●26日(土)はトッパンホールでフォルテピアノのクリスティアン・ベザイデンホウト(ベズイデンホウト)のリサイタルへ。ハイドンとモーツァルトのソナタ2曲ずつというプログラムで、前半にハイドンのソナタ第32番ト短調+モーツァルトのソナタ第14番ハ短調K457、後半にソナタ第58番ハ長調+モーツァルトのソナタ第13番変ロ長調K333という二部構成。なかなかリサイタルとして成立させるのが難しそうな簡潔な演目なんだけど、聴きごたえは猛烈に大。特にモーツァルト。多彩というか饒舌というか、意外なくらい身振りの大きな音楽なんだけど、天衣無縫、自然体の音楽。ぜんぜんアグレッシブではない。
●ワタシはリストとラフマニノフの全作品あわせたよりもモーツァルトのソナタ1曲のほうが好きというくらいにはモーツァルト好きなんだけど、彼のソナタのなかでどれがいちばん好きかといわれたら、たぶん第13番変ロ長調って答えるかも。オペラにおける「フィガロの結婚」、交響曲における「プラハ」と同じ雰囲気を持つソナタがこの曲。ベザイデンホウトの演奏にはオペラ的な雄弁さと節度が絶妙のバランスを保っていた。至福のひととき。
●ところで、舞台上のベザイデンホウトは痩身だった。少しナヨッとした感じに痩せてて、とってもオシャレさんに見える。でもHarmonia MundiのCDのモーツァルト・ソナタ・シリーズ第1弾のジャケットはこんな風貌だった。
●そして同レーベルのシリーズ第2弾はこんな感じ。温和ににこやかなオッチャン然としている(1979年生まれなのでホントは若いんだけど)。
●それが第3弾では一気に痩身化して男前になっている。さわやかさんだし、若々しい。今回のリサイタルではこの写真よりさらに痩せて、カッコよくなってた。クラシック音楽界の岡田斗司夫なのか。いったいどんなダイエットをしたらこんなにステキになれるんだろう。そして、ソナタ全集を完結する頃には、彼はどこまで細くなっているのだろうか。