February 17, 2012

LFJ2012記者発表へ

LFJ2012記者会見
●今年もいよいよ「ラ・フォル・ジュルネ」のプログラムが発表された。記者発表は例年のように盛りだくさんの内容。オフィシャルっぽい話はLFJ公式ブログおよびTwitterアカウントLFJtokyoBLOGをご覧いただきたく。
●で、ここでは個人的雑感などを。まず、今回「サクル・リュス」(ロシアの祭典)ということでロシア音楽大特集なんであるが、プログラムを一通り眺めて思ったのは、「作品を聴く」という点で言えば、近年のLFJでもっとも新鮮味のあるプログラムになったかな、ということ。「ここでしか生で聴くチャンスはなかなかないだろう」っていう曲が多い。
●あとロシア音楽というテーマに近づきやすいとも近寄りがたいとも言いづらい気分を感じていて、この領域に対する思いは複雑。ポスターの6人、いるじゃないすか。あの中で誰がどうかっていうと、無条件で好きなのはストラヴィンスキーとプロコフィエフ。逆にすごく共感しにくいのはラフマニノフとショスタコーヴィチ。ラフマニノフがいちばんキツい。そういう自分から距離を感じるものをたくさん聴いてみたい。あとチャイコフスキーもオーケストラ作品以外はすごく遠い。「四季」なんて通して聴いたことはないし。
●なので、実際に聴けるかどうかは別として自分のぜひ聴きたいプログラム。まず、ラフマニノフの合唱交響曲「鐘」+「晩祷」抜粋(カペラ・サンクトペテルブルク、リス/ウラル・フィル)。こんな機会がなきゃ聴けないし聴かない。
●それからスクリャービンの交響曲第5番「プロメテウス」(リス/ウラル・フィル)。これは「照明付き」とだけあるので、色光ピアノ的なものを使うというわけではないのかもしれない。以前、アシュケナージ指揮N響で色光ピアノ的なものが再現されていたが、それに比べると「照明付き」というのは簡易な演出の可能性もあるが、もともと「いかがわしい」ものを聴きたいわけで、そこは演出次第でどうにでもなりうる。ある意味、賭け。
●ヴィシネグラツキーの「24の前奏曲」(伊藤恵&北村朋幹)。昨年、R・シュトラウスですばらしいデュオを聴かせてくれた師弟コンビが、なんと、ヴィシネグラツキーの「24の前奏曲」。これって2台ピアノの1台を四分音ずらして、1オクターヴを24の音で構成するってヤツっすよね?
●ピアノ・トリオ巡り。チャイコフスキー以来のロシアの伝統として、偉大な芸術家を悼んでピアノ三重奏曲を作曲するというものがある。チャイコフスキー、アレンスキー、ラフマニノフ、ショスタコーヴィチとピアノ・トリオ巡りができたらいいなあ。でも現実的にはこれは難度が高いと思う。
●室内楽は全般に魅力度が高い。アレンスキーのピアノ五重奏曲とかグリンカの大六重奏曲も聴いてみたい。アレンスキーのほうはいっしょにシュニトケのピアノ五重奏曲もくっついてくるのか……ふうむ。ショスタコーヴィチのピアノ五重奏曲はなんども演奏されるから一回くらいは聴けると信じたい。

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