●ツアー序盤の韓国公演の際に楽屋で見かけて軽く感動。「17茶」。「十七茶」ではなく「17茶」と書く。通訳の韓国人女性が「ニッポンのより一つ多いんですよー、ハハハ」と朗らかに笑ってた。味は……確かめるのを忘れた!
2011年7月アーカイブ
17茶
OEKツアー2011、キール公演
●OEKツアーは宿泊地キールでの公演へ。キールは軍港の町、海の町でもある。海辺で優雅にのんびり過ごしている人々が眩しい。そこらじゅうにカモメが飛んでいて、ほとんど鳩並みのフツーっぷりで、その辺にいる。
●シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭、夜のOEK公演はキール・シュロスという1200席ほどのホール。ここはホールの出し物一覧を見ていると、しっかりした公演をやっているようで(北ドイツ放送響とか)、お客さんもデンマークのゾンダーボルクとはぜんぜん違う雰囲気の人たち。都会のノリというか、服装も一段きちんとしているし、演奏会にも通い慣れている人が大多数という印象。
●演目は武満徹「3つの映画音楽」、プーランク「2台ピアノのための協奏曲」、休憩を挟んでバッハの「2台ピアノのための協奏曲 ハ短調」BWV1060、ハイドンの「驚愕」。独奏はエンダー姉妹。曲は前日と同じ。客席は武満にもプーランクにも引き込まれていた。エンダー姉妹の大人気は予想通り(音楽祭のテーマが「トルコ」なので、この会場では主役扱い)で、前半のプーランクからブラボーが飛ぶ。でもOEKの「驚愕」もとても楽しんでもらえたようで、「びっくり」箇所ではゾンダーボルクのような指揮者の演出はなく、正攻法で曲のユーモアが客席に届けられた。これは表情豊かな指揮姿に対してもあるだろうけど、客席から軽い笑い声が漏れることもたびたび。ゾンダーボルクとは違い、アンコールは「上を向いて歩こう」から武満の「3つの映画音楽」からのワルツに変更された。スタンディング・オベーションもあちこちに。
●ホワイエに飴が置いてあった。ご自由にお取りくださいということっぽい。実際、あるオバチャンはごっそり一つかみ大胆にゲットしていた。でも飴は演奏中に舐めようとすると、皮をむくのに音が出て不評なんすよ、東京では。と思っていたら、キールのオバチャンもやっぱり演奏中に皮をむいたりする。オバチャンは飴ちゃんが好き、全世界的に、なのか?
OEKツアー2011、デンマークのゾンダーボルク公演
●宿泊地のキールからバスで2時間ほどかけ国境を越えて、デンマークのゾンダーボルクへ。道すがらあちこちで馬とか牛とかその他家畜が草を食んでいるのを見かける。到着したゾンダーボルクは、コンサートホールの入った文化施設(大学も入っている)の目の前が写真(上)のような楽園。ここをヨットやらカヌーやらゴムボートやら、いろんな小舟が通り過ぎてゆく。日光浴を楽しむ白人の年配の方々。優雅すぎて別世界というほかない。
●デンマーク国旗の半旗をいくつか見かけた。キールでもドイツ国旗の半旗を見かけたかも。欧州は弔意であふれている。
●夜8時からゾンダーボルク公演本番。これが今回のオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)ツアーでは欧州最初の公演となる。写真はゲネプロの様子。今回のシュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭のテーマは「トルコ」。ということでトルコ出身の美人双子デュオ、フェルハン&フェルザー・エンダーとの共演で、プーランクの2台ピアノのための協奏曲とバッハの2台ピアノのための協奏曲ハ短調が演目に組まれている。
●お客さんは後半のハイドン「驚愕」で笑い(仕掛けがあったので)、井上道義音楽監督から震災に対する日本への支援への感謝のメッセージが述べられた後、アンコールに中村八大「上を向いて歩こう」が演奏されると、客席にウルッと来る雰囲気が生まれたのを感じた。隣の席に座っていたおばあさんもアンコールにいちばん感動して、すばらしい音楽だったわねえ、と話しかけてくれた。
OEKツアー2011、北ドイツのキールへ
●オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)のアジア・ヨーロッパ・ツアー2011、韓国での公演を終えた後は、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭に出演するために北ドイツへ。インチョン→成田→フランクフルト→ハンブルクと飛び、ハンブルクからバスで1時間半ほどかけてキールという街へ(写真は駅)。ほとんどデンマークに近い。気温は20度を下回っているだろうか、涼しいというより肌寒い。夜10時近くまで外は明るい感じ。
●公演は明日からゾンダーボルク(デンマーク)、キール、ハンブルクで開かれる。まず今日はキールのコンサートホール(写真)でリハーサルから。
●ちなみにOEKのシュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭出演は2005、2008に続いて今回で3度目となる。
OEKアジア・ヨーロッパ・ツアー2011がスタート
●昨日から韓国に来ている。オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)のアジア・ヨーロッパ・ツアーに同行取材中。本日はソウル北郊に位置するウィジョンブでの公演で、会場はウィジョンブ・アーツ・センター(写真)という場所。
●武満徹「3つの映画音楽」、ハイドン:チェロ協奏曲第2番、アリラン、休憩後にベートーヴェンの7番とアンコールというプログラム。井上道義音楽監督指揮、チェロ独奏はユジョン・イという若い女性(写真はゲネプロ)。お客さんはずいぶんいろんな方がいて、楽章間に拍手が起きる程度には慣れていない感もある一方で、明らかに熱心なファンの若い男子二人組とかもいて、少し前の日本の地方都市の雰囲気を思わせる。金沢だってOEKができる前はこんな感じがあったんじゃないだろうか、なんとなく金沢の観光会館を思わせるホールだし。
●この後、ドイツでシュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭、フランスでラ・ロックダンテロンの音楽祭へと向かう。
コパアメリカ決勝はウルグアイvsパラグアイ/業務報告
●なんということか、コパアメリカ。前に決勝トーナメントの一回戦はアルゼンチン、コロンビア、ブラジル、チリが勝ち進むのが楽しそうだなんて書いたら、ぜんぶ敗退した(苦笑)。アルゼンチンもブラジルもPK戦で敗れた。で、ペルー、ウルグアイ、パラグアイ、ベネズエラと地味め(?)な四強が誕生し、決勝はウルグアイvsパラグアイ。グアイで脚韻を踏んでますなあ……と思わず詠嘆する、まさかの事態。
●だってパラグアイって、一勝もしてないんすよ。ぜんぶ引分け。グループリーグを3戦連続引き分けてなぜか決勝トーナメントに進み、トーナメントでは2戦連続の0対0で延長PK勝ち。フットボール的にはPK戦は引分け扱いなので、全引分け。こうなったら決勝も0対0で守りきって、PK戦に勝ってほしい。そうなれば「無敗の王者」にして「無勝の王者」が誕生する!
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●業務連絡。7月22日から8月4日まで、海外取材に出ます(仕事)。PC持参、メール連絡可、諸々応対はできます(ケイタイは概ね不可)。2週間もあるので、原稿仕事もいくらか持っていくしか。行き先、ミニレポートなど、明日以降適宜こちらで。
BBC Promsでブライアンの交響曲第1番「ゴシック」配信中
●夏のネットラジオといえば、まずは BBC Radio3 の Proms 2011。すでに7/15に開幕し、9/10まで公演が続く。オンデマンドで聴けるのがありがたい。例によって各公演とも7日間の期間限定なので、聴きたい公演はお早めに。なお、本来は映像配信される公演もあるが、日本からはアクセスできない。また音質面では期待できないので、そのあたりは割り切って楽しむが吉。
●今年はいきなり超弩級大作が上演された。あのブライアン作曲の交響曲第1番「ゴシック」が Prom 4 でマーティン・ブラビンズ指揮により演奏され、現在配信中なんである。ブライアン作曲の交響曲第1番「ゴシック」といえば、ギネスブックにも載っている世界最長の交響曲であり、同時に最大級の交響曲として知られている(いや知られているというか、知られていないというか、名のみ知られているけど、曲はみんな知らないというべきか)。2つのBBCのオーケストラ、4つのブラスバンド、6つの合唱団、4つの児童合唱団、4人のソリストが一堂に会して演奏する巨大な交響曲。8管編成、弦楽器は20-20-16-14-12、バンダあり。総勢800名の英国版「千人の交響曲」。全6楽章で約1時間45分は、現実に演奏会に乗る作品としては最長の交響曲ということになるのだろう。もっとも、これまでに5回しか上演されてないそうなんだが。ともあれ、この6回目には全世界からネットでアクセスできるわけで、しかも Proms みたいな注目度の高い場所で演奏されるなんて。
●あと5日、アクセスできるので、関心のある方はどぞ。今まさに再生しはじめたところなんだけど、これ、聴きとおせるかなあ……正直あまり自信はないんだが。ちなみに公演のチケットは発売初日で完売したんだそうです。マジすか。
なでしこ、読響温泉、N響「夏」
●三連休最大の話題はたぶん「なでしこジャパン」。W杯決勝でアメリカをPK戦で下して優勝。準決勝に勝った段階で、報道で「メダル確定!」と言っていたので、女子W杯はカップではなくてメダルなのかなと思っていたら、ちゃんとカップが贈られた。男子のカップをよりエレガントでモダンな感じにしたようなデザイン。
●なでしこはまったく見ていなかったので、せめて決勝くらいはと午前中の再放送で見ようと思ったら、テレビのスイッチを入れるのが10秒ほど早すぎたらしく、いきなり「BSニュース」のテロップでまさかの結果バレ。すっかりテンションが下がってしまった。あの試合を生で見ていたらずいぶん興奮したはず。
●月曜の「海の日」は下野竜也指揮読響へ(オペラシティ)。前半がヒンデミットの「下手くそな宮廷楽団が朝7時に湯治場で初見をした『さまよえるオランダ人』序曲」(下野竜也編・弦楽合奏版、世界初演)、ヒンデミット「管弦楽のための協奏曲」(日本初演とはびっくり)、後半にブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」。今日も同じ公演がサントリーであるので詳細は控えるが、会場に入ったらいきなり「読響温泉」で、演出付き「湯治場オランダ人」だった。笑う。いちばんおもしろかったのは「管弦楽のための協奏曲」。すごくいい曲。同名の作品ではバルトークが抜群に有名かつ傑作だと思うが、他にも数多くの作曲家が「管弦楽のための協奏曲」を書いている。コダーイ、ルトスワフスキ、ロジャー・セッションズ、スクロヴァチェフスキ等。読響の巧緻さもあってか、ヒンデミットはバルトークに次いで楽しめる作品と感じた……というか、似てないか? 特に第2楽章あるいは第1楽章を聴いて、バルトークの同名作を思い起こさないほうが難しい……いや、これはヒンデミットのほうが元祖なのでこの言い方はヘンか。後半の「ロマンティック」は強烈な音圧のマッチョなブルックナー。盛んにブラボーが飛んだ。
●15日(金)はNHKホールでN響「夏」2011。夏の名曲コンサート的な位置づけの演奏会だが、なんと指揮台にスザンナ・マルッキが立った。アンサンブル・アンテルコンタンポラン音楽監督を務めるフィンランドの女性指揮者。現代音楽の人という印象があるが、以前ネットラジオで聴いたどこかのオケ(失念)とのベートーヴェンの4番は、先鋭かつアグレッシブで驚いた記憶あり。この日はベートーヴェンの第5番。思ったよりオーソドックスなベートーヴェンだったが、明快でダイナミックな好演。棒を持たず、全身を使った指揮。一見華奢だけど、男前。アンコールにシベリウスの「悲しきワルツ」。前半、ラロのスペイン交響曲はベルリン・フィルのコンサートマスター、樫本大進がソロ。ソリストへのブラボーがすごかった。
アルゼンチンvsウルグアイ@コパ・アメリカ2011
●この週末からコパ・アメリカは決勝トーナメントへ。コロンビア 0-2 ペルーの番狂わせ?は結果だけを見て、アルゼンチンvsウルグアイを録画観戦。 アルゼンチンは日本と時差が12時間なので、わかりやすい。「いや、夏時間があるから一時間ずれるんじゃないか?」とつい思うが、アルゼンチンは冬なんである。だから12時間のまま。
●で、試合は開始早々から超ハイテンション。今までのグループリーグが昼寝だったとしか思えないほど激しい試合に。開始3分にウルグアイの15番、ディエゴ・ペレスが悪質なレイトタックルを仕掛けてきて、これにイエローカードが出た。本来レッドカード相当のプレイだと思うんだが、開始わずか3分でそんなものなかなか出せない。でもこれが大きな分岐点。だって、その3分後、フリーキックでこぼれたボールにそのディエゴ・ペレスが詰めて先制ゴールを奪ったんだから(しかも後で2枚目のイエローをもらって退場になるという主役ぶり。1枚目がレッド相当だったから主審の2枚目を誘発した面もあると思う)。
●序盤は両者とも熱くて最高のゲームだった。アルゼンチンは18分に、メッシが高速ドリブルしながらディフェンスをひきつけたところで、前線に走りこんだイグアインにパーフェクトなタイミングで浮き球のパスを送り、これをイグアインが頭で決めて同点ゴール。1-1 。神技アシスト。この試合に限らず、メッシとイグアインのコンビは気持ちが通じ合っている感じ(所属はバルセロナとレアル・マドリッドだけど)。
●ウルグアイは昨年ベスト4まで進んだワールドカップ時のチームをほぼそのまま持ってきている。成熟し切った、今がピークのチーム。フォルランはあいかわらずマッチョで頼りになる。スアレスは身体能力が高く、気持ちも強い危険な選手。アルバロ・ペレイラもアルゼンチンに脅威を与えていた。
●前半は両者ともにセットプレーからゴールをオフサイドで取り消される場面があり(微妙?)、39分に前述のディエゴ・ペレスが退場し、アルゼンチンは優位に立った……はずだったのだが、ここから試合が膠着する。アルゼンチンがウルグアイの守備を崩せない。後半に入ると、前半飛ばしすぎたこともあり両者ペースダウンし、むしろアルゼンチンの足が先に止まってしまう。ウルグアイは不利な状況でも、フォルランかスアレスにボールを渡すことができればカウンターに光明を見出せるという強みがある。イグアインのすばらしい反転からのシュートもあったが……。87分、アルゼンチンはマスチェラーノが2枚目のイエローで退場し、10人対10人になり延長戦へ。
●アルゼンチンは後半途中にアグエロに代えて投入したテベスが大誤算。周囲は足が止まっているのだからゴールに突進すれば何でもできそうなものを、淡白なプレーに終始し、信じがたいほど意欲を欠いていた。なにか起用法に不満でも? 延長に入ってもさっぱり。イグアインは消えた。メッシは走れなくなりつつも孤軍奮闘、非常に惜しいゴール・チャンスがあったが、相手キーパーのムスレラに止められてしまった。あれが決まっていればヒーローだった。メッシが理不尽な批判を浴びませんように。アルゼンチンの交代選手では22歳の中盤の選手パストーレが目を引いた。187cmの大型選手なのに柔らかいボールタッチを持つテクニシャン。不思議なほど彼にミドルシュートのチャンスがあり、何本も蹴ったが、すべて止められてしまう。ウルグアイは最後まで集中していた。
●PK戦へ。これは時の運ではあるが……。一人目のメッシが決めてくれたのは救い。しかしテベスがPKまで外してしまう。ムスレラの読みも見事だったが、雑に甘いコースに蹴ったようにも見えた。PK戦で、アルゼンチンは二人が幸運に後押しされて成功した。一方、ウルグアイは全員が決めるべくして決めた。一人目のフォルランは真ん中の上に蹴りこむという強気さ。地元アルゼンチンがここで敗退するとは。しかしワールドカップでの両者を思い出せば、驚きでもなんでもない。
アルゼンチン、ブラジルともに決勝トーナメントに進出
●世間は「なでしこジャパン」の決勝進出で盛り上がっているのだが、すっかりノーマークなのであった。
●で、コパ・アメリカ(南米選手権)だ。決勝トーナメントの組合せが決定した。アルゼンチン、ブラジルともにグループリーグ最終戦で勝利を収め、無事決勝トーナメントに進出できた。本来そんなの当然という気もするが、楽な戦いではなかったんである。なにしろともに2戦して2引分けの状態で第3戦に臨んだのだから。アルゼンチンとブラジルが第3戦でようやく初勝利するコパ・アメリカ。
●アルゼンチンは3戦目にコスタリカに 3-0 で快勝。得点はアグエロ2、ディ・マリア。メッシは2アシストで、この試合でもすばらしかった。もうメッシは自分のプレイ内容とは関係なく、チームが勝てなければ叩かれるし、勝てば崇められるといった感じでシンボル化している。悲劇だ。アルゼンチン快勝の原因は選手を代えたからか、あるいは布陣の変更なのか……。相手と実力差があり、かつお尻に火がついたから、ということなんでは?
●ブラジルはエクアドルを相手に 4-2。結果だけ見ると楽勝だが、途中までどちらが勝つかまったくわからなかった。ブラジルが得点するとエクアドルが追いつく展開で後半途中までは2-2。どちらもアタッカーはすばらしいが、守備は緩い。でもどうしても勝たなきゃいけないとなると、さすがにブラジルは強い。チームは気まぐれだけど、個人能力の高さですべてを解決するというのは、ある意味理想かも。
●準決勝がコロンビアvsアルゼンチン、ブラジルvsチリになるのがいちばん楽しそう。
「ラヴェル その素顔と音楽論」その3 ~ ララ!
●品切状態の本をさらにしつこく紹介する(笑)。「ラヴェル その素顔と音楽論」(マニュエル・ロザンタール著/マルセル・マルナ編/春秋社)。ラヴェルの譜面台に置いてあった楽譜。R・シュトラウスの「ドン・ファン」、リムスキー=コルサコフの「シェエラザード」は前にも挙げたけど、ほかにはサン=サーンスのピアノ協奏曲第5番がいつも置いてあった、と。ラヴェルはロザンタールにこう言った。
「まさに、この一曲の中にすべてがあるんだ。こんなにも少ない素材で、ここまで完璧な結果を出せるんだからね」。
●サン=サーンスのピアノ協奏曲はワタシも好きだが、普通だったら第2番ト短調か、あるいは第4番ハ短調を選びそうなものを、第5番ヘ長調とは意外。この曲、「エジプト風」の愛称の由来になっている第2楽章以降が、かなり気恥ずかしいタイプの曲で身悶えしてしまうんだが、まさかの第5番。ラヴェルも曲の悪趣味は認めていたようで、オーケストレーションの職人的な質の高さ、創意工夫を評価していたらしい……。
●ロザンタールがプッチーニを悪く言ったら、ラヴェルが「トスカ」全曲を弾いてくれたというエピソードもおもしろい。
●あと、ラヴェルの愛称。友人たちの多くは彼を「ララ」と呼んでいたという。こういう愛称の付け方がフランス語でどの程度フツーなのか、ワタシにはぜんぜんわからないんだけど、なんだかかわいい。プーランクは「ププール」で、著者によれば「プーランクにはなんともお似合いだ」となる。なんでラヴェルがララなの? プーランクはププじゃないの? ジェルメーヌ・タイユフェールは「メメーヌ」なんだって(笑)。ララもププールもオッサンの愛称としてはかわいすぎる。
J2昇格プレーオフ?
●「J2で昇格プレーオフ、Jリーグが来季導入へ」。うーん。チームの実力を測るのに長期にわたるリーグ戦以上のものはないはずで、わざわざ3~6位でプレーオフをする意味がわからない。実力の低いクラブをJ1に昇格させてどうする。「終盤の消化試合を減らす狙いもある」というが、それを言うならJリーグの大半の試合は消化試合だ。サッカーのリーグ戦ってそんなもの。終盤になったら普通のクラブは優勝も降格も関係なくなる。マリノスなんてほとんどのシーズンがそうだ。横河武蔵野FCにいたっては、J2昇格資格がないので、消化試合だらけということになってしまうではないか。「消化試合」という発想に違和感を感じる。万年中位クラブは何十年も「消化試合」をしているとでも?
●むしろJ2に降格がないことのほうがよっぽど問題。J2は「本来J2」組と「ついこの前までJFL組」がうまくブレンドしていなくて、二層構造みたいになっている。どうやったらJ2のクラブを(経営的に)安全にJFL(あるいはJ3)に落とせるか。J2下位のリーグ戦終盤の試合はヤバいんじゃないのか。
●J2はスタジアムB級グルメとかの充実に走ったほうがファンに喜ばれるんじゃないかなあ(JEF千葉は良い→フクアリグルメガイド)。
●ここ数日、ブログに設置したfacebookの「いいね」ボタンが正常に機能していなかったっぽい。検索すると他の大手ブログサービスでも原因がわからずに困っていたようなので、fb側の問題みたい。ダメモトで一つ応急処置をしてみたのだが、うまく機能しているのかどうか……。
「ラヴェル その素顔と音楽論」その2 ~ モテないラヴェル
●先日ご紹介した「ラヴェル その素顔と音楽論」(マニュエル・ロザンタール著/マルセル・マルナ編/春秋社)について、さらに。古い本で品切中のようだが、ならばなおさら。
●「ボレロ」についてラヴェルとトスカニーニが対決したという話はあちこちで目にしたことがあるだろう。トスカニーニのテンポが速すぎたので、ラヴェルがなぜそんなテンポで振るのかと問いただすと、トスカニーニは横柄に「あなたのテンポで演奏したら決して成功しません」と答えた、というようなエピソード。著者ロザンタールによれば、それは「でっちあげ」なんである。事実はむしろ逆で、ロザンタールがラヴェルに「もっとゆっくり演奏してほしいと言ったのですか」と尋ねると、ラヴェルは「もちろん違うよ。あの晩、トスカニーニは、このうえもなくすばらしい手さばきで、『ボレロ』を演奏したんだからね。あんなふうに演奏するなんて誰にもできない」と大指揮者を絶賛したという。
●いや、だからといって通説がまちがいだ、けしからん、とは思わないっすよ。ロザンタールが真実を書いているとどうしてわかる?(ワタシは信じるけど)。大作曲家について、身近な人々の証言(さらにいえば本人の証言)が無条件に信じられることなんてまれなこと。「真実はどうか」なんて探ってもしょうがなく、むしろ「なぜその話をみんなが選択的に信じるのか?」のほうがおもしろい。
●この本が教えてくれることはたくさんある。「ボレロ」で彼の世界的なキャリアがはじまったというのだが、それはつまり人生最後の10年の話であって、おおむね彼は名声や栄華という点ではずいぶん控え目な人生を生きていたということになる。彼は主流派とはいえなかった。経済的にも成功していたとはいいがたい(大ヒットしたオペラもないし、演奏家として大活躍していたともいえないので)。1928年にアメリカ・ツアーを成功させて、「初めてお金を銀行に預けにいく」といって有頂天になったラヴェルに対し、著者は「無理もないだろう。フランスでは、ラヴェルはろくに収入がなかったのだから!」と書いている。数年後、ラヴェルを病魔が襲い、彼の体の自由が利かなくなってから、著者はラヴェルに代わって署名をしていたが、ラヴェルが受け取った金額は当時の生活費にほど遠かった、おそらく弟の援助で暮らしていたのだろう、生活はつましかった、というのだ。ワタシが抱いていた「ダンディで、クールなラヴェル」像からはかなり遠い姿だ。
●しかもラヴェルはあんなにおシャレさんなのに(身だしなみも、作品も)、女性にはモテてなかったというのも衝撃的だ。というか、ゲイみたいな印象も受けるが、それも違うらしい。プロフェッショナルな女性とは大っぴらに、そして盛んに楽しんでいた。が、「ラヴェルが女性との愛情という面ではぱっとせず、さみしい生涯を送ったことは認めなければならない」。本当だろうか。なぜモテない? 謎だ。
週末フットボール・パラダイス~横河武蔵野&コパ・アメリカ
●土曜日は武蔵野陸上競技場でJFLの横河武蔵野FCvsカマタマーレ讃岐。JFLはこのブログではおなじみ日本サッカーの3部リーグであるわけだが、カマタマーレ讃岐は初登場であろう。明らかに讃岐うどん感の漂うこのネーミング、「釜玉うどん」とイタリア語で海を意味する「マーレ」を合体させて「カマタマーレ」と名づけられた香川県のクラブである。エンブレムの真ん中にあるのは……うどん!! えっ、マジでそんなノリ? コシのあるディフェンス、ダシのきいたオフェンスで、看板に偽りなし。元ジュビロ、元京都の西野泰正がいた。
●今季絶不調の横河武蔵野、この試合は「まず組織的守備から」というかつてのスタイルで臨んだはずだが(高松はベンチ外)、後半ロスタイムに失点してまさかの4連敗。だが内容は悪くなかった。気温33.6℃、午後3時キックオフの試合だが、走り勝っていたのは武蔵野。最後は讃岐の足が止まっていたのだが、チャンスに決めきれず。お互い決定機を逃しすぎたのは暑さのせいか……。これまで「門番」としてJ準加盟クラブを苦しめてきた武蔵野だが、今季は下の危険水域に近づいている。一度JFLから落ちると、次にあがるのは茨の道。復調を願う。
●コパ・アメリカのほうは、ブラジルvsパラグアイ戦で、またもブラジルが引分け。2-2。ブラジルが自由にパスを回せない。ロビーニョを使わなかった。パト、ネイマール、ガンソ、ラミレス、ジャジソン……。ジャジソンのゴールで先制したが、サンタクルスとバルデスに決められ逆転され、あわやこのまま敗戦かという90分に、やっとフレッジの同点弾。局所的にはブラジルらしさも垣間見えるので、単にスロースターターなだけだと信じたい。パラグアイはワールドカップのときと同様の、固くて強い完成されたチーム。
●ウルグアイ1-1チリのほうが盛り上がっていたか。チリは相変わらずの「モテたいサッカー」。パスを細かく回して(自分たちの技術以上に)華麗に攻めようとする、でも(体格の不利があるので)守るときはかなり激しくいかざるをえない。オレたち強いんだぜ、カッコいいんだぜ、男らしいんだぜ、という欧州サッカー界には希薄なマチズモを感じさせてくれる。ゴールを決めたアレクシス・サンチェスがすばらしい。
東フィルのプログラムに岡田武史監督
●東京フィルの7月のプログラムの巻頭に岡田武史ニッポン代表前監督がエッセイを寄せている。これが実に名文。きっと講演などでも話している内容なのだと思うが、日本サッカーがワールドカップへと向かうまでに尽力してきた人々の努力や思いを「レンガを積む作業」にたとえている。つまり、レンガを積むときに、ある人は縦に積むし、ある人は横に積む。横に積んだ人はあまり評価されないけど、その貢献には差がない、って言うんすよ。「私が2010年にレンガを上に積むことができたのは、2006年にジーコが横に積んでくれたお陰である」っていうのは、ホントにその通りだと思う(もちろん、その間にオシムも山ほどレンガを積んでいる)。
●東フィル創立100周年のメッセージなので、ちゃんと最後の段落を音楽の話題で結んでいる。これもいい話で、もううますぎるよ、監督。さすが……。あ、オンラインでは読めません。東フィルのお客さん向け。
●岡田監督は、どこかの監督やってなくても岡田監督。だってウチの監督だったから、マリノスの。札幌の人もそう思ってるはず。
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アルゼンチンvsコロンビア@コパ・アメリカ2011
●気になって見てしまうコパ・アメリカ、アルゼンチンの第2戦。いや、予想はしていた苦戦だけど、アルゼンチン 0-0 コロンビアでドロー。2戦して2引分けの開催国。きっと第3戦のコスタリカ戦は快勝して何事もなかったかのように次に駒を進めるとは思うが、むしろこれは引き分けることができてラッキーだったくらいの試合では。
●アルゼンチンは相変わらずチームになっていない。テベス、メッシ、ラベッシの3トップで始まり、途中からアグエロやイグアインを投入し、なおベンチにはディ・マリアとディエゴ・ミリートが残っているという超絶豪華攻撃陣。彼らが個々に突破するとチャンスになる。バティスタ監督は「9番(センタフォワード・タイプ)が必要かもしれん」とか言ったそうだが(笑)、もう前線はいいから。チームでプレイしようよ。
●コロンビアは前半のチャンスを逸したのが痛かった。ガブリエル・ミリートのチョンボから、モレノが無人のゴールに蹴り込むチャンスを得たのに、まさかのキックミス。内容的には押していたが、終盤は時間を空費して慎重に勝点1をゲット。これで勝点4でグループ首位に。
●メッシの調子はいいと思う。相変わらず当たり前のように異次元のプレイを見せているが、みんな見慣れてしまい、びっくりしなくなった。それどころかGoal.comの投票じゃいつもメッシがワースト選手になってしまう。選手も監督もメッシに依存しているし、ファンもメッシが一人で試合を決めてくれて当たり前くらいの気持ちなのかも。バルセロナは選手の動きについて非常に約束事の多いチームなんだそうだけど、アルゼンチン代表はカオスだ。それが「バルセロナのメッシ」と「アルゼンチン代表のメッシ」の違いとしか言いようがない。
ヴェルディ・イヤー、ワーグナー・イヤー、ショパン・イヤー
●今年はもともと来日オペラが集中している上に震災があって、先のことまでなかなか気が回らないが、それでも世の中は動いているのだなあ。と、NBSのオペラ・フェスティバル2012~2013を眺めて思った。2012年秋はウィーン国立歌劇場日本公演で小澤征爾指揮「スペードの女王」をはじめ3演目、2013年9月はミラノ・スカラ座がドゥダメルとハーディングとともにやってくるという驚きの展開。ドゥダメルは「リゴレット」、ハーディングは「ファルスタッフ」を指揮。この二人がオペラで来日するなんて。
●2013年はヴェルディ・イヤーなんすよね、生誕200周年で。ということは同じく1813年生まれのワーグナー・イヤーでもあるわけだ。なんてことだ。どっちの側に立つか、あと一年半以内に決めなきゃ(なんだそりゃ)。
●んーと、これは未読なんだけど、どうなんでしょ。「君のために弾くショパン」1巻(長江朋美著)。紹介文に「和音は幼い頃偶然出会った弘之とのピアノ演奏の楽しさを忘れられず、再会を夢見ていた。だが弘之は『ピアノ王子』と呼ばれるまでになり、近寄りがたい存在に。そんな和音の前に生誕200年のショパンの霊が! ショパンが二人の運命を変えていく――! 」とあるのだが、「ショパンの霊」っていうのに猛烈なワクワク感があってスルーしがたいのであり、さらに「この和音というのは清水和音なのか?」という素朴な疑問が謎を深めてくれる(てか、女性キャラなのか、これラブコメなんだから)。絵柄的には手を出しにくいところなので(いやamazonなら関係ないか)、誰かが背中を押してくれるの待ち。待ちガイル並に下ボタン押してタメてますサマソ。
ベルリン・フィル・デジタル・コンサート・ホールでアバド時代の映像を公開
●ベルリン・フィルのデジタル・コンサート・ホール(DCH)で、今月から通常のアーカイブに加えて、スペシャル映像としてアバド時代の映像が公開されている。基本的に週に2本ずつライブラリに加わるようで、第1回分として公開されたのが91年プラハと94年マイニゲンのヨーロッパ・コンサート。いやあ、アバドが若い、特に91年のは。
●古い映像なので、今のDCHのクォリティと比較にならないんだけど、楽団員もずいぶん入れ替わっていたり、あるいは今もいる人がうんと若かったりしておもしろい(なにせ20年だ)。そして、やはりベルリン・フィルのサウンドも違う。カラヤン時代ならともかく、アバド時代はラトル時代とそう違わないだろうと漠然と思っていたけど、こうして振り返ると、やっぱり濃いというか、重厚さを感じる。もっとも、変わったのはベルリン・フィルばかりじゃないし(世の中みんな知らないうちに変わってる)、良し悪しとは別の話だが。94年のブラームスの2番なんて、本当にすばらしい。
●次回7/8の更新では東京ライヴが公開される模様。
●この映像は、DCHのなんらかのチケットを持っていれば、追加料金なしで見ることができる。年間チケット、30日チケット、一日チケットなどいろんなチケットがある。一日チケットを買うくらいなら、その約3倍で30日チケットを勝うほうが断然オススメ。日本人のお客さんが多いので、サイトも日本語化されている上に、JCBのクレジットカードまで使えるのが驚き。
ブラジルvsベネズエラ@コパ・アメリカ2011
●あっ、いやいや、ワールドカップとかユーロとかのときみたいに、これから延々と毎日サッカー話が続くわけじゃないす。到底全試合見れないんで(ら抜き)、気になる試合を厳選、せめてブラジルの初戦は見ておきたいなと。
●で、今回のブラジル。ゴージャスなアタッカーたちが並ぶスーパースター軍団のアルゼンチンとは対照的なメンバー。前線の選手はブラジル国内組が多いんすよ。ロビーニョとかパトはいるんだけど、先発にサントスのネイマールとガンソがいる。フォワード登録は……あれれ、あとはベンチに一人、フルミネンセのフレドだけか。中盤から後ろはたしかに有名選手がそろっているけど、アルゼンチンのあれを見ると、少し華やかさを欠いて見える。が、それは錯覚。
●ブラジルvsベネズエラ、試合が始まると、ブラジルの怒涛の攻撃が続く。次から次へと狂ったように選手が後ろから押し上げてきて、細かいパスを意味レスな超絶テクニックでつなぎ、ボールを回す回す。バルセロナみたいなウイイレ名人的なきれいなパス回しではない。もっとムダだらけの合理性を欠いた、遊戯のパス。ああ、もうヨーロッパじゃ息耐えた、こんな濃厚な南米風味のサッカーをやるんだ、コパ・アメリカのブラジルは。華やかなんてもんじゃない。なんていうか、スゴすぎてバカバカしいレベル。こりゃ祭りだ!シュラスコ食いに行くぞ!
●と感激しながら盛り上がった、最初の15分くらいは。しかし今どきブラジル相手といえども好き勝手に弄ばれるような代表チームは存在しない。ベネズエラは次第に守備のペースをつかみ、高い位置からプレスをかけて、ショートカウンターでブラジルのゴールを脅かす。ブラジルも遊んでばかりはいられない。どんどん試合は膠着し、飛ばしすぎたブラジル人たちは後半は仏頂面でプレイするようになった。序盤の花火はなんだったのか。
●コパ・アメリカ、さすが南米すよね、だって時間通りにキックオフしないんだもの。録画を再生してたんだけど、キックオフ予定時間になってもまだ国歌も歌い終わってなかったんじゃないか。あの……余裕を持って設定していたつもりなのに、試合が終わる直前にプツッて録画が終了しちゃったじゃないですか。これは0-0で終わったんだろうなと思いつつ、ネットで結果を確認するとやはり0-0であった。
●うーん、じれったいぞ。スロースターターなだけなのかもしれないが、アルゼンチンとブラジルがいきなり引き分けてしまうとは。次は、7日のアルゼンチンvsコロンビア戦かなあ。グループCのチリvsメキシコも気になるけど。
アルゼンチンvsボリビア@コパ・アメリカ2011開幕
●うおぅ、 NHKはコパ・アメリカ(南米選手権)を全試合放映してくれるのかっ!
●と、喜んでばかりもいられんかもしれん、だってこれってホントは日本代表が参加する大会だったんだから、震災がなけりゃ。大地震があって、Jリーグが中断してしまい、その間のリーグ戦の日程を今消化しているのであり、大地震がなければ夏のJリーグを中断して、国内組中心のニッポンで冬のアルゼンチンへと遠征できたんであろう、そう、冬なんすよ、アルゼンチン。気温5度とか言ってるし。
●ところで南米選手権にニッポンが呼ばれるという点については、不思議じゃないんだろうか。メキシコやコスタリカ、あるいは以前の米国のようにアメリカ大陸の国が招かれるのはまだわかる。名前が「コパ・アメリカ」だし。で、なぜかニッポンも呼ばれる(笑)。実際、過去に実際一度参加している。そのときのニッポンは低調な出来で、まったく手も足も出ないという状態であった、かろうじて思い出せる美しい思い出は三浦淳宏のフリーキックでのゴール、対ペルー戦、負けたけど。
●ここで超トリビアです。この試合、すなわち1999年のコパ・アメリカ、ニッポンvsペルー戦で主審を務めていたのはだれでしょうか?
●上のリンク先動画を見た方は驚いたことであろう。ワタシもたった今、気がついて仰天したのである。その主審とは、あのモレノだ!!! 2002年の日韓ワールドカップで悪行の限りを尽くした、あのモレノだ! トッティに意味不明のレッドカードを出した、あのモレノだ! トンマージの完璧なゴールをオフサイドで葬った、あのモレノだ! そして、昨年9月に、パンツに6キロのヘロインを隠し持ってジョン・F・ケネディ国際空港で逮捕されたという、巨大パンツの持ち主にして力持ちのあのモレノだ!!!!!!
●ああ、興奮が止まらないぜ。1999年のニッポンvsペルー戦を、その後なにが起きるか知らずに見ていたワタシたち日本のサッカー・ファンに乾杯!(?)
●あっ、そうだ、コパ・アメリカ開幕だった、アルゼンチンvsボリビア戦。アルゼンチンは大変。一言でいえばワールドカップのときと同じ。監督はマラドーナからバティスタに変わっても、中身は相変わらずのカオスであり、メッシ頼み。メッシは並外れたプレーを見せていたけど、一人じゃできない。先発のフォワード3人がテベス、メッシ、ラベッシと並んでいて、途中交代でディ・マリアとアグエロが入ってくるというフォワード天国(まだベンチにイグアインとディエゴ・ミリートが余ってる。ワールドクラスのフォワードだけで1チーム作れそう!)。先制されてアグエロのスーパーボレーで追いついて、かろうじて1-1。前途多難。しかしこんなに攻撃のタレントがそろっているチームはどこ探してもない。
チャイコフスキー・コンクール結果発表
●チャイコフスキー・コンクールの結果は今日の午前2時30分頃に発表された模様。特に注意を払っていなかったので経過についてはぜんぜん知らないのだが、ともあれ結果だけでも。公式サイトはこちらの XIV International Tchaikovsky Competition 、ジャパンアーツのブログではこちらへ。注目のピアノ部門第1位はダニール・トリフォノフ。第2位はソン・ヨルム、第3位にチョ・ソンジンと韓国勢が続く。アレクサンダー・ロマノフスキーは第4位。
●声楽部門は女声第1位がセオ・スンヤン(ソプラノ)、男声第1位がパク・ヨンミン(バス)とこちらも韓国勢が大躍進。
●しかしこうして見ると、韓国系の名前は欧文表記からカタカナ表記あるいは漢字表記を連想するのが難しいなあ。Yeol Eum Son からソン・ヨルム、Seong Jin Cho からチョ・ソンジンって書き下せるかどうかってことなんだけど。ヨコのものをタテにしなければいけない編集者には難関だ。ソン・ヨルムの漢字表記は「孫熱音」らしいんだけど(音楽家になる前提で付けられた名前なの?)、漢字を見てもまったく音がわからない。しかし鄭明勳 = チョン・ミョンフン = Chung Myung-Whun だというのは日本のクラヲタならみんなわかるわけで、有名になれば覚えてしまうものかも。