●この週末からコパ・アメリカは決勝トーナメントへ。コロンビア 0-2 ペルーの番狂わせ?は結果だけを見て、アルゼンチンvsウルグアイを録画観戦。 アルゼンチンは日本と時差が12時間なので、わかりやすい。「いや、夏時間があるから一時間ずれるんじゃないか?」とつい思うが、アルゼンチンは冬なんである。だから12時間のまま。
●で、試合は開始早々から超ハイテンション。今までのグループリーグが昼寝だったとしか思えないほど激しい試合に。開始3分にウルグアイの15番、ディエゴ・ペレスが悪質なレイトタックルを仕掛けてきて、これにイエローカードが出た。本来レッドカード相当のプレイだと思うんだが、開始わずか3分でそんなものなかなか出せない。でもこれが大きな分岐点。だって、その3分後、フリーキックでこぼれたボールにそのディエゴ・ペレスが詰めて先制ゴールを奪ったんだから(しかも後で2枚目のイエローをもらって退場になるという主役ぶり。1枚目がレッド相当だったから主審の2枚目を誘発した面もあると思う)。
●序盤は両者とも熱くて最高のゲームだった。アルゼンチンは18分に、メッシが高速ドリブルしながらディフェンスをひきつけたところで、前線に走りこんだイグアインにパーフェクトなタイミングで浮き球のパスを送り、これをイグアインが頭で決めて同点ゴール。1-1 。神技アシスト。この試合に限らず、メッシとイグアインのコンビは気持ちが通じ合っている感じ(所属はバルセロナとレアル・マドリッドだけど)。
●ウルグアイは昨年ベスト4まで進んだワールドカップ時のチームをほぼそのまま持ってきている。成熟し切った、今がピークのチーム。フォルランはあいかわらずマッチョで頼りになる。スアレスは身体能力が高く、気持ちも強い危険な選手。アルバロ・ペレイラもアルゼンチンに脅威を与えていた。
●前半は両者ともにセットプレーからゴールをオフサイドで取り消される場面があり(微妙?)、39分に前述のディエゴ・ペレスが退場し、アルゼンチンは優位に立った……はずだったのだが、ここから試合が膠着する。アルゼンチンがウルグアイの守備を崩せない。後半に入ると、前半飛ばしすぎたこともあり両者ペースダウンし、むしろアルゼンチンの足が先に止まってしまう。ウルグアイは不利な状況でも、フォルランかスアレスにボールを渡すことができればカウンターに光明を見出せるという強みがある。イグアインのすばらしい反転からのシュートもあったが……。87分、アルゼンチンはマスチェラーノが2枚目のイエローで退場し、10人対10人になり延長戦へ。
●アルゼンチンは後半途中にアグエロに代えて投入したテベスが大誤算。周囲は足が止まっているのだからゴールに突進すれば何でもできそうなものを、淡白なプレーに終始し、信じがたいほど意欲を欠いていた。なにか起用法に不満でも? 延長に入ってもさっぱり。イグアインは消えた。メッシは走れなくなりつつも孤軍奮闘、非常に惜しいゴール・チャンスがあったが、相手キーパーのムスレラに止められてしまった。あれが決まっていればヒーローだった。メッシが理不尽な批判を浴びませんように。アルゼンチンの交代選手では22歳の中盤の選手パストーレが目を引いた。187cmの大型選手なのに柔らかいボールタッチを持つテクニシャン。不思議なほど彼にミドルシュートのチャンスがあり、何本も蹴ったが、すべて止められてしまう。ウルグアイは最後まで集中していた。
●PK戦へ。これは時の運ではあるが……。一人目のメッシが決めてくれたのは救い。しかしテベスがPKまで外してしまう。ムスレラの読みも見事だったが、雑に甘いコースに蹴ったようにも見えた。PK戦で、アルゼンチンは二人が幸運に後押しされて成功した。一方、ウルグアイは全員が決めるべくして決めた。一人目のフォルランは真ん中の上に蹴りこむという強気さ。地元アルゼンチンがここで敗退するとは。しかしワールドカップでの両者を思い出せば、驚きでもなんでもない。
July 17, 2011
アルゼンチンvsウルグアイ@コパ・アメリカ2011
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