October 24, 2011

週末コンサートとマリノス無勝街道

●21日(金)はメッツマッハー指揮新日本フィルへ(すみだトリフォニー)。昨シーズンのハルトマン+チャイコフスキーの交響曲第6番が圧倒的だったので、今回も期待して。前半はバッハ~シェーンベルク編曲の前奏曲とフーガ、シェーンベルクの管弦楽のための変奏曲。両曲とも本当に美しい響きのするシェーンベルクで、大編成にもかかわらず透明感があって、彩り豊か。ある意味ロマンティック、後半のブラームス以上に。すばらしい。メッツマッハーはブラームスの交響曲第1番冒頭を「ふんわり」振って(棒は持たない)開始した。至るところが慣習的ではない、ごり押ししないブラームス。予期しないところに息づく抒情性、局所的に爆発する推進力。全曲を突き通す直線的なドラマから逃れることに成功した。超名曲の最大公約数的な退屈さから自由になれたのは吉、そして客席の熱さはまだら模様。
●22日(土)は白寿ホールで大井浩明リゲティ全鍵盤作品演奏会。前回クセナキスに続いてモダンチェンバロも登場。年代順に作品が並び、ムジカ・リチェルカータで始まってエチュード第3集で終わる(エチュードは第1集から第3集までの全曲による通奏日本初演とか)。こうして鍵盤曲だけ集めるとリゲティの曲は多彩な小品が並ぶことになる。ルール、パターン、パズル、ゲーム、騙し絵。楽しい。このリゲティがPortraits of Composersと題されたシリーズの中ではもっとも「クラシック側」から近い回か。恐ろしげな難曲も易々と弾かれる。激烈かつ秀麗。アンコールにナンカロウ2曲。そしてアフタートークとして前回補遺、クセナキス「ホアイ」とピアノ協奏曲「シナファイ」および「エリフソン」との関連について。このシリーズ、次回は11月23日にブーレーズの全ピアノ曲。さらに12月韓国人作品、1月シュトックハウゼンと続く。前衛無双まだ間に合います。
●フットボール。Jリーグタイムで「マリノスは浦和に逆転負けで優勝争いから一歩後退」みたいに言われてしまった。あの、もうずっと前にすっかり後退しまくってるわけで、今頃そんな気をつかってくれなくても。柏木のすばやいリスタートから守備陣形が整わずに失点とか、最近何度も見た光景のような気がする。いつも隙をつかれる。Jリーグってこんなに抜け目のないチームばかりなのかと錯覚する。いや、錯覚じゃなくて現実なのか、これ。

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