●冨田勲「惑星」といえばホルストの組曲を原曲としたシンセサイザー音楽における記念碑的名盤(ワタシにとっても思い入れのあるアルバムだ。77年に全米リリースされ250万枚売れた)。その「惑星」が Ultimate Editonとして生まれ変わった。完全リメイク&4.0チャンネルサラウンド化が施され、しかも新曲として、小惑星イトカワと探査機はやぶさに触発された「イトカワとはやぶさ」が追加された。
●で、本日(31日)その完成発表会が羽田空港国際線旅客ターミナルのプラネタリウム・カフェで開かれた(Planetarium Starry Cafeってのがあるんすね)。星空を見上げながら、トミタの「惑星」を聴くという超贅沢な発表会。わざわざ空港に来て飛行機に乗らないのもヘンな感じだなーと思ったが、むしろ宇宙旅行に来たんである。実は一足先に「惑星 Ultimate Editon」のCDは聴かせていただいているのだが(今度新潟FM PORTの番組「クラシックホワイエ」でもご紹介します)、ウチで聴けるのは2チャンネルステレオ。おお、サラウンドだと、こんな風に音源が移動してるんだー、カッコいい! いや、フツーの2チャンネルでも超絶カッコいいが。
●発表会には豪華ゲストが。冨田勲氏に加えて、JAXA「はやぶさ」プロジェクト・マネージャーの川口淳一郎氏(写真左)が登場してクロストーク。冨田氏が親交のあった糸川英夫博士との思い出を語り、糸川英夫博士の孫弟子筋にあたる川口氏がトミタ・サウンドへの感想を語りつつ、「はやぶさ」プロジェクトを回想する。世界のトミタは「はやぶさはあんなに離れた宇宙空間で、ノイズもあるのにちゃんと電波拾って制御できるんだからスゴい。僕なんて温泉場とかにあるアーム操作して景品取るヤツあるでしょ(UFOキャッチャーすね)、あれ使ってもぜんぜん景品取れない。でも孫とか取れるんだよ、練習しなくても。悔しいからこちらは財力で対抗して夜こっそり取れるまでやった」的な話題で笑いをゲット。力の抜け具合がさすがすぎる。世界のトミタは神。
●新曲「イトカワとはやぶさ」のテーマは「夢」であるんだとか。そして糸川英夫博士へのレクエイムでもある、と。この新曲は「木星」と「土星」をつなぐ役割を果たす小曲。ホルスト原曲の「土星」は「老いをもたらす者」なんすよね。いろいろな意味で時の流れも痛切に感じた。いや、でも音楽は古びてないんだけど、というか、音楽だけが古びていない。