October 28, 2011

チッコリーニのモーツァルト

●27日(木)はすみだトリフォニーホールでアルド・チッコリーニによる協奏曲。トーマス・カルブ指揮新日本フィル。チッコリーニは1925年生まれだから、86歳!? うーん、信じられない。この夏、フランスのラ・ロック・ダンテロン音楽祭でOEKとの共演を聴いたばかりなのだが、そのときはベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番とシューマンのピアノ協奏曲を休憩を挟まずに立て続けに弾いた。それに比べれば、この日のモーツァルトのピアノ協奏曲第20番&第23番(間に30分休憩)なんていうのは、老巨匠にとって軽めのプログラムなのかもしれない……。いや、でもこの年齢で欧州と日本を行き来してるんだからなあ。プレヴィン(1929)、スクロヴァチェフスキ(1923)、ブロムシュテット(1927)、みんな80代で来日してくれる。驚異。
●チッコリーニは自力でゆっくりゆっくりピアノまで歩いてくる。ひとたび鍵盤に向かうと矍鑠として、とてもその年齢には見えなくなる。余計なものをそぎ落とした簡潔でけれんみのない音楽を聴かせてくれるんだけど、一方で彼の生きてきた時代を伝えるかのようなロマンティシズムが息づいていて、潤い豊か。特に後半の第23番がすばらしかった。アンコールはスカルラッティの有名なソナタ ホ長調K.380。絶品。
●客席に著名ピアニストを何名か見かけた。えっ、なんでいま日本にいるの?みたいな人も含めて。
●ワタシはこの日のみなんだけど、東京ではこの後31日に同じくすみだトリフォニーホールでリサイタルが開かれる。リスト、ベートーヴェン他。
●あと11月2日は金沢でチッコリーニ&OEKのチャリティ・コンサートがあって、この日は半分協奏曲&半分リサイタルという構成になっている。きっと特別な公演になるはず。今日の北國新聞朝刊にオススメ記事を書いたので、地元の方はどぞ。

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