●11月24日、ミューザ川崎の市民交流室にて東京交響楽団の2012年度ラインナップ発表記者会見。ユベール・ズダーン音楽監督(写真)、大野順二楽団長他が出席し、2012/13シーズンのラインナップについて語ってくれた。シーズン・テーマは「マーラー・リーダー(歌曲)・プロジェクト」。「子供の不思議な角笛」「大地の歌」「さすらう若人の歌」「リュッケルトによる5つの詩」「若き日の歌」「亡き子をしのぶ歌」「嘆きの歌」初稿が演奏される。「今シーズンのシェーンベルク・シリーズでは多くのお客さんに足を運んでもらえて嬉しく思っている。シーズン・プログラムは人気作品ばかりではいけない。よいプログラムとは聴衆に考えさせるプログラム。来シーズンはマーラーの歌曲を取り上げる。これらは日本ではそう多くは取り上げられない。シェーンベルクの大成功を受けて、勇気を持ってマーラーの歌曲に取り組みたい。優れた歌手たちをそろえることができたので、楽しみにしてほしい」(ユベール・ズダーン)。
●マーラーは2年連続の記念年があったばかりなので一瞬「えっ!?」と思ったけど、その後で歌曲というのはいいかも。交響曲はこの2年間でいろいろなオーケストラで聴くことができたわけだから。
●ズダーンはこんな話もしていた。「私が東響に就任して以来、いちばん変わったのは音だと思う。日曜日にテレビでNHK交響楽団がブルックナーの交響曲第7番を演奏しているのを聴いた(注:ブロムシュテットの指揮)。これは決して批判ではないのだが、われわれの音とはまったく違うと感じた。どちらが優れているかという問題ではなく、わたしたちの音があるということを実感した。これまでにわたしたちがモーツァルトから始めて、ハイドン、シューベルト、シューマン……と今日までさまざまなレパートリーを経験してきた結果だろう。評論家やメディアのみなさんがおっしゃるように、東響の音は中欧的で、豊かで幅があり、アグレッシブではなく、そしてどの作品でもはっきり音が聞こえるように演奏できるようになってきた」。
●なお、ミューザ川崎はまだ使用できないので、川崎定期は横浜みなとみらいホールに移される。みなとみらいが一段と賑やかになる、オケ的に。また名曲全集シリーズは川崎市教育文化会館で開催される。
November 29, 2011