が進んでいたし、チケットが一般発売され、公式ガイドブックの編集も終わり、これは大丈夫だろうと確信していたところで、レベル7。最初にプログラムが白紙になると知ったときは愕然とした。震災が音楽界に与える影響の深刻さみたいな大きな観点から衝撃を受けたというよりは、個人的な喪失感が半端じゃなかった。この数ヶ月、ずっと「タイタンたち」と向き合ってきたのに……。
●しかし、音楽祭は中止になるわけではないんである。普通、このタイミングでアーティストの大量キャンセルが出たら中止にするしかなさそうなもの。それを、とにかく新しい企画をできる範囲で組み上げてすぐに(時間がないから「すぐに」しかないわけだが)発表するというんだから並大抵のことじゃないだろう。もちろん新しいプログラムの規模や内容がどれほどのものになるのかはわからないのだが、それでも「何もやらない」のと「やれることをやる」では天と地ほど違う。この音楽祭に限らず次々とアーティストの来日中止が続き、「いま自分たちは深刻な災害下の国に住んでいる」と再認識しないわけにはいかないが(東京の放射線量の測定値はナントより低いくらいなんだが、そういう問題ではない)、LFJは大打撃を被りながらも、とにかくやるんだという構えを見せてくれている。きっと新しいプログラムについても、なにかすぐれたアイディアを披露してくれるんじゃないかと期待している。

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