●ついに「アルテス」Vol.1(アルテスパブリッシング)が刊行された。「質の高い評論や批評、研究を掲載する季刊ペースの音楽言論誌」とあるように、手にとった感覚で言えば「ユリイカ」の音楽版みたいな雰囲気。音楽のジャンルもまったく限定していない。今までにこういった音楽誌はなかったのでは。企画にもデザインにもとても力が入っているのがひしひしと伝わってくる。
●まだ半分ほどの記事を読み終えたところだが、様々な立場やジャンルの方々が執筆しているので、それぞれに違った手触りがある。特集のテーマは「3.11と音楽」。高橋悠治さんのインタビューが圧巻。「地震が起こっても津波が起こっても、芸術が変わったというためしはない」。「音楽は必要じゃないんですよ。それは最初からわかっていることでしょ」。このインタビューは別格。
●後半の特集以外の記事の「それぞれ書きたいことをのびのび書いている」感のほうがワタシは好きかな。濱田芳通さんのテレマンの話とか、すばらしい。卜田隆嗣さんの「音声、いろいろ」も(門外漢なりに)抜群におもしろいと思った。
December 1, 2011