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2011年6月アーカイブ

June 30, 2011

猛暑日に飲みたいドリンク

●東京は猛然と急激に暑くなった。34度、灼熱の6月。東電の電力使用率は午前中に90%を超えた、といっても大地震直後の計画停電シーズンにはもっと差し迫った数字を見ていたから、それは気にならない。節電にも協力する。しかし暑さそのものにはどう対抗したらいいのか。まずはとにかく水分補給だ。適切に水分と、そして糖分も摂らねばならない。
まろやかバナナクリームソーダ●そこでまず、「まろやかバナナクリームソーダ」だ。UCCのサイトにも「その他飲料」としてしか扱われず、商品URL一つ作ってもらえないという存在感の薄さだが、これは鋭い。クリームソーダといえば、普通はメロンソーダ。でもクリームソーダをペットボトルで提供しても、十分にはクリーミーにならず、しかももともとメロン感もない。そこでメロンをバナナに置換する。ドロッとしたバナナ・テイストの擬似クリーミー感によってクリームソーダ幻想を喚起させるというあざとさ。狡知に長けている。ドロッとしてスカッというアンビバレントな喉ごしの愉悦。おいしい。だが最大の弱点がある。「カロリーゼロ」なのだ。糖分補給にならない。カロリーなくして満足なし。あと一歩でこの夏を制覇することができたのに。惜しい。
メロンバナナミルク●だが待てよ。メロンをバナナで置換する戦略があるならば、メロンとバナナの合一も可能ではないか。その可能性に気づいたのがタカナシ乳業だ。「メロンバナナミルク」(乳飲料)。ヲタク男子ならバナナミルク、大好きだよね。そのバナナにメロンが加わって、メロンバナナミルクという鬼に金棒感。紙パックも好ましい。黄色く熟れた甘そうなバナナ、そしてゴージャスなマスクメロンのイラストを、果汁2%でありながら堂々と描いたパッケージ・デザインの大胆不敵さも好印象を与える。その果汁2%のうち、バナナとメロンは1%ずつなのか、それとも1.9%と0.1%なのか。そんなことを思い悩むのも愉快である。唯一の難点は、メーカーサイトに商品の固定URLがないどころか、商品そのものも掲載されていないという、ネットプレゼンスのなさ。見切らないでほしい。
トニカ●最後にもう一点。大塚食品の tonika (トニカ)。音楽的なネーミングだが、狙うのは「味も刺激も新ジャンル」という「ビター炭酸」。この分野には待望の新商品だ。「ビターで、炭酸? だったらビール飲めよ」と思われるかもしれないが、飲めない/飲まない人間には、大人向けの苦味を味わえる炭酸飲料というのは貴重な存在だ。飲んでみると、たしかにほのかに苦く、しかもピーチ味だ。なんと、ピーチ味・果汁3%という贅沢仕様。しかし、なぜ「ピーチ味・果汁3%」なのだろうか。これはもしかすると「ピーチ味だけど、ピーチの果汁が3%とは言ってませんよ」という意味だろうか? ピーチ味だけど、果汁はピーチとバナナとミカンが1%ずつとか。あるいはピーチレスで全部バナナでした的などんでん返しがあるとか? エキサイティングである。ただ、甘みもあるのに、これがまたカロリーオフなんである。なぜ果糖ぶどう糖液糖が入っていないのか。それと290mlという内容量の微妙な少なさが爽快感を減じていることは否めない。カロリーあり350mlバージョンの登場が待たれる。時代はカロリーオフからカロリー・リッチへ!

June 29, 2011

N響 Music Tomorrow 2011

N響 Music Tomorrow 2011へ(オペラシティ)。今年の尾高賞受賞作、西村朗作曲オーケストラのための「蘇莫者」(2009)をメインに、尾高尚忠のフルート小協奏曲(神田寛明独奏)、デュティユーのコレスポンダンス(日本初演、バーバラ・ハンニガン独唱)という演目。昨年は該当作がなかったが、今回は西村朗氏が受賞。前に記者会見の様子を伝えたときも書いたけど、なんと、5回目の受賞っすよ! もう永世尾高賞とか名乗れそうな勢い。しかしせっかく賞があるのに、若手ではなく、すでに実績十分の大家のところに行ってしまうのはどうなんすかねーと思っていたが、この日の演奏会に足を運んでその思いを撤回。「蘇莫者」(そまくしゃって読みます)、圧倒的にすばらしい。初演時より弦楽器の厚みを増したということも加わってか、オーケストラから豊麗な響きが紡ぎ出され、1時間級の大作でありながら変化に富んだ響きのおもしろさは尽きることなく、幽玄で幻想的、溶々たる音の流れが創出されていた。舞楽の舞を必要とするという再演の難しさを勘案したとしても、これが受賞しなくてどうする、と実感。オーケストラ作品のための賞であることを考えても、管弦楽の扱いに熟達した作品が受賞することになるはずで、思うがままの響きを引き出せる人となると受賞者は重なるものなのかもしれない。ステージ中央には正方形の舞台が用意され、そこで天王寺楽所雅亮会による舞楽の舞が踊られる(なのでオーケストラの配置は変則的)。この舞が有する物語性をワタシはまったくわからないままに楽しんだ。予備知識なしでも全6楽章からなんらかの起承転結を受け取れるほどにはフレンドリーなので。
●指揮はパブロ・ヘラス=カサド。1977年スペイン生まれ。10月にはベルリン・フィル定期に立つという俊英。N響の演奏もすばらしかった。「蘇莫者」で冴えたフルートを吹いていた女性はどなたなんでしょか。
蘇莫者「蘇莫者」CDはカメラータトウキョウからリリース済み。ジャケがカッコいい。こちらは初演時のコンビ、沼尻竜典指揮大阪センチュリー交響楽団による演奏。同楽団の委嘱作品。

June 28, 2011

ドリコムRSS Lite サービス終了へ。後継はlivedoor BlogRoll?

インフォ●お知らせ。右下にあるブログリスト(MyBlogList)なんだが、現在利用中のドリコムRSS Lite が9月でサービス終了となる。で、ドリコムRSS Lite は後継サービスとして livedoor BlogRoll を勧めている。
●ドリコムRSS Lite以前は MyBlogList っていう別のサービスだったじゃないすか。このサービスってMyBlogList の頃は何の問題もなかったのに、サービス主体が変わるたびに安定性とか機能とかが失われていくような気がするんだけど、それってつまりビジネスとして妙味がないってことなんすかね。有力競合サービスもあまり出てこないっぽいし。
●ともあれ、なくなるものはしょうがない。ウチのブログリストは livedoor BlogRoll に移行する。それもきわめて速やかに、もう明日とか明後日にでも移行したい。 livedoor BlogRoll に移行すると、若干仕様がこれまでとは変わってしまう(たとえばリンクの飛び先が各ブログのトップページではなく、最新記事の固定URLになる)。体裁など、こちら側のCSSなどで対応可能な範囲に関してはなるべくこれまでと同じ形にしたいのだが、先方が固定で決めている仕様はどうにもならない。今 livedoor BlogRoll をテストしている限りでは、各ブログの更新情報を拾うという基本機能に関しては、問題はなさそう。でも、もし他により優れた同種のサービスがあるなら参考までに教えてほしい。
●あと、ブログをお持ちの方で更新時のping送信先を自由に設定できる方は、今後以下にも飛ばすことを「強く」オススメ。

http://rpc.reader.livedoor.com/ping

※6/29追記: というわけで、livedoor BlogRoll に乗り換えました。

June 27, 2011

ベルリン・フィル八重奏団&仲道郁代

●渋谷区のさくらホール(文化総合センター大和田)でベルリン・フィル八重奏団&仲道郁代。今回ベルリン・フィル八重奏団は3名が来日をキャンセルし、メンバーが変更されている。ラデク・バボラークが来なかったのは残念だが、代わりにベルリン・フィルのシュテファン・イェジェルスキが来てくれた。ファゴットはベンツェ・ボガーニからヤッコ・ルオーマに。第1ヴァイオリンがローレンツ・ナストゥリカ=ヘルショコヴィチからラティツァ・ホンダ=ローゼンベルクに。柱となるクラリネットのヴェンツェル・フックスは無事来日。彼が来なかったらさすがに困ったことになったと思うが、結果的には非常にハイクォリティのアンサンブルを聴くことができた。さくらホールの演目だと、仲道郁代とのシューベルト「鱒」も聴けるプチ音楽祭みたいな贅沢仕様。
●メインはこの団体の結成由来(1928年だって)ともなったシューベルトの八重奏曲。約一時間、全6楽章からなる長大な曲だ。シューベルトならではの「天国的な長さ」が、本当に天国のように至福に感じられるのは、演奏のすばらしさあってこそ。さくらホール(約700席)はこのアンサンブルに適したサイズで、空間に充満する自然な響きと、目の前でヴェンツェル・フックスが吹いているという臨場感を味わえる。全席完売の盛況。
●シューベルトの八重奏曲って、あと一歩で交響曲なのに感、大。もともと「ベートーヴェンの七重奏曲みたいな曲」という注文があって、クラリネット、ファゴット、ホルン、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスという七重奏編成にさらにヴァイオリン1を足しての八重奏曲。これなら弦楽五部がそろうわけだ。フルートとオーボエがいないが、その分、第一ヴァイオリンとクラリネットにがんばってもらえばOK。第一楽章冒頭から立派な序奏が付いていて、今にも交響曲になろうとしているかのよう。ホルンの役割もオケっぽいし。
●ただ、楽章が6つもあって、交響曲にするには多すぎる。序奏つきの第1楽章があって、続く第2楽章はアダージョの緩徐楽章、第3楽章はスケルツォというところまではいいが、第4楽章は変奏曲、第5楽章はメヌエットがあって、第6楽章に堂々たるフィナーレと来る。見ようによっては第4楽章変奏曲が第2楽章のプランB、第5楽章メヌエットが第3楽章のプランB(ハイドン時代の交響曲のように)とも思えなくもない。交響曲の楽章と考えると1-2-3-2'-3'-4。とはいえ変奏曲とメヌエットは他の楽章に比べて柄が小さいというか、室内楽っぽすぎる(第5楽章から第6楽章へと進むときに音楽の柄にギャップを感じる)。その意味では変奏曲とメヌエットは室内楽用に割り切って作った楽章と考えて、これをすっ飛ばして1-2-5-6楽章の4楽章構成交響曲という完成図を夢想してみても楽しいかも。

June 25, 2011

とりぱん 11 (とりのなん子)

とりぱん11●気になっていた、「とりぱん」11巻(とりのなん子)発売。なにしろ震災があったので。北東北の日常における鳥や動物たちとのふれあいを題材にした「身の丈ワイルドライフ」がどうなったのか。その日常が壊れてしまったら、このコミックはどうなるのか。
●で、この11巻、大地震の週とその翌週の回は巻の最後に置かれている。その2回だけが、特別な回になっていて、あの日のことをまざまざと思い出させる。身辺雑記的なコミック・エッセイはどうしたってこの種の難しさからは逃れられない。現実の社会や作者個人の周囲で起きた、無視しようのない困難な現実をマンガに描くべきかどうか。「とりぱん」は2回限定で震災が題材となり、それ以外の回はいつもの楽しい「とりぱん」になっている。そうか、地震直後に停電が起きて情報が遮断されると、事態の大きさがまったくわからないまま夜を迎えることになるのか……。
●前巻から引き続き、金魚ネタが笑える。絵柄がかわいいんすよね、巨大金魚の。あと、池の冬鳥に関しては、東京区部でもほぼ同種の観察が可能。オオバン、カイツブリ、キンクロハジロ、オナガガモあたり。カイツブリは一瞬子ガモかなと思うんすよねー。

June 24, 2011

クウェートU22vsニッポンU22@ロンドン五輪アジア2次予選

クウェート●よくわからないうちに始まってる五輪予選、2次予選はホーム&アウェイの勝ち抜き戦でクウェートと対戦している。前の試合、このページではレポートしてないんだけど(途中からしか見れなかった)、ニッポンは3-1で勝利している。だから、アウェイゴール優先ルールを考えると、今回の敵地では一点差負けまではOK、しかし0-2だとクウェートの勝ち抜けになってしまう。
●この世代って「ツメが甘い」感は否めないっすよね。前の日本での試合だって、途中3-0になってたわけだ。この時点で「これはもう決まり」という雰囲気になってほしいところ。ところが、クウェートが1点を返してしまった。このアウェイ・ゴールの重み。3点差だったものが急に1.5点差になったような感じだ。だって、次は0-2だとクウェートが勝つんだから。いちばん大きなミスはこの余計な1失点だが、さらに4点目のチャンスをいくつもムダにしたのも痛かった。
●で、敵地での第2戦。夜の試合なのに気温39度。絶句。しかもピッチ・コンディションが酷い。ボールをどんどん回して疲れないサッカーをしたいところなのに、まるでボールが滑ってくれず、自陣深くでのグラウンダーのショートパスが危険な状態に。そのあたりは十分意識されてて、浮き球を多く使うことになった。これで主審がデタラメなら「いつものアジアのハンディマッチ」になるところだったが、この日のウズベキスタン主審は技術も高くてフェアーだったのが大きな救い。開始早々にクウェートの10番ジャゼアが仕掛けてきた「ペナルティ・エリア内転び技」を見事に見抜いてシミュレーションの判定。これが相手PKになるのがアジアのスタンダードなのだが、助かった。
●クウェートは17番のナセルが怖い。中東はどこにでもこういうスピード、強さ、技術に優れた攻撃の選手が最低一人はいる。
●前半21分、後方からの浮き球のパスに酒井宏樹が抜け出て、キーパーの鼻先でちょこんと浮かして、見事なループが決まった。1-0。もしクウェートが先制していれば、彼らは2-0でよかったのだが、ニッポンが先制した、つまりアウェイ・ゴールを奪取したことで、これで急にニッポンは楽になった。すでに1ゴール取ったのだから、仮に3失点して1-3になってもようやく同点、クウェートはリードのためにあと4点が必要。今度こそ「これはもう決まり」と思う。事実、前半はクウェートのシュートが1本のみ、それも可能性のない1本で実質ゼロだった。
●ところが後半になってゲームの雰囲気が一変する。後半5分、ゴール前のクロスから、ボールを落とされ、7番のアリがきれいなボレーを決めて同点。ニッポンの運動量、体のキレがなくなり、クウェートの選手を捕まえきれない。しばらくは耐えていたが、後半14分に鈴木がナセルをエリア内で倒してPK。ギリギリの攻防で、というのではなく、体が付いていけないから倒してしまったというPK。これを決められて1-2。合計スコアは4-3。次にクウェートが1点取れば、この悪条件で延長を戦うことになる。
●ニッポンは永井が先発に復帰していたが、Jリーグでの爆発的なスピードも気温39度では威力半減といったところ。後半は相手にすっかり主導権を奪われてしまった。ロスタイムもピンチの連続だったが、それでも耐え切れたのは、クウェートの選手の足が攣りだしたから。灼熱の中東での試合では何度も見た光景で、途中までニッポンが気候に苦しんでいても、最後は相手のほうが先に足が攣るんである。中東の国からすると、たぶん普段はこんなサッカーはやってないはずで、暑さを無視するかのごとく前線からプレスをかけてくるニッポンみたいなチームには「ふざけんな」と言いたいのでは。合計4-3でニッポンがかろうじて逃げ切り、最終予選への進出を果たした。
●しかしこのゲームでも圧倒的に有利になる先取点を獲得しておきながらこれだからなあ。順境に脆いチームだが、もしかするとその分、逆境に強かったりするんだろうか。3グループで1位勝ち抜けの最終予選では、おそらくオーストラリアと韓国、日本がそれぞれシードされるとすると(本来日本に代わってシード対象となるはずの中国は今日の2次予選で敗退した)、イラクあるいはサウジアラビアと同組になるグループが厳しい。第一シード以外の国はウズベキスタンとマレーシアを除くと、あとはすべて中東。したがって日本にとってイヤなパターンは日本1+中東3の組み分けになることで、その場合、日本だけがアウェイで大きな負担を強いられることになる。マレーシアと同組になれるかどうかが鍵か……。今回の2次予選だって、日本としては先にアウェイ、後にホームのほうが確実に有利だったはずだが、逆の日程になってしまったわけで、中東相手にはなかなか思うようには行かない。

June 23, 2011

「ラヴェル その素顔と音楽論」(マニュエル・ロザンタール著/マルセル・マルナ編)

ラヴェル その素顔と音楽論●もう品切になっている古い本だが、必要があって手に取った、「ラヴェル その素顔と音楽論」(マニュエル・ロザンタール著/マルセル・マルナ編/春秋社)。これは実に良く書けている。音楽家の評伝を魅力あるものにするのは真正さではなく文才であると常々感じているんだけど、その点でこれは秀逸。ロザンタールの著書ということになるが、たぶん彼に取材してマルセル・マルナという評論家が執筆をしている。その手腕が鮮やか。ロザンタールからおもしろい話を次々と引き出す。
●ラヴェルはベートーヴェンでもバッハでもなく、モーツァルトを愛した。これはわかる。それに加えてウェーバーとシューマンを尊敬していた。さらにショパンの「舟歌」をあらゆる音楽でもっともすばらしい作品の一つだと考えていたという。ロザンタールの見立てでは、ラヴェルは自分に恵まれなかった才能をこれらの作曲家に見出していたのだと。つまり、「メロディを作る才能」を。うーん、おもしろい。
●ラヴェルの弟子、友人として超近距離で見てきた著者ならではの話がいくつもある。特に同時代の作曲家たちへの評価。シェーンベルク、ストラヴィンスキー、R・シュトラウス……。シュトラウスのことは全面的に評価していたわけではないようだが、ピアノの譜面台のうえに、いつも交響詩「ドン・ファン」の楽譜を置いていたという。マーラー、シベリウスについては沈黙を守ったというのも興味深い。
●ラヴェルがリムスキー=コルサコフの管弦楽法について知悉していたというのは意外でもなんでもないが、難儀していた「ダフニスとクロエ」のフィナーレについて、どうやって作曲しているのかと問われ、こう答えた。「簡単だ。リムスキー=コルサコフの『シェエラザード』をピアノの譜面台に置いて、それをコピーしてるんだ」。笑。
●あと、エネスコの音楽的才能のすさまじさ。ラヴェルはエネスコのことを友人として敬愛していた。で、ロザンタールはエネスコを「当時、最高のピアニストのひとりだった」って称えるんすよ。エネスコはストラヴィンスキー「春の祭典」のゲネプロに立ち会った後、ラヴェルの家に立ち寄って、そこで初めて聴いてきたばかりの「いけにえの踊り」を記憶で弾いてみせたという。エネスコは最高のピアニストであり、オルガンもチェロも達者で、指揮者としての才能もあって、作曲家としても名を残し、それでいて伝説のヴァイオリニストでもあったわけだ。

June 21, 2011

ダニエル・ハーディング指揮新日本フィル、定期演奏会&チャリティコンサートUST生中継

●ダニエル・ハーディングは私たちにとって特別な指揮者になってしまった。新日本フィル Music Partner of NJP就任披露演奏会が3月11日に設定されていたという巡りあわせ。あの日、予定されていたマーラーの交響曲第5番は会場にたどり着くことが出来たきわめて少数の聴衆を前に演奏されたという。翌日以降の演奏会は中止され(しばらくの間、東京から演奏会が消えた)、ハーディングは4日後に帰国した。で、今月。いまだに来日をキャンセルするアーティストもいる中で、ハーディングは予定通り来日し、しかも定期演奏会に加えてマーラーの交響曲第5番のチャリティ・コンサートおよび特別演奏会を開いてくれた。すでに一足先にマーラー・チェンバー・オーケストラの指揮者として来日しているので、一ヶ月くらい滞在することになると思う。インタビューでは「ガーディアン紙の編集長を通じて、この分野で最も信頼する科学者から話を聞くことができました。にわか放射線スペシャリストがあふれかえる今の世界の中で信頼に足るソースを得て判断することが大切だ」と語っている。そういえばメトロポリタン・オペラはコロンビア大学メディカル・センターの放射線医療の専門家を招いて、来日メンバーの不安を払拭したと語っていたっけ。
●で、ハーディング/新日フィルの演奏会、ワタシは先週末にブルックナーの交響曲第8番を聴いた(すみだトリフォニーホール)。マーラーの5番に比べると、これは「らしくない」組み合わせ。しかし最初にハーディングが登場した瞬間からもう客席はわきあがる歓迎と尊敬の気持ちを抑えきれないという雰囲気で、すばらしいコンサートになった。重厚というよりは清新かつ端整なブルックナーで、もしかすると受け入れがたいと感じる人もいるかと思ったんだけど、終演後も大いに盛り上がっていた(最後、曲が終わった瞬間にピタッと客席に静寂の瞬間が訪れた。静かに終わるわけじゃないのに)。
●で、昨日のマーラーの5番はUSTREAMで生中継された。こちらは1200人程度が視聴していただろうか。平日夜のこの時間帯であることを考えると盛況だったのでは。USTなので参考程度にと思いながら聴いていたが、思わず引き込まれてしまう名演奏。鮮烈で濃厚、細部までアイディア豊か。いや、ブルックナーも悪くなかったけど、やっぱりハーディングはマーラーが似合う。オケも本当に立派で、世界中の人に聴いてほしいと思ったくらい。客席の反応もブルックナーの日をはるかに超えて、一般参賀もあり、センセーショナルな成功だった。しかも終演してすぐに、ハーディングは募金箱を持ってホール出口のそばに立った(そんな場面まで中継された)。切れ目なく募金が続く。311以来、すべての面で「男前」なんだな、ハーディングは。
●で、思い出すんだけど、3月10日にハーディングのMusic Partner of NJP就任記者発表会が行なわれたんですよね。ここでも記事にした。発表会に先立ってマーラーの5番はリハーサルが公開されたので、ワタシはすごくそれを楽しんで聴いた、翌日なにが起きるかも知らずに。で、その様子をワタシは3月11日のお昼ごろにここに上げたわけだ。その数時間後に大地震が起きて、ブログの更新どころではなくなり、3日間ほどずっと自分で撮ったハーディングの写真がこのページの一番上に上げっぱなしになった。だからハーディングのマーラー5番というと、あのときの果てしもなく暗い気分、一晩中緊急地震速報が鳴り続けて一睡もできなかった夜のこと、これから自分たちの生活や仕事はどうなるのか、果たして普通の日常が戻ってくるのか、食べ物や水は滞りなくお店に並んでくれるのか、社会秩序は維持されるのかと、ありとあらゆる不安に苛まれた頃の気分をまざまざと思い出す。そんなこともあって、どうしてもマーラー5番の日は足を運ぶ気になれなかったんだけど、このUSTを見たことでいくらか音楽と地震の悪い結びつきに対して記憶を上書きすることができた気がする。その意味でも、今回のUSTREAM生中継には本当に感謝している。

June 20, 2011

新潟でイタリアン、新潟vs仙台戦@ビッグスワン

●この週末は新潟に出張。非常に有意義であった。まずは毎週土曜日23時放送のFM PORT「クラシックホワイエ」収録。新潟の番組でありながら実はこれまでずっと東京で収録していたのであるが、今回ようやく新潟で収録することができた。吉。やはり現地に行かねば。FM PORTはカッコいいビルにオフィスを構えていた。さらに市内のクラシックCD専門店「コンチェルト」さんにもおじゃますることができたし、「りゅーとぴあ」も訪問できたし、さらにラ・フォル・ジュルネ新潟のSさんにもご挨拶できた。歓待してくださった皆さまに深く感謝。そして今回の新潟行きの裏テーマに設定していた目的も達することができた。ついに謎のB級グルメ「イタリアン」を初体験したのだ。
これがイタリアンだ!●新潟には「イタリアン」っていう麺類があって、市民のソウルフードになってるって言うんすよ。で、これが名前に反して、焼きうどんか焼きそばか、いや中華麺かな、それにソース焼きそばみたいにキャベツとかモヤシが具になってて、なぜかミートソースがかかっている。食材といい調理法といい、すべての面でイタリアからほど遠いけど「イタリアン」。しかも「ボローニャ風イタリアン」とか「和風イタリアン」とか謎すぎるバラエティに富んでいる。市内のいたるところにイタリアンの店があるっぽい。前から気になっていたので、新潟で会う人会う人に「イタリアンって新潟のソウルフードなんすよね?」って話を振ると、なぜか「ええーっ、いや、その……」と言葉を濁されることがあって謎が深まるのだが、唯一LFJ新潟のSさんが全力で「みかづき」のイタリアンを勧めてくれたので、そこで食べたのである。写真は標準のイタリアンとカレーイタリアン。まるでマクドナルドみたいに、ポテトとコーラを付けてセットにできるというのが衝撃だった。なおイタリアンにも二つの流派があるようで、新潟市では「みかづき」のようなセットメニューが典型らしいが、長岡市のイタリアンでは餃子がセットに付くのが標準形らしい。餃子かぁ……あくまでもイタリア的ではないところが潔い。
●で、味だ。一見くどそうに見えるのだが、「みかづき」で食べた限りで言えば、実はあっさりしている。むしろ焦点がどこに当たっているかわからない「曖昧さ」が印象に残る。主張が控え目なので、一回食べても「む、これはなんの食い物だ?」という謎度ばかりが高まるのだが、おそらく二回三回と重ねるとクセになると見た。この「みかづき」というお店だけでも県内26店舗もあり、お店のロゴに「新潟っ子と100年」と書いてある。スゴい人気だ。
●なお同じく新潟でしか知られていないものとしては、「サラダホープ」というあられがあるそうなのだが(コンビニでも売ってるらしい)、こちらはゲットできず。次に機会にきっと。
●そして、ビッグスワンで新潟vs仙台戦を観戦。ずいぶん前にJ2時代の新潟vs水戸戦を一度観戦したことがあるがそれ以来のビッグスワン。観客数は2万3千人と一時に比べれば減っているようだが、それでも十分盛況という感じがする。アウェイ側ゴール裏に大勢の仙台サポが来ていたのが驚き。不調の新潟と無敗の仙台ということで、前半は仙台がやや押す展開。仙台はシンプルにパスを回しながらサイドからクロスを入れるという攻撃を繰り返し、特に新潟の右サイドの裏を突いてきた。梁勇基をはじめ(うまいなあ)、関口、太田、赤嶺らタレントもそろっている。新潟はブルーノ・ロペスの高い個人能力以外に攻め手を欠いていたが、後半になるとボールが回りだし、チャンスが増える。後半27分に新潟が三門のゴールで先制すると、相手の運動量も落ち、後は時間を消費するだけの展開に。どう考えてもこのまま1-0で新潟が勝つ試合に見えたが、終盤から仙台の運動量が回復して、ロスタイム5分に菅井が粘りの同点ゴール。いや、それどころか仙台はそこからもう一点取る可能性すら見せた。驚異の無敗記録継続。新潟は若い大型フォワード川又堅碁が楽しみな存在。これからすごく伸びるかも。
●東京人のソウルフードってなんすかね?

June 17, 2011

METライブビューイング「ワルキューレ」

METライブビューイングで「ワルキューレ」。シーズン最後に5時間14分(休憩2回込み)の大作。ロベール・ルパージュ演出、指揮はジェイムズ・レヴァインが復帰。もうこれはなんといったらいいのか、圧倒されっぱなしの5時間だった。音楽的にも役柄的にもほぼ納得のいく「ワルキューレ」がありうるとは。視覚的に全員ムリがない。ジークムント役のヨナス・カウフマン最強。美声で朗々と歌い、しかもカッコいい。ヨダレ垂らしているのがはっきり見えるのも高解像度のMETライブビューイングならではの楽しみ(笑)。
●ヴォータンのブリン・ターフェルは超然とした神というより、悩める父親。リリカルで心地よい。ジークリンデのエヴァ=マリア・ヴェストブルック、フンディングのハンス=ペーター・ケーニヒも好演。で、ブリュンヒルデはデボラ・ヴォイト。もはやブリュンヒルデですら巨体歌手が歌うことが許されない映像時代なのか、かつてとは違ってデボラ・ヴォイトもほっそりしている……いや、ほっそりは言いすぎか、でも巨体ではない。しかもワルキューレ8人組もみんなスマートで「ホヨトホー」って歌いながら天駆けておかしくない感じ。なんと、デボラ・ヴォイトのブリュンヒルデがヴォータンにすがる場面で、彼女が「女子」に見えた。音楽の力って偉大だ……。これは神話だから見る人が無限に意味を読み取れるわけだけど、やはり「ワルキューレ」はまず父と娘の物語、家族のもとを離れる話で、まさに感動大作、いや勘当大作。……。
●歌手陣を気迫で上回ったのがレヴァイン指揮のオケ。METのオケはいつもうまくて憧れるんだけど、普段は超人優等生的で澄ました感じなのに、レヴァインに煽られて熱い演奏になってた。ワーグナーってホントにスゴい。聴いているときはこの世でこれほどのまでの高みに達した音楽芸術がほかにあるんだろうか、もはや人智の及ばぬ域、ってくらいに感動する(そして聴き終わると、なぜかもう家で聴こうとは思わなくなる……)。
●しかし演出は音楽ほど雄弁だったかどうか。METらしく、衣装もいかにもそれらしい武器や防具を装備しているわけだけど、ファンタジー世界をリアリズムで描写すると生じる滑稽さが、心の内奥に迫るドラマを描くにあたって妨げになることもあると思う。涙する場面で、ブリュンヒルデの装備を見て「くすっ」としてしまうといったような。ハイテクで制御する装置も「ワルキューレの騎行」の場面以外は、あまり有効には感じなかった。でも、それを含めても、全体としてはこれまでに見たMETライブビューイングでも一、ニを争うような感動的な舞台だった。
●このキャストって、声楽的にも視覚的にも役柄を満たすっていうMETならではというか、映像化時代ゆえの稀有なものじゃないっすか。これは嬉しいです。前にも書いたけど、ワタシはオペラは観たままに解することで、オペラ的約束事から自由になろうキャンペーン実施中なので(笑)。つまり、巨体の人が歌ってるのを見て、「あれは本当はほっそりした美少女なんだ」と理解するのを止めることにした。そうではなく、それは本当に巨体の少女なのだ、と理解すると、いろいろなことが納得できる。たとえば、「サロメ」のヨカナーン役。以前METライブビューイングの「サロメ」でヨカナーンをウーシタロが歌っていた。地下牢からするすると幽閉されていたヨカナーンが姿を現すと……なんと、ヨカナーンは巨体だった! これを見て、ウーシタロは巨漢だが、本当は痩身の預言者なのだ、などと思ったらドラマが滑稽に見えてしまう。だから、これは演出的意図なのだと解釈すればよい。巨体とは富や権力のメタファーである。「サロメ」という物語において、真の権力者とはヨカナーンである、ということをこの演出は言ってるのだ(言ってないけど)。
●同様の例に、以前、ある劇場で見た「フィデリオ」では、牢から出てきた囚人たちの合唱団員が、みな恰幅がよかった。えっ、どんなご馳走食べてるの、この人たちは、ぷっ。とか笑ったらオペラがつまらなくなる。だから見たままに理解するのだ。あの恰幅のよさは飽食や欲望の充足を表現している。つまり、彼らは牢に捕らえられた政治犯のようでいて、実は放埓な生活を送っているのであり、権力の構図を逆転させることで、「フィデリオ」の役柄において善と悪とは本当は一面的なものではなく、正反対の見方もできるのだ、と演出が主張しているのだ(してないけど)。
●METの「ワルキューレ」はそういった観客側の解釈をほとんど要求しない。見たままに泣ける神話だ。それで不足はない。

June 16, 2011

Jリーグタイムの今シーズン

●ふっ。勝った日は心穏やかにJリーグタイムを見れるなあ(ら抜き詠嘆)。それにしてもハーフナー・マイクは甲府でたくましく強まっててなにより。マリノスでは育て切れなかったことを申し訳なく思いつつ、近い将来のニッポン代表入りを祈る。
Jリーグタイム●で、NHK-BSのJリーグタイムだ。今季からスタジオキャスターを務める伊藤友里さんっていう人、スゴくいいじゃないすか。いい、もう断然いい、近年まれに見るくらい、Jリーグタイム的には。
●昨季までの山岸舞彩ちゃんは「マイLOVE」のコーナーのみならず、全般に落ち着かない感があって、サッカーファン的になんかこうソワソワしながら見てたんであるが、あれの正体って、なんていうかな、舞彩ちゃんには「お姫さま扱いアフォーダンス」があるってことなんじゃないかな、対男子的に。えっと、飲み会とかに来てくれるんだったらいいんすよ、舞彩ちゃん。ぜひ生「マイLOVE」コーナーとか見たい。でもサッカー野郎どもの世界にそれ持ち込まれると、早野さんの鼻の下も長くなるし、山本さんは孫娘に話しかけるお爺ちゃんモードに入っちゃうし、なんか違う。Jリーグとかサッカーって、ホントは殺伐としたもんじゃないすか。嬉しい日のほうが少ない。なかなか勝てないから。姫扱いしてる場合じゃない。「サッカーのこと、(特に関心ないけど)これから勉強するので教えてくださいっ♥ 」的スタンスも不要だし。
●その点、伊藤友里さんはいいです。サッカー野郎どもの世界に投げ込まれたフツー女子の取るべき正しい態度は「球蹴りごときに熱くなってメンドくさい人たちだなあ」だと思うのであり、そのへんがナチュラルに見え隠れしなくもないところが吉。サッカー男子は「サッカーのこと教えてください」って言われるより、「バッカじゃないのぉ?」って言われるほうが好きだから、例外なく。

June 15, 2011

モウリーニョの記録

レアル・マドリッド●サッカー界で「信じがたい記録」といったら、モウリーニョ監督のリーグ戦ホーム無敗記録だろう。今年の4月、レアル・マドリッドvsスポルティング・デ・ヒホンで敗れて記録は途絶えたが、それまで9年間ずっとリーグ戦ではホーム無敗だったっていうんである。耳を疑うような記録だ。9年すよ、9年。仮にモウリーニョが監督を務めるクラブのシーズンチケットを買ってスタジアムに通った場合、9年間もずーーーっと一度も「負け」を体験せずに済んだわけだ。そんなバカな。いや、ホントらしい。
●記録は01/02シーズンのFCポルト監督時代にスタートしている。モウリーニョはポルトでタイトルを大量に獲得し、しまいにはチャンピオンズリーグまで制覇してしまうわけだが、ここで01/02、02/03、03/04と3シーズン、続いてイングランドのチェルシーで04/05、05/06、06/07、07/08途中辞任するまで、さらにイタリアのインテルで08/09、09/10、そしてスペインのレアル・マドリッドの10/11のヒホン戦まで、リーグ戦ホーム無敗。スゴすぎて現実とは思えない。リーグ戦ホーム無敗に比べたらもう優勝なんてどうでもいいってくらい(よくないけど)小さい。4クラブにわたって成し遂げているというのも、逆に言えば「失敗して辞めた」ことがないわけだ。常に成功して辞めている。
●サッカー観戦で、なにがいちばんイヤかっていえば、そりゃもうせっかくスタジアムに足を運んだのに負けるってことだ。引分けはまだいいんすよ、少なくとも相手を勝たせてはない。でも負けると、たまらなく悔しい。しかも必然的に「アウェイで勝てちゃって大喜びする相手を目の前にする」という屈辱感のオマケ付き。一方、アウェイで負ける分にはしょうがないって面がある、本来それは先方の試合なんだから。
●9年……。マリノスなんてつい4日前にホームで負けてるのに。横河武蔵野もどんだけホームで負けるのを見たか。もう負けが身近すぎて、モウリーニョの世界を想像することもできない。
●ホーム9年間無敗の世界最高の監督が存在するということは、この世のどこかにホーム9年間無勝の世界最低の監督も存在するのだろうか?

June 14, 2011

フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2011 開催へ。詳細発表!

●「フェスタ サマーミューザ KAWASAKI」が今年も開催される。期間は7/27~8/14。例年、首都圏の各オーケストラをミューザ川崎に招いている同音楽祭だが、今年は震災の影響でミューザ川崎が使えない。で、今年はムリかもと恐れていたのだが、川崎市内の複数のホールを併用して開催することになった。
●スケジュールを見ると一見例年と変わらないような印象を受けるが、公演ごとに会場が異なるので注意が必要だ(それぞれ最寄り駅も違う)。プロオケの公演に関しては、主に「テアトロ・ジーリオ・ショウワ」(新百合ヶ丘)が用いられ、その次に「サンピアンかわさき」(川崎)、一公演のみ「エポックなかはら」(武蔵中原)が使われる。その他の会場も含めて全体として未知の会場が多いんだが、これを機会に行ったところのない場所で聴くということをポジティブに楽しむのもいいかもしれない。しかしミューザ川崎以外に、これだけの会場が川崎市内に見つかったというのがスゴい。
●ミューザ川崎はシンフォニーホールが使えないわけだが、じゃあミューザではなにも催されないのかというとそうではなく、音楽工房内で「楽器体験コーナー」、市民交流室で「0歳からのミニコンサート」といったファミリーで楽しめるイベントが開かれる。「こどもフェスタ ミニ」参照。

June 13, 2011

オンラインバックアップ Mozy、その後

mozy.gif●半年くらい前にオンラインバックアップ・サービス Mozy を紹介したが、その後しばらく使用してみた感想を。ずばり、大吉。
●なにがいいかと言えば「なにもしなくていい」というところ。最初の導入時にバックアップを取るフォルダを指定して以来、結局なにもしていない。PCが規定の時間アイドル状態になると、勝手に指定フォルダ内のファイルをバックアップしてくれる。初回だけは全部を新規にアップロードするのでそれなりに時間がかかるが、それ以降は知らないうちに働いてくれる小人さん状態で、ストレスを感じたことは一度もない(しかも以前使っていた有料の国産サービスより高速に動作しているではないか)。幸いにもリストアが必要になったことはないので、そのあたりの使い勝手はわからないが、とにかくウェブにさえつながればどこからでも自分のデータを拾えるという安心感は大きい。Dropboxと併用するとさらに便利だ。現在進行形のものはDropbox、済んだものはMozyにしまう、みたいな感じにしている。
Mozyは個人利用であれば2GBまで無料で利用できる。ワタシもこの無料サービスで済ませている。大量の写真や音声ファイルなどをバックアップしようと思ったらこの容量では足りなくなるだろうが、でもまあ2GBもあれば大抵の自作データは収まる。
●とはいえ容量は大きければ大きいほどありがたい。で、本記事のMozyのリンクをたどって無料お試しを登録すると、標準の2GBに加えて、ボーナスとしてあなたに(そしてワタシにも。笑)にさらに256MBの領域がプレゼントされることになっている。お試しを。

June 11, 2011

パシフィカ・クァルテット「ベートーヴェン・マラソン」

●サントリーホール小(ブルーローズ)でパシフィカ・クァルテットの「ベートーヴェン・マラソン」第1回。なんと、金土日の3日間5公演(!)でベートーヴェン弦楽四重奏曲全部を演奏するという企画。10日(金)は第3番ニ長調op18-3、第11番ヘ短調op95「セリオーソ」、休憩を挟んで第6番変ロ長調op18-6、第16番ヘ長調op135という盛りだくさんなプログラム。
●で、パシフィカ・クァルテット。猛烈に巧い。高解像度ハイテク機器みたいな最強に明晰なベートーヴェン。「セリオーソ」なんて、弦楽四重奏ってこんなにすさまじい音が出るんだと思った。コントラストが鮮やかでメーターの針が左端にも右端にも振り切れるみたいな印象。いちばんおもしろいと思ったのは第6番かなあ。終楽章の冒頭、初期作品とは思えないような思わせぶりで内省的なアダージョではじまって、これをたっぷりと聴かせたあとで登場するアレグレットの民謡風主題のカッコ悪さ。なんという落差。これは……やっぱり笑うところなのか? ベートーヴェンすごすぎる。あとはもちろん第16番も本当に感動的な音楽だった。4曲もあるプログラムなのに、あっさりと第16番で終わるのが惜しい気分になったくらい。ワタシはこの一晩だけなんけど、これから土日に4公演もあるのでオススメ。14番とか12番とか13番とか、きっといいだろうなあ。

June 8, 2011

ニッポンvsチェコ代表@キリンカップサッカー2011

ニッポン!●前の試合に続いて、この日もザッケローニ監督は3-4-3のフォーメーションを用いてきた。中盤の4の両サイドに長友や内田のような本職サイドバックの選手を置くタイプの3-4-3。つまりザッケローニにとってこの大会はオプションとしての3-4-3を試すための試合ということになるんだが、これの意味ってどう解釈されているんだろう?
●かつてザッケローニが頭角を現した際、3-4-3を好み、イタリアでは非常に攻撃的なサッカーをする監督とみなされていたと思う。だから、過去の成功体験に基づいて、彼の出世作ならぬ出世フォーメーションである3-4-3にこだわろうとしているのかな……と当初は思ったんだが、それはきっと違うと気づいた。誤解かもしれないんだけど、ワタシのなかで腑に落ちているのは、今のザッケローニにとって3-4-3は実は守備的に戦うためのオプションなんじゃないかということ。
●つまり今の代表の本来の形は4-2-3-1(あるいは4-3-3とも)で、これはもともとかなり攻撃的。それに比べると3-4-3はセンターバックを3枚置けるのが最大の違い。今日のように今野を置いた上にさらに吉田と伊野波(途中から槙野)みたいな屈強なストッパーを2枚置ける。一方で中盤の4のサイドに置く選手は、ハーフの選手ではなく4バックのサイドバックの選手。で、前線はなにも変わらない。本当に違うのはセンターバックの枚数。ということは、これは相手が高さ勝負で放り込んできたときとか、とにかく失点しないための戦いをするとき用の守備戦術としての3-4-3だろうと。「3-4-3は攻撃的」というのはサッカー史の中で形成された先入観であって、ザックは失点を防ぐためのオプションをテストしていたにちがいない。実際、2試合とも0-0のスペクタクルを欠いたゲームで終わったので、テストは成功を収めたんである。
●GK:川島-DF:伊野波(→槙野)、今野、吉田麻也-MF:長友、遠藤(→家長)、長谷部、内田-FW:岡崎(→関口)、李、本田。途中交代の家長は中央に入って10番を背負っていた。なんだかびっくり。
●今後実戦で(あ、これも実戦か。つまり公式戦で)ザックがどんな場面で3-4-3を使うかを見れば、その意図ははっきりするはず。きっとオーストラリア相手に守る場面とかで使うと予言。
●さて、ペルー戦に引き続いて引分けに成功したので、全世界サッカーファン(の中の変わり者)が注目する「非公式サッカー世界王者(UFWC)」のタイトルは引き続きニッポンが保持することになった。またも防衛に成功するとは。ザック、おめでとう。非公式でもこの世界でニッポンがチャンピオンになれる機会はあまりないから。

June 7, 2011

ベルリン・フィル来日公演2011

●11月のベルリン・フィル来日公演公式サイトが公開されている。TDKオーケストラコンサート2011と銘打たれており、結局サントリーホールで3公演が開かれることになった(当初オーケストラのサイトではサントリー2公演+ミューザ川崎となっていた)。演目はオーケストラ側の発表通り、プログラム1がマーラーの交響曲第9番、プログラム2がシュテファン・ドールのソロによる細川俊夫のホルン協奏曲「モーメント・オブ・ブロッサミング」(表記は「開花の時」にしないの?)とブルックナーの交響曲第9番他。指揮はもちろんサイモン・ラトル。
●それにしても同じホールでマーラー9番が2公演とは。どうせならプログラム3があってもいいんじゃないかという気もするが、中国・韓国を含むアジア・ツアー全体を2プログラムで乗り切るようだ。ツアー直前、ベルリンでもマーラー9番が演奏されるので(ただしこちらはラッヘンマンが1曲加わっている。DCHで中継あり)、オーケストラは11月の一ヶ月間、ずっとこの2つのプログラムを繰り返し演奏することになる。
●チケットは、2011年7月16日(土)発売とまだしばらく先。

June 6, 2011

ペプシドライ

ペプシドライ●ついに理想のコーラ登場か、そんな期待を微妙に裏切られて茫然としているのだが、理念は正しいのであり、楽園は目の前、いや隣の通りくらいまで来ていたのかもしれない。甘くないコーラ、ペプシドライだ。
●これまでの低カロリー系コーラにはほとほと辟易していた。コーラだけじゃない。ラブリーな炭酸飲料がどんどんと「糖分ゼロ」路線へとシフトし、飲むべき飲料が見つけられない悲しさ。「糖分ゼロ」「カロリーゼロ」「カフェインゼロ」……はぁ、じゃ水でも飲めばぁ? この種の飲料のアスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物が生み出す人口的な甘さに関してはそう嫌いではない。それよりも、ワタシらが甘い飲料を飲みたくなるのは体が疲労により糖分補給を欲しているからであり、喜んで代謝したいのであって、そんなハリボテみたいな飲料が役に立つのかというのが根本の問題。たとえるなら遠足にでかけて疲れ切って、さあエネルギー補給だと思って取り出した飲料がカロリーゼロという絶望。もう歩けないよ、疲れたよパトラッシュ的な敗北感。
●だが、オーセンティックなコーラは甘すぎるのもまた事実。求められるコーラ、オルタナティヴ。そこで今回のペプシドライだ。従来に比べて甘さは半分以下、しかし果糖ぶどう糖液糖は使用されており、21kcal/100mlのエネルギーを有するのが心強い。そう、これでいいんじゃないか。全宇宙のコーラはペプシドライになる!コーラ界の涅槃境がここに!
●そう思ったのに。なにが違うのか。甘くなくなったら娯楽性までなくなった。キリリとした雰囲気より、もう少し堕落した感がほしい、コーラには。たとえば甘さ従来比70%くらいのコーラを作ることはできないのだろうか。ひょっとしてペプシコーラとペプシドライを混ぜればできるのか? あるいはそこにコカコーラを混ぜたらどうなるのか。隠し味でドクターペッパーは? 紅茶なんかも入れたらどうか。
●近づいてはいるのだが、なにかが違う。準推薦(←なにそれ?)

June 5, 2011

ホロデンコ、ガヴリリュク、デミジェンコの3日間

●3晩続けて東欧出身ピアニストを聴いた。ホロデンコ、ガヴリリュク、デミジェンコ。
●2日(木)は浜離宮朝日ホールでヴァディム・ホロデンコのリサイタル。第4回仙台国際音楽コンクール優勝記念演奏会。1986年ウクライナ出身。華々しいコンクール歴そのものには特に惹かれないんだけど、演目が良かったので。前半はメトネル2作、後半はプロコフィエフ「束の間の幻影」とピアノ・ソナタ第5番op38。バリバリ弾いて、弾けすぎて笑う。弾いているときの集中度と、鍵盤を離れたときの飄然とした様子に激しくギャップがあるのが萌え要素。かも。偉才。
●3日(金)はアシュケナージ指揮N響定期へ。後半のシベリウス/交響詩「大洋の女神」と交響曲第7番という枯れた演目もいいんだが、聴きものは前半のプロコフィエフ/ピアノ協奏曲第2番。この曲、大好き。で、独奏はアレクサンダー・ガヴリリュク。NHKホールの広大な空間を相手に必死に格闘し、制圧した。刺々しいモダニズムもグロテスクな通俗性も拡散して希釈化されそうなこの場所で、3階自由席のお客まで(たぶん)ひきつけたのは大したもの。第1楽章の長大なカデンツァで客席が静まり返っていた、あまりここのお客さんに人気のある曲とは思えないにもかかわらず。1984年、ウクライナ生まれ。「ガヴリ」って強そうすよね、「ガブリ」じゃなくて「ガヴリ」。ガヴリ寄り!みたいな強さ(はあ?)。
●4日(土)は、すみだトリフォニーホールでニコライ・デミジェンコのリサイタル。こちらはロシア出身のベテラン。前半にシューマンの「ウィーンの謝肉祭の道化」と「謝肉祭」、後半にリストの「小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ」とピアノ・ソナタ ロ短調。リストのソナタが圧巻。美しい響きで楽器をよく鳴らしながら、大きな流れを作り出してゆく。カタルシスあり。ワタシは行けないんだけど、本日5日は新日フィルとショパン1番&ラフマニノフ2番の協奏曲がある。これも好演になるのでは。ていうか、2日間でこんなに弾きまくるのか!

June 3, 2011

METライブビューイング「イル・トロヴァトーレ」

METライブビューイングで「イル・トロヴァトーレ」。いま本物のMETが来日しているわけだが、でも映画館で見るMET。「イル・トロヴァトーレ」ってとことんイタリア・オペラっすよね。愛、憎しみ、嫉妬、復讐。濃厚な感情表現超特盛り、「おいおい、どうしてそんなに早合点するの、もっと人の言うことを聞いたらどうよ?」みたいな疑問を数万光年の彼方に置き去りにして展開される最強に熱い人間ドラマ。で、音楽がとにかくスゴいじゃないすか。たった一作のオペラにこれでもかというくらい名曲がぎっしり詰まっていて、作曲家の創作意欲があふれ出てくるのが伝わってくる。これぞ名作。
●「イル・トロヴァトーレ」って、ミステリーなんすよね。殺人があって、犯人があって、死体があって(回想的にだけど)、しかも最後の一行(←比喩)でどんでん返しというか、オチがある。なにしろ「このミステリーがすごい1853」の第一位だし(ウソ)。
●とはいえ、このオチって本当にどうにかしたいところでもあって、反復して鑑賞される古典のオチとしてはスマートさに欠ける。こんな「最後の一行」を歌わされるアズチェーナ役(ドローラ・ザジック)には同情するしかないんだが、しかしその筋立ての弱さを超越してたのがザジックの歌唱と演技。圧巻。
●幕間インタビューでも「イル・トロヴァトーレは筋が複雑で……」って話してたけど、複雑っていうより台本が悪いと思う。このオペラのあらすじってどれを読んでも「えっ?」ていう疑問が残る。アズチェーナは誘拐した伯爵の子供を焼き殺そうとして、まちがえて自分の子を火にくべちゃったわけでしょ。そんなふざけたまちがいを登場人物にさせていいのか、しかもそれが回想でのみ述べられる物語作法ってどうなのよ。で、最後に真相を告白した瞬間、間髪いれずに伯爵がそんな荒唐無稽な真実を受け入れて苦悩するって、おいおい、この人には猜疑心ってものがないのか、だいたい自分の血を分けた兄弟に気づかないのもどうなのか。それに比べるとレオノーラの愛とか献身なんてもうどうでもいいって言うか、えっ、死ぬの、毒飲んだの、どうせマンリーコ死んじゃうのにそれ犬死だよっ! もうツッコミどころが多すぎて忙しすぎる!……とオペラの醍醐味を満喫。やっぱりこれくらいすっ飛んでないと。
●マルセロ・アルヴァレス、ソンドラ・ラドヴァノフスキー、ディミトリ・ホヴォロストフスキー、ドローラ・ザジック。指揮はアルミリアート。
●あの……やっぱりアズチェーナはまちがえてないと思うんすよ、子供を。まちがえるわけがない。マンリーコはあくまで実子だと仮定して、この物語を解釈するのが真のオチでは?

June 2, 2011

ニッポンvsペルー代表@キリンカップサッカー2011

ニッポン!●欧州のシーズンが終わったらキリンカップ。日本代表の選手の大半がJリーグでプレイしていた頃は、この大会はシーズン中の日本選手がシーズンオフに入った海外選手と戦う大会だったんだろうが、ニッポン代表にも海外勢が増えて雰囲気が変わった。この時期なら誰でも自由に呼べるので、顔ぶれは華やか。インテル長友が最大のスタートして凱旋帰国するという夢みたいな現実。本田、長谷部、岡崎、内田、吉田、槙野らに加えて久々に安田理大(オランダのフィテッセ)も。細貝もいる。一方で新鮮な選手としては西大伍、関口訓充が先発。宇佐美はベンチ。バイエルン・ミュンヘンに行くの?
●ニッポンだけメンバーを。GK:川島-DF:伊野波(→森脇)、栗原、今野、安田(→興梠)-MF:遠藤、長谷部(→細貝)、西大伍(→本田)-FW:岡崎、前田(→李)、関口(→長友)。なんかこれだとぜんぜんわからんすよね、途中でシステム変更してるから。つまり先発はザッケローニ得意の(?)3-4-3を試して、後半からはいつもの4バックに戻した。
●新しい選手、システムをテストするための試合で、結果は0-0。終盤、ペルーは猛攻を見せて、彼らのクォリティの高さを証明した。やはり3-4-3は今のところはあまりスムーズには機能しないし、魅力も感じない。3バックだと普段に比べてセンターバックが一枚増えることになるんだけど、日本人にこのポジションはそんなに人材豊富というわけでもないし、逆に4バックにしかないサイドバックはかなりタレントがそろっている(日本はどこも4バックだから)。なのにわざわざサイドバックのポジションを一つ上に上げて使うというのももったいない気がする。ザッケローニとしてはあくまでオプションとして3-4-3を持っておきたいので、結果が問われなくてなおかつ選手を自由に呼べるこの大会で試したかったんだろう。
●昔から日本のサイドバックはブラジル調というか、攻撃的で縦にスピードのある選手が好まれるんすよね。欧州だとサイドバック兼センターバック型のタレントも多いじゃないすか。屈強で当たりの強いタイプの。だから3-5-2がはやった時代でも一段前の5のポジションにサイドバックを置いたりしてたけど(相馬&名良橋時代とか)、なんかこの方式って中盤で損してセンターバックで損するみたいな気がするんだけど、どうなんでしょ。単にスペクタクルが減るからヤだってだけかな。
●なお、結果が引き分けだったので、ニッポン代表はまたしても「非公式サッカー世界王者(UFWC)」のタイトル防衛に成功した。UWFCのサイトにもマッチ・レポートが載っている。

June 1, 2011

冨田勲「惑星 Ultimate Editon」

冨田勲「惑星」●冨田勲「惑星」といえばホルストの組曲を原曲としたシンセサイザー音楽における記念碑的名盤(ワタシにとっても思い入れのあるアルバムだ。77年に全米リリースされ250万枚売れた)。その「惑星」が Ultimate Editonとして生まれ変わった。完全リメイク&4.0チャンネルサラウンド化が施され、しかも新曲として、小惑星イトカワと探査機はやぶさに触発された「イトカワとはやぶさ」が追加された。
●で、本日(31日)その完成発表会が羽田空港国際線旅客ターミナルのプラネタリウム・カフェで開かれた(Planetarium Starry Cafeってのがあるんすね)。星空を見上げながら、トミタの「惑星」を聴くという超贅沢な発表会。わざわざ空港に来て飛行機に乗らないのもヘンな感じだなーと思ったが、むしろ宇宙旅行に来たんである。実は一足先に「惑星 Ultimate Editon」のCDは聴かせていただいているのだが(今度新潟FM PORTの番組「クラシックホワイエ」でもご紹介します)、ウチで聴けるのは2チャンネルステレオ。おお、サラウンドだと、こんな風に音源が移動してるんだー、カッコいい! いや、フツーの2チャンネルでも超絶カッコいいが。

川口淳一郎&冨田勲の豪華巨匠対談

●発表会には豪華ゲストが。冨田勲氏に加えて、JAXA「はやぶさ」プロジェクト・マネージャーの川口淳一郎氏(写真左)が登場してクロストーク。冨田氏が親交のあった糸川英夫博士との思い出を語り、糸川英夫博士の孫弟子筋にあたる川口氏がトミタ・サウンドへの感想を語りつつ、「はやぶさ」プロジェクトを回想する。世界のトミタは「はやぶさはあんなに離れた宇宙空間で、ノイズもあるのにちゃんと電波拾って制御できるんだからスゴい。僕なんて温泉場とかにあるアーム操作して景品取るヤツあるでしょ(UFOキャッチャーすね)、あれ使ってもぜんぜん景品取れない。でも孫とか取れるんだよ、練習しなくても。悔しいからこちらは財力で対抗して夜こっそり取れるまでやった」的な話題で笑いをゲット。力の抜け具合がさすがすぎる。世界のトミタは神。
●新曲「イトカワとはやぶさ」のテーマは「夢」であるんだとか。そして糸川英夫博士へのレクエイムでもある、と。この新曲は「木星」と「土星」をつなぐ役割を果たす小曲。ホルスト原曲の「土星」は「老いをもたらす者」なんすよね。いろいろな意味で時の流れも痛切に感じた。いや、でも音楽は古びてないんだけど、というか、音楽だけが古びていない。

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