●昨晩は開催中の「東京・春・音楽祭」から、広瀬悦子ピアノ・リサイタルへ(上野学園石橋メモリアルホール)。ショパン、アルカン、リストとヴィルトゥオジティ満載のプログラム。この日の楽しみはアルカンの「鉄道」と「風」。「鉄道」は爆走する機関車を描いた曲ということで、その疾走感や機械主義的イメージの鮮烈さでオネゲル「パシフィック231」にも劣らない快作だが、ライブで聴いたのは初めて。期待以上のおもしろさ。ニュアンスに富んだ演奏で、技巧と意匠だけの音楽ではないと実感。他にショパンのバラード第1番、リスト「巡礼の年 第2年イタリア」から「物思いに沈む人」「ヴェネツィアとナポリ」他、強靭豊麗。
●アルカンの「風」が吹いて、「鉄道」で風を切って、ロッシーニ~リスト編「ウィリアム・テル」序曲は第2部で嵐が吹くし、アンコールではショパン「木枯らし」も吹いて、風度の高いプログラム。東京春祭だから春一番、なのか?
March 23, 2012