January 17, 2012

上岡敏之指揮読響、アルカント・クァルテット

●16日(月)は上岡敏之指揮読響のR・シュトラウス・プロ(オペラシティ)。「死と変容」、四つの最後の歌(アンナ=カタリーナ・ベーンケ)、「ドン・ファン」「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」という演目で楽しみにしていたのだが、期待通りのすばらしさ。「ティル」や「ドン・ファン」の豪快さに胸がすく。個人的に鳥肌度の高いのは「死と変容」。
●前にシュトラウスは「なんちて」が付くっていう話をしたけど、「死と変容」もまさに「死と変容、なんちて」なんすよね。死に瀕して抗いながらも打ち破れ、肉体は朽ちるが魂は天界にて浄化される、なんていう深遠なテーマをエンタテインメント性の豊かな管弦楽作品に仕立てる25歳の若者。いかがわしいものほど真摯さを必要とする(そしてマジメなものほど笑いがほしくなる)。上岡シュトラウスは真摯で饒舌だった。「死と変容」はこうでなくては!(←誰?)
●「死と変容」を「使徒変容」に変換したがるウチの新世紀MS-IME。
●15日(日)はトッパンホールでアルカント・クァルテット。バルトークの弦楽四重奏曲第6番、ハイドンの弦楽四重奏曲ロ短調Op.64-2、ドビュッシーの弦楽四重奏曲。異次元のうまさ。ヴィオラのタベア・ツィンマーマンの存在感がすさまじい。アンティエ・ヴァイトハース第1vn、ダニエル・ゼペック第2vn、ジャン=ギアン・ケラスvcの豪華メンバー。後半がドビュッシーだけでやや短いなと思ったが、アンコールで3曲。クルタークのカプリッチョ、ブラームスの弦楽四重奏曲第3番第3楽章、バッハ「フーガの技法」からコントラプンクトゥス1。アンコールの曲名をケラスが甲高い声の日本語で告げて、軽く萌える。
アルカントのドビュッシー他●そういえばアルカントのドビュッシーは前にCDを買ったきり、ずっと積んだままになっているのだった。聴かねば、聴きたい、聴こう。なぜか得した気分になるという謎。


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