●サントリーホール小(ブルーローズ)でパシフィカ・クァルテットの「ベートーヴェン・マラソン」第1回。なんと、金土日の3日間5公演(!)でベートーヴェン弦楽四重奏曲全部を演奏するという企画。10日(金)は第3番ニ長調op18-3、第11番ヘ短調op95「セリオーソ」、休憩を挟んで第6番変ロ長調op18-6、第16番ヘ長調op135という盛りだくさんなプログラム。
●で、パシフィカ・クァルテット。猛烈に巧い。高解像度ハイテク機器みたいな最強に明晰なベートーヴェン。「セリオーソ」なんて、弦楽四重奏ってこんなにすさまじい音が出るんだと思った。コントラストが鮮やかでメーターの針が左端にも右端にも振り切れるみたいな印象。いちばんおもしろいと思ったのは第6番かなあ。終楽章の冒頭、初期作品とは思えないような思わせぶりで内省的なアダージョではじまって、これをたっぷりと聴かせたあとで登場するアレグレットの民謡風主題のカッコ悪さ。なんという落差。これは……やっぱり笑うところなのか? ベートーヴェンすごすぎる。あとはもちろん第16番も本当に感動的な音楽だった。4曲もあるプログラムなのに、あっさりと第16番で終わるのが惜しい気分になったくらい。ワタシはこの一晩だけなんけど、これから土日に4公演もあるのでオススメ。14番とか12番とか13番とか、きっといいだろうなあ。
June 11, 2011
パシフィカ・クァルテット「ベートーヴェン・マラソン」
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