May 10, 2012

ラ・フォル・ジュルネ2012復習 公演編その1

●記憶の風化スピードは早い、常に予測を上回って。出力せよ、外部記憶装置に。
●LFJでは毎回、驚きをもたらすアーティストたちが登場する。LFJブログチーム内で「今年、いちばんのサプライズをもたらしたアーティストは誰だったか?」が話題になった。議論の結果、3位がモスクワ大司教座をはじめとする三大合唱団、2位が渋さ知らズ、1位が最終日の展示ホール無料公演に出演したマーブル(マトリョミン・アンサンブル)ということで落ち着いた。いや、それワタシゃぜんぶ聴き逃したんだが……。恐るべし、マトリョミン。
●渋さ知らズは前夜祭コンサートが終わった後、地上広場の「熱狂のプレナイト」で少しだけ。5月2日はホールAでの前夜祭コンサートの前に、生中継でNHK総合の番組「首都圏ネットワーク」で、LFJが紹介されるということで、少しだけ出演させていただいた。好田タクトさんとご一緒。事前にほとんどだれにも話さずにいたのだが、意外なところから反響があったりして、NHK総合のリーチの広さを実感。前夜祭コンサートは司会付き休憩なしで、都響、パリ室内管、ピアノのビジャーク姉妹らが出演する音楽祭プレビュー的コンサート。スヴェンセン&パリ室内管が予想以上にていねいで美しい響きを聴かせてくれた。
●3日の本公演開幕はあいにくの雨。この音楽祭がこんなふうに悪天候ではじまった記憶はない。お客さんの出足にも影響したのでは。LFJ公式ブログの取材のため、まずはジャン=ジャック・カントロフ指揮シンフォニア・ヴァルソヴィアによる「0歳からのコンサート」へ。チェブラーシカの人気の高さに圧倒される。侮れない、巨大猿。OTTAVAのブースにも出演。あのブースの裏側の控えエリアに入るとなぜかお菓子を食べたくなる。そしてたいていお菓子がある。mgmg。メジューエワのロスラヴェッツ&メトネル、ペレスのラフマニノフ(凛々しい)、ベレゾフスキーによるチャイコフスキーのピアノ協奏曲第2番を聴けた。チャイコ2番は録音でしか聴いていなかった曲。ヴァイオリンとチェロのソロが出てくる第2楽章では、チェロが椅子をコンサートマスターのそばに移動して演奏。第3楽章ではまたもとに椅子を戻した。なるほど、こうするのか。ベレゾフスキーは同曲をナントでも弾いていてその評判はもう一つと聞いていたんだけど、東京での演奏は準備万端絶好調。初日深夜なのでホールAはガラガラだが、お客さんの多くがブラボー&スタオベでまさに「熱狂の日」。こういう圧倒的な盛り上がりを目の当たりにすると「名曲」ってなんだろう?と改めて思う。キャッチーな冒頭を持たないこと以外に、この曲が第1番より演奏頻度が極端に低い理由がわからなくなる。

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