●今回が初来日(!)となるフライブルク・バロック・オーケストラを聴いてきた(11日オペラシティ、14日三鷹市芸術文化センター)。演目はバッハの管弦楽組曲全曲。3番、2番、休憩をはさんで1番、4番と、にぎやかな曲を両端に。2番のみ弦楽器各一名の最小編成。至福のバッハ。弦も管も太鼓もみんな本当にうまい。生気と躍動感に富んでいるけど、ぜんぜん過剰でもアグレッシブでもない。饒舌なバロック・アンサンブルも大好きだが、節度が保たれたバッハももちろん吉、圧倒的に。
●音楽監督はヴァイオリンのゴットフリード・フォン・デア・ゴルツ。体の向き、動き、視線、いろんな手段を使って盛んに意思疎通を図りながらアンサンブルを統率する。こんなにリーダーシップをとってるんだ。でもリーダー以外も演奏中のメンバー間コミュニケーションが多い。顔を見合わせて「ニコッ」とか、まるでおしゃべりしながら演奏してるみたいな感じが伝わってくる。
●フライブルク・バロック・オーケストラって、今までヘンゲルブロック時代の録音をもっぱら聴いてたんすよね。だからヘンゲルブロックの印象が強いんだけど、もうそれってすっかり過去っぽい。だってオフィシャルなプロフィールを見てもヘンゲルブロックの名前が載ってない。公式サイトにもない。まるで黒歴史だったみたいな扱いで、それもなんだか落ち着かないんだけど。
January 15, 2012