●東京は猛然と急激に暑くなった。34度、灼熱の6月。東電の電力使用率は午前中に90%を超えた、といっても大地震直後の計画停電シーズンにはもっと差し迫った数字を見ていたから、それは気にならない。節電にも協力する。しかし暑さそのものにはどう対抗したらいいのか。まずはとにかく水分補給だ。適切に水分と、そして糖分も摂らねばならない。
●そこでまず、「まろやかバナナクリームソーダ」だ。UCCのサイトにも「その他飲料」としてしか扱われず、商品URL一つ作ってもらえないという存在感の薄さだが、これは鋭い。クリームソーダといえば、普通はメロンソーダ。でもクリームソーダをペットボトルで提供しても、十分にはクリーミーにならず、しかももともとメロン感もない。そこでメロンをバナナに置換する。ドロッとしたバナナ・テイストの擬似クリーミー感によってクリームソーダ幻想を喚起させるというあざとさ。狡知に長けている。ドロッとしてスカッというアンビバレントな喉ごしの愉悦。おいしい。だが最大の弱点がある。「カロリーゼロ」なのだ。糖分補給にならない。カロリーなくして満足なし。あと一歩でこの夏を制覇することができたのに。惜しい。
●だが待てよ。メロンをバナナで置換する戦略があるならば、メロンとバナナの合一も可能ではないか。その可能性に気づいたのがタカナシ乳業だ。「メロンバナナミルク」(乳飲料)。ヲタク男子ならバナナミルク、大好きだよね。そのバナナにメロンが加わって、メロンバナナミルクという鬼に金棒感。紙パックも好ましい。黄色く熟れた甘そうなバナナ、そしてゴージャスなマスクメロンのイラストを、果汁2%でありながら堂々と描いたパッケージ・デザインの大胆不敵さも好印象を与える。その果汁2%のうち、バナナとメロンは1%ずつなのか、それとも1.9%と0.1%なのか。そんなことを思い悩むのも愉快である。唯一の難点は、メーカーサイトに商品の固定URLがないどころか、商品そのものも掲載されていないという、ネットプレゼンスのなさ。見切らないでほしい。
●最後にもう一点。大塚食品の tonika (トニカ)。音楽的なネーミングだが、狙うのは「味も刺激も新ジャンル」という「ビター炭酸」。この分野には待望の新商品だ。「ビターで、炭酸? だったらビール飲めよ」と思われるかもしれないが、飲めない/飲まない人間には、大人向けの苦味を味わえる炭酸飲料というのは貴重な存在だ。飲んでみると、たしかにほのかに苦く、しかもピーチ味だ。なんと、ピーチ味・果汁3%という贅沢仕様。しかし、なぜ「ピーチ味・果汁3%」なのだろうか。これはもしかすると「ピーチ味だけど、ピーチの果汁が3%とは言ってませんよ」という意味だろうか? ピーチ味だけど、果汁はピーチとバナナとミカンが1%ずつとか。あるいはピーチレスで全部バナナでした的などんでん返しがあるとか? エキサイティングである。ただ、甘みもあるのに、これがまたカロリーオフなんである。なぜ果糖ぶどう糖液糖が入っていないのか。それと290mlという内容量の微妙な少なさが爽快感を減じていることは否めない。カロリーあり350mlバージョンの登場が待たれる。時代はカロリーオフからカロリー・リッチへ!
June 30, 2011
猛暑日に飲みたいドリンク
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