December 6, 2011

リア王爆発しろ!

●先週足を運んだ演奏会について、忘れないようにメモ。
●30日(水)はカンブルラン指揮読響へ(サントリーホール)。ベルリオーズの序曲「リア王」、チャイコフスキーの幻想序曲「ロミオとジュリエット」、交響曲第6番「悲愴」。期待通りの颯爽とした「悲愴」を満喫。特に第2楽章、第4楽章が快速テンポでキビキビ進んで気持ちいい。第3楽章のいつも恥ずかしくて悶えたくなるマーチの後、ほとんど間をおかずに第4楽章に入る。でもとてもエモーショナルで、事実、曲が終わった後の客席に完璧な深い深い沈黙が訪れた。「リア王」はヘンな曲だ。「恋人から別の男に心変わりした手紙を受け取ってショックで海辺や林をさまよい歩きながら作曲したベルリオーズの序曲『リア王』爆発しろ!」と自信を持ってTwitterでつぶやいてみたが、ちっともウケなかった。今こうして書いてみたら、やっぱりおもしろくない気もする。
●3日(土)はデュトワ指揮N響でマーラー「千人の交響曲」(NHKホール)。いつもはNHKホールのステージが広すぎると感じるのに、合唱含めて約500名ほどが乗るとなるとさすがにびっしり埋まる。限りなく巨大。普段、録音で聴いていると混沌とした曲と感じるのに、この日はほとんど透明感すら感じさせる「千人」。指揮がはっきり明快。信号なしの五叉路六叉路をスムーズにクルマが流れていくイメージ。このホールが音響的に飽和したのを第1部ではじめて体験した。そして曲が終わるのが早く感じた。巨大であるというイベント性に圧倒されて、中二病がぶり返しそう。
●翌日4日(日)にバッハ・コレギウム・ジャパンのバッハ「クリスマス・オラトリオ」(オペラシティ)。前日の「千人」の巨大世界から、総勢40人くらいの大作へ。安心して身をゆだねる。全曲ではなく、前半に第1部と第2部、後半に第3部と第6部。1回の演奏会ならこれで十分。トランペット(マドゥフら3人が腰に片手をあてて吹く)とティンパニ(元読響の菅原淳さん。夏のOEK欧州ツアーにも参加されていた)が加わったときの晴れやかな祝祭感に気分が浮き立つ。

このブログ記事について

ひとつ前の記事は「J1は柏が優勝、J2からは東京、鳥栖、札幌が昇格」です。

次の記事は「ドヴォルザーク「ルサルカ」@新国立劇場」です。

最新のコンテンツはインデックスページへ。過去に書かれた記事はアーカイブのページへ。

ショップ