●前エントリーに書いたように、書くための美しい等幅フォントというのは意外とある(しかも無料だ)。だが、これらをWindowsにインストールしても、きれいにアンチエイリアスが効かないことが多い(等幅メイリオは別として)。で、それじゃあ納得行かないということで、以下の対策が考えられる。
●その1。gdipp をインストールしてWindowsのGDIを乗っ取る。これは画期的で、別世界が広がる。これまでビットマップが表示されていたMSゴシックやMS明朝のようなフォントまで、美しく表示されるようになる。もちろん、VLゴシックやMiguフォントもとってもきれいに。インストール方法はいくつかあるが、WindowsのServiceとして動かすのが吉かと。なお、設定で除外アプリや除外フォントを追加することもできる。たとえばメイリオはWindows標準環境に最適化されているから除外しよう、とかできるわけだ。
●ただし、gdippは多少PCの知識を要求すると思う。インストールは管理者権限で。権限がなくてうまくインストールできなかった場合は、フォルダに残っている.dllファイルをWindowsフォルダに手動で放り込んでやればいい。また、Program Filesフォルダ以下にインストールした場合、設定ファイルを書き換えるときにとまどうことがあるかもしれない。書き換えたのにちゃんと反映されていないなあ?という場合は、「互換性ファイル」の罠を疑うといい。あと、Windows上でサービスとして機能するので、止めたり動かしたりするときは、スタートボタン→管理ツール→サービスで。まあ、自分であれこれ設定しなくても、それなりに満足して使えるが。
●その2。gdippと同様の機能を持ったソフトにMacTypeというものがある。これはgdippより簡単だし、デフォルトでの描画も十分美しくて、なおかつこだわる人は満足行くまで細部を調整できる。なので、今ワタシはこれのポータブル版をインストールして試用している……ただし、中国語での案内しか見当たらないので(日本語対応はしている)、その点は敷居が高い。今のところは、非常にすぐれていると感じるのだが、あくまでも人柱気分で。
●その3。秀丸エディタで原稿を書いているのであれば、このエディタの最近のバージョンを使って、きれいなアンチエイリアスを実現することができる。Windows全体に効かせるのではなく、エディタ上できれいなフォントが使えればそれで十分じゃん、という考え方でいいなら、これも悪くない(読むフォントはメイリオでいいわけだし)。秀丸エディタのVer8.10以降はWindowsのDirectWrite対応になったので、動作環境で「ClearType高精細」を選んでやると、フォントが標準のClearTypeより格段に美しくなる(明朝系だと滲んでうまくいかないフォントもあるが……)。この方法はgdippやMacTypeに比べて、簡潔な解決策であるところがいい。予期せぬ問題も起きないだろうし。今サブで使っているノートブックはこちらの設定をお試し中。
March 21, 2012