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April 8, 2012

東京・春・音楽祭~ミュージアム・コンサート寺神戸亮、インバル&都響

●昨日は「東京・春・音楽祭」でダブルヘッダー敢行。午後イチで上野駅に着くと大変な人出。桜満開・週末・晴天。街が限界いっぱいまで人で飽和している。駅員さんが構内でロープを張って人の流れを誘導しており、駅から出るのも一苦労。よれよれになりながら東京都美術館までたどり着くと、館内は人も疎らで静かで落ち着いた別世界。ビバ美術館。
●午後2時から講堂でミュージアム・コンサート、寺神戸亮無伴奏ミニリサイタル。「美術と音楽~絵画に描かれた楽器たちvol.5」と銘打たれており、プレトークでは、楽器が描かれた絵画を手がかりに、音楽ではなく美術について語られる。これはいいすね。で、演奏中に寺神戸さんが楽器や弓の紹介をわかりやすく話してくれるのもありがたい。ビーバーの「ロザリオのソナタ」からパッサカリア、テレマンの無伴奏ヴァイオリンのための幻想曲から、バッハの無伴奏パルティータからのシャコンヌ。講堂なので残響も少なく、音楽を聴く場所というより講義を聴く場所なのだが、演奏者との距離も近く、トークが入ることもあって贅沢な体験に感じられた。以前にも感じたけどこの「ミュージアム・コンサート」のシリーズは短いプログラムなのに満足度が高い。
●夜のインバル都響まではたっぷり時間がある。予定では花を見てぶらつくか、いずれかの美術館あるいは博物館を見るつもりだったのだが、小さな買い物の用があって街のほうに出たらそれだけで疲労困憊してしまった。人出に酔う。なんでもない店にずらっと行列ができる状態で、腰を落ち着ける場所にも苦労したが、かろうじてお茶と食べ物にありつけた。
●インバル都響はストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」1947年版と「火の鳥」1910年全曲版という、うなぎ食ってステーキ食うみたいな豪勢プロ。見通しがよく、かつ剛悍な音楽に爽快な気分に。桜も人ごみもパンダも全部なぎ倒してくれようという快演。前半も後半も盛んにブラボーが飛んでいた。都響はときどきしか聴いてないけど、もっと聴くべきかも。そして文化会館には文化会館ならではのよさがあるなと改めて再認識、特にこういう作品だと。

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